第284話 首都決戦編 ~えっ? 超感覚ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「えぇい、クソっ! 鬱陶しい!」
空中で蜘蛛たちに甚振られる幼女、ハイガンベイナ8歳です。
芋虫の様にガードを固め、時々コレはっ?っと思った瞬間に反撃しているのだが当たらない。 正に「当たらなければどうと言う事は無い」ってのをやられている感じだ。
「クソがっ!」
コッチが反撃しようにも、相手が転移で避ける方が早い。 だから反撃が全て空振りに終わってしまっているのだが、何となくだが転移の兆候みたいなモノが感じられる様になって来ている。
「今に見てろよ…」
何というか、転移してくる直前に空間の歪みの様なモノを感知出来る様になってきているのだ。 コレを物にすれば殺すことが可能な気がしているんだ。
きっとコレはアレだ。 某アニメのニュータイプ的なヤツな気がする。
「そこだっ! 【爆ぜろ!】」
やっと一匹、始末する事が出来た。 爆散する蜘蛛を眺めながら、次の転移反応の兆候を探す。
「次っ! 【爆ぜろ!】」
段々と兆候も感知出来る様になってきたとは言え、どうもこう受身な気がしてシックリ来ない。 やっぱやられたら倍返し位の気分じゃなきゃ私的には納得がいかないのだ。
今度は魔力の流れにも注意しながら、詳しく観察してみる。 するとどうやら転移ってのは、魔力を移動先に集中してからジャンプしているかの様に感じた。
そうか、魔力を使った転移ってのは量子力学の飛躍とは違って、電送に近い気がした。 いや、魔力を使っているんだから魔力伝送って言った方が正しいのか?
だが仕組みが分かったのならやり様もある。 魔力感知を最大にして、跡を追えば良いのだ。
どうやら蜘蛛たちは、私の近くにいる場合は機敏に反応しているのだが、距離が開くと少し安心するらしい。
まぁ甚振ってくれた礼だ。 その時にでも追随してブチ殺すとしよう。
私が攻撃のモーションを見せると、慌てて転移で逃げようとする。 だから、魔力だけを練っていて火球を作り相手が逃げた先へと攻撃を放つ。
「ファイヤーボール!」
相手も転移先に向かって攻撃が飛んでくるとは予想すらしていなかったらしく、その場で火球にぶつかり蒸発する。
「ざまぁっ!」
さぁ、反撃の開始だ。 蜘蛛にとっては連続転移は負担だったらしく、次々と火球にぶつかり蒸発していく。
まぁね。 蜘蛛に比べれば、こっちの魔力は無限に近いのだ。 限られた魔力を運用しながら戦っている蜘蛛たちとは事情が違う。
時には転移で逃れた背後に転移して呪言を使ったり、時には反撃に出る瞬間に反撃してみたり。 コッチは魔力だけじゃなくて神力だって有り余っているのだから、同時運用すれば最早蜘蛛たちは敵ではなくなった。
「甚振られる気分はどーよ? ねぇ、今どんな気持ち?」
煽る言葉に合わせて今度は私が蜘蛛たちを甚振って殺していく。 折角パワーアップしたのだから、この際色々と蜘蛛たちで実験したい。
視界に入った蜘蛛たちに対して呪言を放つ。
「【纏めて爆ぜろ!】」
おおぅ、勘の良い数匹には逃げられてしまったが、射程範囲も威力も桁違いだ。
「はっはっはっ! 何処へ逃げようと言うんだい?」
まるでヤラレ役の台詞みたいだが、今は負ける気がしないのだ。
すると一匹の蜘蛛が、強烈な閃光魔法を使った。
「うぎゃぁぁぁ~っ! 目がぁっ、目ががぁっ!」
視力強化に加えて魔力視強化を使っていたのが仇になった。 えっ? オチまで完璧? ちっ、違うし! ちょっと油断しただけだっ!
「このぉ! もう怒った!」
人間には羞恥心なるモノがるらしいが、私は邪神だからな。 そんなモノはないのだ!
今度は気配察知と神力によるスキャンで相手の位置を特定する。 魔力察知も使用するが、視覚の強化は無しだ。 同じ轍は踏まないのだ。
「【纏めてくたばれやぁぁぁ~っ!】」
ボトボトと落ちていく蜘蛛たち。 どうだ、参ったかっ!
「あのぉ、こっちまで被害を被りそうになったんですけどぉ」
「ハトリもビックリしたのー!」
「さーせん」
「でぇ、何があったんですかぁ?」
「いや、ちょっと調子に乗ってやり過ぎたって言うかなんて言うか…」
「つまりは良い様にヤラれてカッとなって反撃したらシッペ返しでも喰らったって事ですかぁ?」
「はい、反省しています」
「もしかしてママって残念な上にドジっ娘って事なのー?」
「うぐっ!」
「まぁベイナ様ですからねぇ」
「やっぱりママはママなのー」
「ちょっ! それはどう言う意味なんだ?」
何だか呆れられた様な視線がとっても痛かった。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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新作:
VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~
https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902