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第255話 再会編 ~えっ? 作戦会議ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「…と言った感じの都市なんだが、何か良い案とかはあるかな?」

まとめて吹き飛ばしてしまえば良いと思うのですぅ」

「いや、蜘蛛くもの中には魔術耐性を持っている個体も多くてな、そのまま何処かへハジキ飛ばす結果になりそうなんだよ」

「それは面倒ですねぇ」


 ヘルと二人で作戦会議をする幼女、ハイガンベイナ7歳です。


 どうやらハトリは難しい事を考えるのが好きでは無いらしく、一人で船を漕いでいた。 何だか中身は変わっていないみたいでホッとする。


 場所はハトリたちと出会った飲食店のテーブル席で、食事を兼ねた作戦会議なのだ。


 とは言ってもお腹が膨れたハトリは作戦会議には興味すら無いらしく、凄まじいボディタッチの後はひたすら食事をしていたのだが、食べたら寝るを実践するタイプみたいだ。


「だからと言って神力が通用しないワケじゃないんだ。 親玉と思われる大蜘蛛には防がれたケド、それ以外の相手には有効だった」

「それなら神術を使った大技とかならどうですかぁ? 神罰術式ってのがあるんですけど、大雨を降らせるとか火の雨を降らせるモノなんてのもありますよぉ」

「それって、蜘蛛を個別にロックオンして攻撃したりする事は可能なのか?」

「そんな繊細な術じゃないですぅ。 どちらかと言えばデモンストレーションとして洪水を起こしたりして人間をビビらせる為の術なんですぅ」

「くっ、演出用かよっ!」


 神術には大きく分けて3種類の術式がある。 一つ目はお馴染みの絶対命令術式、これは私がいつも使っているヤツで、相手を言葉一つで爆散させたり死なせたりする事が出来る。


 そして二つ目がデモンストレーション系で、こちらは人間に神罰や奇跡として認識させる為のモノで、ハッキリ言って戦闘では使い難い。


 そして三つ目が自己強化系。 これた魔術の威力を増加させたり身体強化を行ったりと、支援魔術に近いモノだ。 性能はピカイチなので私は防御力強化などに使っているのだか、魔術と違って第三者には施せない欠点がある。


 要は凄い戦士なら超凄い戦士になれて、魔術師なら超凄い魔術師になれるって能力だな。 闘神が強いのはこのお陰と言えるだろう。


「それじゃぁ、地上と空からの侵攻で親玉を殺すってのはどうですかぁ? 攻略出来ないのはぁ、相手の指揮能力が高いセイってのもあるんですよねぇ」

「そうは言ってもな、指揮統率された蜘蛛たちってのは思いの外に厄介だぞ?」

「修行して強くなったハトリちゃんを信じてみませんかぁ? きっと驚きますよぉ」

「そうなのか?」

「そうなんですぅ」


 うつらうつらしているハトリは、見掛けは少し大きくなった印象を受けるが、そこまで強くなった印象は受けない。


 いや、待て。 そうか、自己強化系の神力か!


 確かにそれまでのハトリは、剣術とかの物理攻撃能力に特化していた印象を受けていた。 既にあの時点でも剣聖と互角に戦える力はあったのだ。


 その戦闘能力が数倍とか数十倍になるんだったら、それはそれで凄まじいモノがある。 間違いなく闘神の一角にはなれるだろう。


「実際の戦闘ではどんな感じだった?」

「そうですねぇ、人間の軍隊を相手にした場合なら、無人の野を行くがごとしって感じでしたぁ」

「つまり、人間程度なら最早相手にすらならない状態って事か」

「そんな感じですぅ」


 そうか、私は神になった時には邪神寄りになってしまったケド、ハトリは本当に闘神になってしまったんだな。 嬉しい様な寂しい様な。


「ハトリちゃんは元々目が良いですしぃ、それに最近では気配察知もうまくなりましたからぁ、どんな相手でも簡単に遅れを取る事は無いと思うのですぅ」

「実際に戦っている姿を見たくなってしまうな」


 確かに地上と空からの同時攻撃ってのはありかも知れないな。 私が敵の親玉だとしても、ハトリを無視するなんて選択肢は取れない気がする。


 前回は私一人で都市の攻略を行っていたのだから、相手も対応が楽だったってのもあるのではなかろうか?


