表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
276/300

第276話 都市決戦編 ~えっ? 活路を求めてですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「転移! ファイヤー! 転移!」


 私は短距離転移を繰り返しながら反物質弾頭を発射する事を繰り替えしている。


 どうも。 死中に活を必死で見出そうとしている幼女、ハイガンベイナ8歳です。


 蜘蛛くもってのは頭と胸が結合している。 だから最大の攻撃能力を誇るブレスだが、発射するには体の方向を変える必要があり、高速移動する相手には向かない攻撃方法だと気が付いた。


 あのまま魔力障壁で防御を固めていたのでは、何れは押し切られる可能性があったのだし、ハトリの判断は間違っていなかったのだ。


 私がブレスの欠点に気が付いたのはハトリのお陰だ。 この戦いが終わったらねぎらわなくてはな。


 とは言え今は、私ですらハトリの位置は把握していない。 多少気を付けながらハトリがいないと思われる場所に向かって、反物質弾頭を使用した攻撃を繰り替えしている状況である。


 対してヘルの位置は把握している。 かなりの上空に転移たみたいで、魔力反応からの推測だが何やら大掛かりな魔術の準備をしている様だ。


 それに引き換え、蜘蛛たちは苦戦している様子だ。 先程まであった余裕は失われ、ヘルの位置は完全に見失ったみたいでハトリは小さな体でチョコマカと移動しているのでコチらも完全には把握は出来ていないみたいだ。


 とは言え彼らの戦術ネットワークは有効みたいで、私は転移した直後でも簡単に位置を把握され、攻撃を受けてはいる。


 そう、受けてはいるのだが先程の様なブレスの集中攻撃では無いし、硬さで言えば私が一番硬い。 今更魔術攻撃なんて、ブレスの威力に比べれば何て事は無いのだ。


 まぁ痛い事は痛いのだが。


「死ねやこらぁぁぁ~っ! ファイヤー&転移!」


 彼らも反物質弾頭にはどうしようも無いみたいで、確実に数は減らせている。 全然実感は無いけどなっ!


 すると、空から極太の稲妻の束が降ってきた。 これがヘルの攻撃か。 まるでニョルニルか何かの様で、見た目以上に威力も高い。


 今の攻撃だけで、敵の3分の1位は削れたのではなかろうか? まぁ流石の大魔術だけあって、連射は出来ないみたいだが。


 そしてヘルの攻撃から居場所を判断したと思われる一団が空へと向かう。 バカめ、地上に固まっていた場合は反物質だって威力を抑える必要があったのだけれども、空中となれば話は別だ。


まとめて死にさらせぇぇぇ~っ!」


 今度は威力マシマシの反物質弾頭をお見舞いする。 うわっ! 地上にまで被害が出ちゃったよ。 ハトリは大丈夫だったのだろうか?


 慌てて探すが、どうやら地上で交戦していると思われる一団がいる。 良かった。 ハトリは無事だったみたいだな。


 さいわいなのは、蜘蛛たちは空中に移動するのは危険だと判断したのか、空に上がる奴がいなくなった事だろうか? 折角なのでえて言おう。


「思惑通りだっ!」


 完全な嘘なのだが、キレた蜘蛛たちの集中砲火を喰らう。 ゴメン、嘘だからそんにブチ切れないでっ!


 蜘蛛たちの中でマトモに戦えているのは、ハトリと直接対峙している一団と私を対空砲撃が間に合っている一団のみ。 うん、何とかなりそうだ。


 少しそんな事を考えていると、ヘルの第二段の攻撃が…。 って今度は流星爆弾かよっ! 随分と派手な攻撃である。


 いや、少しはハトリに気遣って手段は選ぼうよ! 蜘蛛も流石さすがあわてたのか、ブレスなどで対空砲火を行うが撃ち落とせる流星は少ない。


「ハトリ! 逃げろぉぉぉ~っ!」


 今度は、ハトリがいる場所付近にも流星が着弾する。 流石にヤバいんじゃないかな? だが好材料としては、敵の数はかなり減った。 もう残りは3分の1位だ。


 こうなったら、仕方が無い。 ヘルは後でお仕置きだ! ハトリは戦いが落ち着いてから探す事になりそうだ。


「ラストスパートぉぉぉ~っ! ファイヤーぁぁぁ~っ!」


 なるべくハトリがいないと思われる場所に向けて攻撃を放つ。 いや、ラストスパートなんて言ったケド、最初の数が異様に多かったからね。 敵はまだまだいるんだよ。


 敵である蜘蛛たちも、固まっているのは愚作だと考えたのか散らばり始める。 そしてコッチは、ますます攻略のペースが落ちる。


 叶う事ならば、最後に立っているのは私たちでありたいものだ。 いや、叶う事なんて弱気は禁物だな。 必ずそうしてみせる!


 私は、絶え間なく襲ってくる爆裂術式やブレスに根性で耐えつつ、Aー10の様に戦車を潰すかのごとくに蜘蛛をほふっていく。


 体中がジンジンと痛んで、思考する事すら難しくなっていく。 飛んで空爆を行っているのは絞り出している気力だけもたせている。


 そんな時間がどの位続いたのだろうか? 気が付けば残っている敵の数は、10を切っていた。


 あぁ、やっと終わる。 そんな事を考えたのがマズかったのか、視界が白く染まる。 そして次の瞬間には私は瓦礫がれきになった街を派手にバウンドしながら転げまわっていた。


 そして、何処かの瓦礫の中に突っ込んだ後で、意識がプツンと途切れる。


 夢を見ている様な、何ともハッキリとしない状態。 えっと、私はどうなったんだっけ? 撃ち落とされた? ハトリはどうなった? ヘルは?


 現実感の無い状態で、藻掻もがいてみる。 うん、こりゃどうにもならないみたいだな。


『その程度で死ぬ貴様ではあるまい。 目を覚ませ』


 えっ? 誰?


『ワシと戦っていた時の貴様は、勝つ意志を最後まで失わなかったぞ』


 ええっ! かつて戦った相手って何方様どちらさまですか?


『仕方が無いな。 少し力の使い方を教えてやろう』


 幻聴だろうか?


『たわけめっ!』


 何処かの誰かさんのお陰か、体中に広まっていた痛みは消え、力と言うかエネルギーと言うか何かに満たされていくのを感じる。


 何だろコレ? 感覚で言えば黒竜の魂に近しい何かなんだけど、もっと次元が違う印象を受ける。


『さぁ、戦え!』


 そんな言葉が、頭の中を埋め尽くした。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