第277話 都市決戦編 ~えっ? 覚醒ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
『右手を連中に向けてみろ』
こうかな? 私は言われた通りに右手を前に突き出し、敵の一つに狙いを定める。
すると次の瞬間、右手から高出力の熱線の様なモノが放たれて相手の1体を跡形も無く消し飛ばした。 熱線が着弾した辺りは街の瓦礫すらも溶け出して、凄まじい高熱である事が伺える。
夢現の中で戦う幼女、ハイガンベイナ8歳です。
あっ、コレは見た事があるヤツだ。 今は思い出したくも無いが、黒竜王のブレスその物だ。
『ブレスとはこうやって放つモノだ』
少し自慢気なのが気になるが、凶悪さで言えば私の反物質弾頭にすら引けを取らない。 って事は、私に話し掛けているのは黒竜王さん?
『今は意識だけの存在になってしまったがな』
あぁー、本体は私が吹き飛ばしちゃったんだっけか?
『あの程度の攻撃で、死ぬ我では無い』
えっ、あのい状態でも死ななかったの? じゃあ今は生霊さん? でも意識だけの存在だって言ってたし。
『貴様には関係が無い話だ』
あっ、そうっすか。 無視ですか。
『それよりも、この程度の相手に苦戦するとは随分と腑抜けた様子だな』
いや、私は精一杯頑張っていたつもりだよっ! 竜爪とかだって覚えたんだし、転移の使い方だって上手くなったし。
『そんな小技でどうこうしようと言うのが、腑抜けていると言うのだ』
いや、だってねぇ。 あっ、今度は敵からの攻撃がっ!
『ふん!』
今度は、私が以前開発した魔術積層装甲とも言える魔術障壁を改良した様な魔力障壁で、敵のブレスを難なくやり過ごす。
うわっ、勝手に改良されてるし。
『我に掛かれば、改良なんて造作もない。 貴様ほどに愚かでは無いのでな』
悪かったっすねっ! 少し残念な部分がある幼女で。
『貴様には絶望的にセンスが無い』
ぐすん、そこまで言わなくったって。
『まぁこれからは我が鍛えてやるから安心しろ』
あー、やっぱそうなるんすか。 でも宜しくお願いしやっす!
『随分と馴れ馴れしくなったモノだな。 まぁ貴様には元々黒竜の王族の因子を所有していたからな。 それに免じて許してやるとしよう』
えっ? 黒竜の王族の因子? どうして私にそんなモノが?
『知らん。 だが遥か昔の王族の中には人の世に下った者もいたらしいからな。 その関係者か何かだろう』
いやぁ、あの使用人のお母さんがそんな因子を持ち合わせていたとは思えないんだけどな。 考えられるとしたら、あの女神さんのセイな気がする。
『ほぅ、女神謹製の者だとは聞いていたが本当だったのか。 何故女神なんぞが貴様を創った? もしかして使徒か何かか?』
いや、使徒じゃ無いっす。 どちらかと言えば、赤の他人っす。
『まぁ良い。 だが何れは黒竜を統べてもらわなくてはならない存在である事は忘れるでないぞ』
ええっ? 黒竜を統べなきゃならないんすか? どうして私が?
『王族の義務である。 それに子をなして王族の血を復活させる役目もあるしな』
いやだぁぁぁ~っ! 黒竜と交尾なんて嫌だぁぁぁ~っ!
『まぁ貴様が成人した後の話である。 それよりも今は敵を殲滅するのである』
ずっと幼女のままなのは黙っておこう。 知られたら爬虫類(?)との交尾一直線だからな。
んで、これからどうすれば良いのかな?
『薙ぎ払え』
こうかな?
私は右手から凶悪な熱線を放ちながら、残りの蜘蛛を薙ぎ払う。 うわーっ、地獄がこんな所にあっちゃったよ。
「マサカ我ラ、一族総出デモ敵ワヌトハナ…」
「えっ? 何方様で? 蜘蛛に知り合いなんていなかったと思うんですけど?」
「クッ、我ラハ眼中ニスラ無カッタノカ」
『きっと、この蜘蛛の元締めであろうよ。 ひと思いに殺してやるのが情けであろうよ』
「んじゃぁ、言い残す事はありますか?」
「我ラニハ始祖ガイル。 キットアノオ方ガ、貴様ヲ滅ボスでアロウヨ」
「んじゃぁ、それが遺言って事で。 じゃぁ【爆ぜろ!】」
何だか、黒竜王さんが指導する様になってから、神力の方もパワーアップした気がするんだよね。
だから今度は神力も試してみたんだけど、抵抗される事無く相手は爆散して死んだ。
こうしてこの都市での戦いは終わりを告げたのだった。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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新作:
VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~
https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902