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第275話 都市決戦編 ~えっ? 敵の罠ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

随分ずいぶんと静かだな」

「えぇ、蜘蛛くもたちも決戦を望んでいるんだと思いますぅ」

「ハトリは頑張るのー!」


 決戦を前にして広場へと向かう幼女、ハイガンベイナ8歳です。


 ユックリと相手が待ち構えているのが分かっている広場へと向かう。 周囲からは殺気を帯びた視線を感じながらの移動なので、緊張感はある。


 そんな中、ハトリとヘルは黙り込んでいる。 流石に巫山戯ふざけている場合じゃないと理解しているみたいだ。


 そして広場の中央では、今回の親玉が殺意を怒りが籠もった視線を私たちに向けてくる。


「やぁ、あんたが親玉って事で良いのかな?」

「随分ト、我々ノ仲間ヲ殺シテクレタ様ダナ」

「へぇ、そんな事まで把握しているんだ」

「ダカラ最高ノオ持テ成シヲ用意シテ、待ッテイタノダ」

「前にも待ち伏せに近い事を受けた事があるけど、そいつも死んだぜ」

「フフッ、ソウ上手クイクト良イノダガナ」

「じゃぁ始めようか?」

「無論ダ。 後悔シテ死ヌガ良イ!」


 親玉の蜘蛛がそう言うと、周囲に多数の転移反応が現れた。


「うげっ、コイツら全部が親玉クラスじゃねぇかっ!」


 そう、数えるのが嫌になる程の親玉がクラスの蜘蛛たちが、一斉にブレス攻撃の準備を始める。


「うぉぉぉ~っ! 間に合えっ、全力魔力障壁っ!」


 私が全力を込めた魔力障壁を展開するのと同時に、視界が真っ白に染まる。


「くそっ、このままじゃ魔力障壁がたねぇっ!」

「お手伝いしますぅ」


 ヘルも合わせて魔力障壁を展開するが、相手の攻撃が止む気配が無い。 黒竜や邪心の力の全てを投入しての魔力障壁だってのに、魔力や神力がガンガン削られていくのを感じる。


 こんなの、黒竜だって喰らったらヤバそうな攻撃だ。 当然私だって、魔力障壁が無くなれば無傷では済まないだろう。


「くそっ! こんなわながあるとはなっ!」


 自分が転移を使うのは気にならないが、相手に使われると腹が立つ事を知った。 だが打つ手が無い。


 この場合は転移で逃げるのが最適解なのだろうが、転移に意識を向けると魔力障壁の強度が落ちる。


「なぁヘルっ! 何とか転移で逃げられないか?」

「私も手一杯ですぅ!」


 ヤバいな。 本当にヤバい。


 私は魔力障壁が無くなっても何とか生き残れそうな攻撃だが、ヘルはどうだろう? こんなに余裕の無いヘルを見るのは初めてだ。


 いや、それ以前にハトリは死ぬんじゃないかな。 流石にこんなのは予定していなかったぞ!


 それに転移してきた蜘蛛たちがヤバい。 転移能力を有している事もヤバいのだが、何よりも強さが今までの親玉とは違って格上の印象を受ける。


 更にに言えば、転移で逃げたとしても追ってこられる可能性がある事だろう。 本当に八方塞はっぽうふさがりか。


 まさかプライドの高そうな親蜘蛛が、増援を求めるなんて予想すら出来なかった。 まさに完敗だよ。


「ママっ! 一瞬で良いから魔力障壁を解除出来るの?」

「出来なくは無いが、ダメだ! そんな事をすれば、みんなお陀仏だぶつだからなっ!」

「ハトリなら何とか出来る気がするの!」

「絶対にダメだ!」

「このままだと、押し切られるのっ!」

「いや、だからと言って…」


 ハトリにこの状況が何とか出来る? いや、ハトリなら直撃すれば死ぬことになる。


 確かにハトリはブレスだって両断できる可能性はあるが、分が悪過ぎる。


「ママっ! お願いなのっ!」

「くっ、しかし…」


 このままではジリ貧なのは理解している。 だからと言って、ハトリを危険にさらすなんて考えられない。


「ベイナ様、ハトリちゃんの意志は固いみたいですよぉ」

「くっ、ヘルまでそんな事を言うのか…」


 仕方が無いな。 ヘルにまで言われるって事は、他に選択肢が無いって事なんだろうな。


「ハトリ、死ぬんじゃないぞ!」

「うん、任せてなのっ!」


 こうなりゃヤケだ。 一瞬なら私やヘルだってこの攻撃に耐えられるし、ここはハトリに任せるとするか。


「よし、分かった。 タイミングを合わせるぞ! 3…、2…、1…、ゼロ!」


 一瞬だけ魔力障壁を開放する。 するとハトリは縮地で器用にブレスを躱しながら、一体の蜘蛛に近付いて行った。 当然私は魔力衝撃の張り直しだ。


「剣王竜斬撃なのー!」


 相手の蜘蛛たちはハトリのスピードに追い付けない事と、同士討ちを避けるために援護すら出来ていない。


 しかし凄いな。 今回の蜘蛛たちは硬そうなんだけど、一刀両断とは恐れ入る。 意識がハトリに向かっている今がチャンスだ!


「三連ガトリングレールガン展開! ファイヤー!」


 今回使用した弾頭は、反物質の量を減らした必殺のモノだ。 核汚染とかもう知った事ではない。 久々の使用になるが、手加減無しだ。


 狙いはハトリが蜘蛛たちと格闘しているのとは別グループ。 着弾と同時に、白い閃光が広がった。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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