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第253話 再会編 ~えっ? 対空砲火ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「うげぇ、撃ってきやがった!」


 対空砲火を避けながら都市の攻略方法を考える幼女、ハイガンベイナ7歳です。


 流石さすがに航空戦力を有している都市だけあって、凄まじい数の対空砲火に見舞われた。 これじゃぁ、空からの攻撃に事前準備していたみたいじゃないか。


 いや、事実そうしていたのだろう。 私よりも先に空からの攻撃でも受けた事があるかの様に、近付けば近付く程に砲撃が激しくなる。


 スクランブルして来た蜘蛛たちにも思ったケド、随分と戦い慣れている印象を受けるな。


 威力は本当に様々たけど、こっちの回避行動まで想定したかの様な砲撃だ。 嫌になるね。


 対してこちらは、目立つ砲撃手が攻撃可能範囲に入った順から反撃を食らわす。


「【爆ぜろ!】、【爆ぜろ!】、【爆ぜろ!】」


 魔術の効果が薄いのは学習済みだからね。 主に神力を使った攻撃だが、その分確実に相手の数を減らせている。


 とは言っても、あの航空戦力が虎の子だったのか、地上にいる砲撃手の数は数えるのが面倒になる位には沢山いるのだ。


 いくら被弾は覚悟の上で突入しているとは言っても、やっぱり痛い。 それに爆炎によって視界が遮られるのも鬱陶うっとうしい。


 相手の攻撃は、ブレスとエクスプロージョンがメインな印象を受けるのだが、人間の軍隊よりも遥に魔術師と呼べる者が多い。


 人間が防衛している都市なんかとは比べ物にならない位の戦力だ。 攻略が完了するまでは、かなりの時間が必要なんじゃなかろうか?


「痛てててて」


 ふと無意識に相手の砲撃を避ける様な回避行動を取ったのがマズかったらしい。 気が付くと、大きな魔力反応がある砲撃手の射線上に入っていたみたいだ。


 あれはヤバい。 気が付くのが送れていたら回避する事すら出来なかっただろう。


「ひぇぇぇ~っ! 間に合えぇぇぇ~っ!」


 体中に強烈なGを感じながら、すんでのところで回避に成功した。 私の横を過ぎ去る巨大なブレス。 まるで粒子砲だ。


 何とか回避に間に合った私は、改めて砲撃手を見る。 体は他の成体などの数倍はあろうかと言う様な巨体で、凄まじい敵意を感じる。


「アレが今回の親玉か?」


 蜘蛛に対して威風堂々なんて言葉が似合うかどうかは知らないが、防御力も随分と高そうだ。


「【爆ぜろぉぉぉ~っ!】」


 可能な限りの神力を込めて攻撃してみるが、予想通りと言うべきか強烈な自我によってレジストされた。


「ちっ、後回しにするしか無さそうだな」


 あの強力なブレスは、私の障壁を突破する可能性がある十分な威力だった。 だから本来なら後回しにしたくは無いのだが、地上からの砲撃は無視をするには数が多過ぎるのだ。


 それに連携して親玉の射線上に追い込もうとするのも厄介だ。 あのブレスならワイバーン程度であれば蒸発しかねない威力がある。


 流石にあのブレスで私が即死するとは思わないが、痛いどころで済む気もしない。 とは言っても魔力を溜めるのに時間が必要なのか、乱射して来ないのは助かるが。


 今度は外周からチマチマと砲撃手を始末していく。 親玉が陣取っているのが都市の中央近くと言う事もあって、これと言った妨害も入らない。


「それにしても、凄い数だな」


 街と言うよりも都市と呼んだ方が良い大きさなのもあるのだが、この都市に入り込んでいる蜘蛛の数が異様に多い。


 一体どうやって蜘蛛たちはこの都市を攻略したのだろうか? 数の暴力で押し切ったとか? じゃぁそれらは何処からやって来たのか?


 都市を占拠するだけでは飽き足らず、この様な防衛体制だって構築しているのだ。 余程親玉の頭脳が優れているのか、人間の王都なんかよりも攻め辛い。


 元々はそれなりに栄えた都市だったのだろう。 人間の数は少なく見積もっても数十万、下手をすれば百万人にも届いていた可能性だってある。


 この世界に政令指定都市なんて言葉があるかは知らないが、それくらいの規模はある都市だ。 そりゃぁ蜘蛛たちにすれば攻略さえしてしまえば、豊富な餌場になったのだろう。


 その結果かどうかは知らないが、人間の生命反応は驚く程に少ない。 豊富な餌によって増殖した蜘蛛の楽園。 それがこの都市の現状だった。


 今は蜘蛛たちにとって過渡期なのだろうか? やがては食料問題が発生するハズだ。


 まぁ何が言いたいかって言うと、蜘蛛の数が十万は越えているって事だ。


 1分間に3匹倒したとしても1時間で180匹。 これじゃぁ蜘蛛の殲滅まで数週間、いや1ヶ月以上は必要だろう。


 大魔術でドカンと都市ごと吹き飛ばしたい衝動に駆られるが、相手には高い魔術耐性があるときている。 下手に四方八方に散らばってしまえば、蜘蛛の殲滅どころでは無くなってしまうだろう。


「上手くいかないモノだな」


 だがそんな私の感情を無視するかの様に、地上からの砲撃が強まった。 どうやら私が都市の中央を攻撃する意志が無い事を悟った連中は、防空戦力を外周に集め始めた様だ。


 これでもしも撃ち落とせたら僥倖ぎょうこうだとでも思っているのだろう。 それに追い返すだけでも彼らに取っては勝利に近しいのだ。


 都市の中央まで上空から攻め込んだバカが逃げ帰る事にるのだから、楽しいだろうな。 私は楽しく無いケド。


 それまでは個別に対空射撃を行っていた蜘蛛たちが、現在では連携しながら砲撃をして来る。 私は仕方がなく回避行動を取りながらチマチマと反撃。


「って、余計に効率が悪くなっているじゃねぇかっ!」


 1分間に2~3匹は確実にほふっていたモノが、今では1分では1匹倒せるかどうか。 いやはや、地上に於いても彼らの戦術ネットワークは健在らしい。


 しかもコチラの様子が見えているかの様に、次に攻撃しようと向かった場所では更に厳重な布陣で待ち構えているのである。


 もはや並の竜種ならば、あきらめて帰っている位の厳重さだ。 黒竜たちならどうするのだろうか? 何だか逆ギレする様子が目に浮かぶ。


「これは一度、出直した方が良いかも知れないな」


 何だか逃げ帰るみたいで恰好が悪いが、そろそろお腹が空いてきたってのもあるし、連中は私が爆散させた蜘蛛たちを非常食として食していたりするのだ。


「くそう、覚えてやがれ!」


 私は三下が吐きそうな台詞を残して、その場を去る事にした。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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