 本来なら私個人の問題だし、ハトリやヘルに手伝ってもらうのは邪道かも知れないが、内心では反物質弾頭の使用も検討し始めていたのだ。


 行く行くは自力で魔術や神術、それらの合成で何とか出来る様になりたいのだが、私はまだまだ戦闘経験が不足しているのだろう。


 今の私は魂の力、すなわち黒竜と邪神の力の使い方に慣れている最中で、熟練と呼ぶには程遠い。 いまだに手加減などは完全に習得したとは言えない状態だ。


 それに引き換えハトリは、自分の強さの直線上を愚直に進み、その過程で神力も取り込んだのだろう。


 ハトリの素直さは、最早特技と言えるのかも知れないな。 私が使い方で色々と悩んでいる最中に、ハトリはズンズン前へと進んでいく。


「悩むより慣れろ」って言葉があるけど、ハトリを見ていると思い知らされる。 私って頭デッカチなんだなと。


「良かったらハトリちゃんと手合わせしてみますかぁ?」

「いや、止めておくよ」


 ハトリの本気の実力を知りたいのは山々だけど、流石に街中で暴れるワケにはいかないからね。 それに私だって竜爪を使える様になっているので、お互いが本気を出したら周辺被害だって相当なモノになる気がする。


 いや、正直に言おう。 魔術や神力を使った戦闘なら負けるつもりは無いケド、そうなるとお互いが怪我をしちゃいそうなんだよね。 それに物理縛りなら私の方が負ける気がする。


 もう既に、ハトリは守るべき存在じゃぁ無くなったって事だ。 嬉しい事ではあるんだけど、寂しいと言うか、もうママ扱いされなくなるんじゃないかって恐怖すらある。


 子供の成長ってこんなにも早いんだなって思い知った感じだ。 全ての親が経験する事なのかも知れないケド。


 とは言えハトリが頑張った結果だ。 素直に喜ぶべきだよな。


「それじゃぁハトリが前衛、後衛は万が一の場合の退路の確保を含めたヘルが担当、私は遊撃で空からの攻撃って事で良いかな?」

「ええ、それで問題無いと思いますぅ。 場合によってはハトリちゃんが先行し過ぎる可能性がある位ですがぁ、その時は私たちが合わせると言う事でぇ」

「いやいや、蜘蛛たちの連携って結構凄いよ? そう簡単には先行出来ないんじゃないかな?」

「だったら驚くと思いますよぉ。 物理特化の極致に到達しそうなハトリちゃんを見ればぁ」


 物理特化の極致? 何だソレ。 もの凄い剣士にでもなったとでも思っていたのだが、それでも認識が甘かったらしい。


 でも今ではテーブルに突っ伏して寝ているハトリが、物理特化の極致ねぇ。 見ている限りでは可愛い女の子なのだが。


「じゃぁ早速、明日から攻略開始って事で良いかな? 今夜はこの街で宿でも取る事にして」

「久しぶりに一緒に寝るのですぅ」

「襲ってくるなよ。 明日に向けて体力を残しておきたいんだから」

「久しぶりの愛の共同作業ですからねぇ。 ちゃんとわきまえているのですぅ」

「ハトリはどうする? 私が運ぼうか?」

「流石に絵面えづらが悪すぎると思うのですぅ。 まぁ良くある事ですしぃ、私が運びますよぉ」

「そっか、良くあるのか。 じゃぁ私は支払いを済ませてくるから宜しく頼む」

「はい! 頼まれましたぁ!」


 そっか、良くあるのか。 少し離れていただけなのに、感じるこの寂しさは何だろう。


 私たちは支払いを済ませてから、街の中にある一番大きな宿へと向かった。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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