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第272話 都市決戦編 ~えっ? 街への侵入ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「うをりゃっ! 竜爪りゅうそう! ってうひょっ!」


 何とか地上からの対空射撃を避けながら戦う幼女、ハイガンベイナ8歳です。


 対空射撃を行っている部隊にはヘルに担当して貰っているのだが、まだ到着すら出来ていないらしい。 アッチはアッチで邪魔じゃまが入っているのだ。


 そしてハトリは、延々と続く増援に進む事すら難儀している様子。 まぁ私の方は1人になった事を好機だとでも思われているのか、からかわれているかの様にもてあそばれている。


 そう、3人とも押されているのだ。


「蜘蛛のクセして飛べるからって、良い気になってんじゃねぇぞっ!」


 苦しまぎれで挑発して見るが、コレと言った反応を見せる事無く連携で私の体力を奪いにきている。 そりゃぁね、確実に何回も爆裂魔法を打ち込んでいるのに私が弱った姿をみせないからね。


 だから増援待ちの嫌がらせの様な攻撃にシフトしたのだろう。 つまる所は、時間が経過すればそれだけ私たちが不利になるって事だ。


 このままじゃぁ、街への侵入すら覚束無おぼつかない。 うん、未来は真っ暗だ。


 私は覚悟を決めて、内なる黒竜の魂への依存度を上げた。 正直に言えば見た目が少し爬虫類はちゅうるいっぽくなるから好きじゃ無いんだけどね。 贅沢ぜいたくは言ってられないんだ。


 あぁ、鬱陶うっとうしい羽虫どもだ。 思考のソレが暴虐ぼうぎゃくに侵食されていくのを感じながら、羽虫のいる場所にホンモノの爆裂魔術を叩き込む。


 そして当然の結果として、多くの羽虫が地へと落ちて行った。


 やはり魔術と黒竜の相性は抜群だ。 同じ爆裂魔術でも、威力が1桁上がった気がする。


 勿論相手も反撃してくるのだが、痛くも痒くも無い。 ふっ、所詮しょせんは虫の親戚か。 その程度の攻撃が精一杯なのだろう。


 そして急に戦局が変わってあわてふためいている蜘蛛たちを近くにいる奴は竜爪で、遠くにいる奴にはブレスで命を刈り取っていく。 特にブレスに当たった連中などは消し炭すら残さずに消滅していく。


「ふははははっ! 掛かって来いやぁ、雑魚どもめっ!」


 あらヤダ、何だかヤラレ役の悪者みたいなセリフだな。 こんなのがあるから黒竜への依存度は上げたくなかったんだけどね。 最早、贅沢は言ってられない状況なんだ。


 こうなった私には、到着した増援も意味を成さなかった。 いや、ハトリはヘルは苦戦しているみたいだし、意味はあるんだ。


 そう言えば、ヘルが苦戦しているのって珍しいな。 いつもヘラヘラして余裕をかましているヘルを見慣れているセイか、少し新鮮だ。


まとめて死ねやぁ!」


 そう言いながら空中にいる敵、地上にいる敵をぎ払っていく。 うん、気分はアレだね。 「薙ぎ払え!」とか言うヤツ。


 まだ飛んでいる敵は多いけど、こうなってはココは私の狩場でしかない。 敵はもう編隊飛行すら出来なくなったのか、散り散りで逃げ惑っている。


「ふん! 誰が逃すかよ!」


 私はヒラリと翼を翻し、相手の背後から襲っていく。 ん? 翼?


 少し冷静になって、自分の姿を確認してみる。


 まずは手。 真っ黒な鱗に被われて、凶悪な爪が赤く染まって伸びている。


 次は足。 何と言えば良いのかな? ワシのとかタカとかよりも凶悪な感じで、これまた爪が真っ赤に染まっている。


 そして、背中。 衣服の背中が大きく破れ去り、コウモリの翼を凶悪にした感じの大きな翼が羽ばたいている。


「んにゃっ! それじゃぁ顔は?」


 恐る恐る手で触ってみると口の部分が大きく前に突き出しており、凶悪な牙がヅラリと並んでいる。


 うん、これはアレだね。 サイズ感は大して違わないんだけど、姿形は黒竜のソレ。 いやん、尻尾のセイでおパンツさまが行方不明だ。


 つまり、外見上は幼女サイズの黒竜が破れた幼女服を着ている状態である。


 もしかしたら転スラのガビルか何かを想像するかも知れないケド、そんなモノよりももっと外見は爬虫類に近い。


 おっかしいなぁ。 こんな予定じゃぁ無かったんだけどなぁ。


 周囲の蜘蛛は、止まった私を好機と捉えたのか魔術だのブレスだのを撃ち込んで来るが関係ない。 いや、痛く無いってのもあるんだけど、ちょっとショックがね…。


 幼女の外見には少しは自信があったんだけどな。 コレ、ちゃんと戻れるよな。


「戻れぇぇぇ、戻れぇぇぇ~っ。 ってうをっ! 痛いっ!」


 ちゃんと黒竜の魂から支配権を奪い取ると、人間の姿に戻っていく。 だがそれに比例して、蜘蛛の魔術とかブレスとかが痛く感じてしまうのだ。


「あっ、服が…」


 気が付くと、私は相手の攻撃に寄ってスッポンポンになっていた。 くそう! この世界じゃぁ、衣服って結構高いんだぞ!


 私は一旦、蜘蛛たちが到達できない高度まで上昇して、いそいそとアイテムボックスから出した衣服を着用していく。


 上はどうすっかな。 飛行性能を考えたら翼は出しておきたいんだけど、アニメみたいに服はそのままってワケにはいかないんだよな。


 まま良いや。 魔術で飛ぶ分には翼は必要ないんだし、飛行魔術を上達させれば良いだけか。 おパンツ様の事もあるし。


 結局、衣服は幼女服のそれで完全防備して強固な魔術結界を張る事にした。 うん、スッポンポンとか上だけ裸とかだと、今度はヘルに襲われるからね。


「よーし、集中、集中!」


 要は翼があるかの様な飛行が行えれば良いだけの話だ。 さっきの感覚は残っているんだし、何とかなるんじゃないかな。


 意を決して、急降下で1匹の蜘蛛に狙いを定める。


「竜爪!」


 すれ違いざまに1匹の蜘蛛を切り刻む。 爪だけを伸ばし、手は幼女の可愛いお手々である。


「やりゃぁ出来るじゃん!」


 まだ街への侵入すら果たしていないケド、このまま慣れていこうと思う。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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