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第286話 首都決戦編 ~えっ? 孤独な戦いですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「転移!」


 一人寂しく孤独な戦いを行う幼女、ハイガンベイナ8歳です。


「気配察知最大! 魔力探査最大展開!」


 いや、違うな。 今の私は自分自身の力に振り回されている部分があって、近くに仲間がいると危険なんだ。


 別にヘルやハトリを邪魔に思った事は無いし、これからも無い。 だってあの二人を除いたら、何だか世界に取り残された孤独を感じそうで怖いんだ。


 新しい仲間を作れだって? いや、無理。 これでも自分がコミュ障だって自覚はある。


 人間ならレイクフォレストのジアンヌ嬢が少し親しいとは感じているが、友達とか仲間とかにはなれそうにない。 それ以外の知り合いと言えばマリアンヌがいるけど、アイツとは仲良くなれる気がしないんだよね。 思わず何回か「殺そうか?」って考えた位だし。


 本来なら黒竜たちと仲良くするべきなんだろうけど、子孫を残せとか言われている関係上、接近遭遇はなるべく避ける方向で行くつもりだ。


 それ以外となると何だっけ? 神様関係? 今更でしょ。 加護を貰っておいて何だけど、関係は切れてるって思っているし。


 そんな事より、この戦いに集中しないとね。 思わぬ落とし穴があるかも知れないし。


「ふむ。 まだいるな」


 息を殺して、ブレスを放つタイミングを狙っているヤツが3つに、気配をほぼ完璧に消して奇襲を計画していると思われるのが数体。


「これって、気配遮断の異能なんだろうか?」


 そん事を考えているのがマズかったのか、右肩に激痛が走る。


「【爆ぜて死ねっ!】」


 相手の位置がハッキリしないので、呪言じゅごんで死のフィールドを形成すると近くで数匹の蜘蛛くもが弾け飛んだ。


 右肩を確認すると牙が食い込んだ跡があり、毒でも流し込まれたかの様な激痛が続いている。


「くそっ、完全な気配遮断と光学迷彩とか、どんだけ暗殺系の異能を取り込みやがったんだ!」


 自慢じゃないが、私の肌は表面はプニプニでも強度自体が黒竜に劣るワケではないのだ。 だから蜘蛛程度に噛み付かれても傷付くなんて想像すら出来なかった。


 それに入り込んだと思われる毒も厄介だ。 少しだけ足がフラつく。


「邪神にも効果がある毒ってなんだよ…」


 方の傷は少しずつふさがってきているし、毒の方は何とか解毒魔術で緩和させている。 粋がって一人で敵のど真ん中に飛び込むもんじゃねぇな。


 しかし光学迷彩とは恐れ入る。 枝や花に偽装する昆虫なんてのはいるが、透明になれる生き物なんて思い付かないんだよな。 精々カメレオンみたいに周囲の色に合わせる位だろ。


 いや、もしかしたら人間から収集した異能なのだろうか? くそっ、本当に厄介だぞ!


 だが待てよ、人間から得た異能なら人間には見えないってだけの事もあるのか。 私なら熱光学迷彩を展開するんだが、普通の人間は赤外線とか紫外線とかは見えないもんな。


 目に魔力を集中して赤外線や紫外線も含めた視界を展開すると、何と言うかいる。 めっちゃいる。


 紫外線は昆虫でも見えるヤツがいるせいか外れだったケド、赤外線は大当たり。 見えてしまえばこっちのモノだ。


 脚音を立てないようにユックリと移動しているが、見えている連中はまとめて神力でロックオン!


「【まとめてぜろぉぉぉ~っ!】」


 周囲一面に蜘蛛の肉片と体液が散らばった。 ふぅ、やっと囲まれている状態からは脱出出来たみたいだ。


 だが安心したのもつかの間、今度は周囲に仲間がいなくなったのを悟ったかの様にブレス攻撃に見舞われた。


「転移!」


 とてもじゃないが、片手でブレスを防ぎ切れる自信が無いので転移で上空に一旦退避、だがすぐさま見つかって対空砲火の憂き目に遭う。


「少しくらい休ませろよっ!」


 愚痴と一緒に火球をバラ撒きながら応戦する。 やっぱり少しずつだが、敵が強くなってきているんだよな。


 ふと、ハトリの事を思い出す。 「置いていかないでほしいのー」か。 これから戦いが厳しくなってくるのにハトリは大丈夫だろうか?


 いや、今はそんな事を考えている場合じゃないな。 集中、集中!


 右手の感覚も戻ってきているし、順調に回復しているみたいだから、そろそろ反撃といこう。


「ドラゴンブレス!」


 今度は対空砲火をして来る場所をぎ払う様にブレスを放つ。 地面を蜘蛛諸共に溶かしながら焼き尽くす。


 待ち伏せされたのが街と街の間にある少し木や畑がある街道だったのだが、辺り一面はまるで溶岩流にでもあったかの様な地獄絵図になっている。


 気配を殺していた連中も炎に包まれそうになって逃げ出していく。


「逃さねぇよっ!」


 それを一匹、一匹と次々に火球で始末していく。 どうやら暗殺が得意な蜘蛛たちの防御力はそれ程高くはないみたいで、確実に数を減らしていった。


 そんな中、意識が少し朦朧もうろうとしてきたのを感じて解毒が完全では無かった事を思い知った。


「くそがぁぁぁ~っ!」


 動くモノは全て焼き殺す。 もう自分が何を攻撃しているのかが分からなくなって来た頃に、後ろから声が聞こえた気がした。


「敵かっ!」

「ベイナ様ぁ、もう敵は残っていませんよぉ」

「はっ、えっ? ヘル?」

「シッカリして下さいよぉ、ベイナ様ぁ。 そんなんじゃぁ先が思いやられますぅ」

「すっ、スマン」


 その後、私の記憶はポツリと途絶えた。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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