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第281話 首都決戦編 閑話 ~ハトリの思い~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「いやぁー、一晩寝たら疲れが吹っ飛んだよ」

「ベイナ様はぁ、今日もご機嫌きげんですねぇ」

「ママー、お早うなのー!」


 昨日までは少しグッタリしていたママだけど、今日は元気一杯みたいの。 お早う御座いますなのー、ハトリです。


 私だって一杯修行して強くなったハズなのに、ママが何だか頭が壊れたかと思ったら、急に強くなっていて驚いたの。


 何でもママには黒竜の王様が取り憑いているってヘルが言っていたけど、良く分からないの。 取り憑くって何だろ? ピッタリと寄り添う事なのかな?


 そしてその後、疲れたってママが言ったのである廃墟に入って休憩していたんだけど、飛び跳ねたりプルプルしている内に文字みたいなのがパーっとママの体中に広がったかと思ったら、急にグッタリして少し心配しちゃった。


 ヘルが言うにはママは内側から変態さんになるらしくって、芋虫いもむしが蝶々《ちょうちょう》になるようなモノだって話なんだけど、サッパリだっったの。


 でもママが変態さんになるのはチョッと嫌だなって思っていたんだけど、最終的には少し若返るだけで済んだみたいでほっとしたの。


「ママは変態さんになったの?」

「誰が変態やねん! ちゃうねん、少し魔術とか神術とかが上手くなった程度やねん」

「サッパリ分からないのー!」

「ですよねぇー」


 結局ママに聞いても、なんの話だか良くわからなかったの。 でも、体中から魔力とか神力って呼ばれるモノが溢れ出しているのは何となくだけど理解出来たの。


「ちょっと、魔術とかの試し撃ちに行ってくるわ」

「ハトリも行くのー」

「別に面白い事なんて起きないと思うよ」

「構わないのー」

「さよか、ほな広場まで少し歩こうか?」

「行くのー!」


 ヘルは廃墟でお留守番。 何だが大手術だったから疲れたって言ってた。 昨晩は早めに寝ちゃったケド、起きていればよかったなぁ。


「くっ、左手の刻印がうずくぜっ!」

「ママは怪我をしたのー? 左手は包帯でグルグル巻なのー」

「いや、コレはお約束ってヤツだから…」

「誰かと約束したのー?」

「スミマセン、忘れて下さい」


 ママはそれだけを言って、何だか顔を赤らめていたの。 変態さんになるのって、ヤッパリ恥ずかしい事なのかな? よく分からないや。


 そして広場に到着すると、ママは魔術の試し撃ちをしていたの。 何だかすごくパワーアップしているみたいで、少し驚いちゃった。


 折角ママと一緒に戦えるくらい強くなったのに、また少し置いていかれた気分になって悲しくなったの。


 でもママは少し威力に不満があるみたいで、何だかブツブツ言ってるの。


「ちっ、黒い炎とかだったら邪王炎殺黒龍波じゃおうえんさつこくりゅうはになったモノを…」

「それって何が違うのー?」

「色だけ…かな」

「白い炎もカッコいいと思うのー」

「いや、威力って言うか温度が上昇し過ぎているだけなんだ。 今までみたいにポンポン撃てなくなった問題で…」

「何が問題なのー?」

「牽制用の魔術が必要になった事かな」

「それって必要なのー?」

「お作法ってやつだな。 必殺技しか持っていないなんて戦いが盛り上がらないし」

「盛り上げてどうするのー?」

「読者さまに喜んで貰うためとか? いや、メタ発言でしたホンマ、スンマセン!」

「???」


 何だか問題があるらしいの。 読者さまって誰?


 そうこうしている内に、次は「本命」とかいって手からドラゴンブレスを放ったの。


「うぉぅ、めっちゃ威力が上がってるやん」

「お山の形が変わっちゃったのー!」


 変態さんになる前のドラゴンブレスだって十分強力だったのに、今度のはビックリする位の大きな音と共に、遠くのお山から振動が伝わってきたの。


 これに耐えられる蜘蛛さんはいないんじゃないかな。 ハトリもちょっと自信が無いの。


「いやぁ、まさかココまで威力が上がるとは思ってもみなかったよ。 コレなら蜘蛛の始祖とか言う奴でも余裕で勝てそうだな」

「やっぱり戦うのー?」

「あぁ、中途半端で終わらせるワケにはいかなくなったからな。 今回の件で蜘蛛くもからも恨みを買っている事がハッキリしたんだし、決着はいず何処どこかで着ける事になると思うよ」

「ハトリも付いて行っても良いのー?」

「当然だろ? 今回は偶々苦戦しただけの話だ。 何ならハトリは見ているだけでも問題無いよ」

「一緒に戦うのー!」

「分かった分かったって。 一緒に戦おうな、ハトリ」

「ヘルはどうするのー?」

「ヘルも一緒だ。 アイツは何だかんだ言ったて、場慣れしているみたいだからな。 3人で戦おう」

「うん!」


 ママに一緒に戦おうって言われて、少し嬉しかった。 だってハトリはもう、これ以上強くなれない気がしていたから不安だったの。


「じゃぁこれから何処へ向かうのー?」

「そうだなぁ。 南回りでグルッと魔の森を迂回して、蜘蛛に滅ぼされたって言われている国の王都に向かおうかと考えているんだ」

「王都?」

「国の一番大きな都市?みたいなモノだよ。 別名では首都とも呼ぶかな」

「首都決戦なのー!」

「そうだな、それまでに幾つかの都市や街を経由する事になると思うが、よろしく頼む」

「任せてなのー!」


 ママは簡単に言っているケド、何となくだけどこれからの戦いはきびしいモノになる予感がするの。 でもハトリは負けない。


 ママと一緒に戦うために一杯修行したんだし、実はまだ見せていない技だってあるの。


 この戦いが終わったら皆で旅行とかしたいな。 それで、ママと一緒に沢山遊ぶの。


 そして色んな所にいって、美味しいモノも沢山食べて、あとはノンビリ暮らしたいな。


 だからママ、置いて行っちゃ嫌だよ。 だってハトリはママさえいれば満足なんだから。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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