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第250話 闘争編 ~えっ? 総決算ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「お前もそろそろ、黒竜としての戦い方に慣れてきたみたいだな」

「そうかなぁ」


 やっとイリスに認められた幼女、ハイガンベイナ7歳です。


「そこでだ、お前にはこのまま蜘蛛くもの掃討を続けてもらって、私はチビの訓練の為に里に戻ろうと思う」

「ミーティアを連れていくのか?」

「ああ、そうだ」


 どうやらイリスは、ミーティアの訓練も行うつもりらしい。 まぁミーティアは、ほとんど私の戦闘を眺めていただけだからね。 その方が良いかも知れないな。


「それじゃぁミーティア、お前もシッカリ訓練するんだぞ」

『お前なんかに言われたくないです』


 相変わらず可愛気かわいげの無いヤツだ。


「じゃぁ、またな。 イリス、ミーティア」

「こっちは任せておけ。 おチビも一端に戦えるヤツにしてやるさ」

『次に会うときは、お前を倒して泣かしてやるのです』


 そんな事を言っているミーティアだが、次に会うときはどうなっているのだろうか? やっぱり戦って上下を決めなくてはいけないのだろうか?


「時々、お前のチェックに現れるからな。 修行をおこたるんじゃねーぞ」

「分かっているよ」

「じゃぁ、またな」


 そう言ってイリスとミーティアは、私の前から去って行った。 そうか、これからは私一人で戦う事になるのか。 何だか寂しいような寂しくない様な。


 あっ、そう言えばヘルやハトリはどうしているのだろうか? 一段落したら、会いに行くのも良いな。


 ならば私のやる事は、今までの続きだ。 蜘蛛の魔物を探して根絶していく。 それだけだ。


 よし、アカシックレコードの検索から始める事にするか。


 そして私は意識を集中し、アカシックレコードへのアクセスを開始した。 とは言え、乱雑なログを一々調べる地道な作業なのだが。


 ここから近い地点だと飛行すれば数時間、今度は少し大きめの都市と、その近隣の集落や林と言ったところか。


 だが少し妙だな。 記録では成体の大きさが少し大きい気もするし、何と言っても親蜘蛛に相当する個体が見つからない。


 何だろう。 株分けでもされたかの様な印象だ。 まぁ、行ってみれば判明するか。


 私は意を決して、記録にあった街へと向かって飛行して行く事にした。


 道すがら上空から地上を観察していると、人間の反応が感じられない。 いや、人間だけじゃないな。 魔物や動物の反応すら少なすぎる気がした。


 粗方あらかた蜘蛛にでも食われたのだろうか? そりゃぁ蜘蛛の侵攻方向を逆算している事にもなるのだから、当然の結果なのかも知れないが。


 あの蜘蛛の魔物って、生態系の中から逸脱している気がするんだよな。 今のペースで増殖していけば、生態系そのものが壊れる気がするし。


 一番近い現象は、イナゴの蝗害こうがいだろうか。 餌が無くなるまで増え続ける様な。


 まぁ良い。 どうせ全て駆除しなければならないんだ。 人間や動物何かを対象とした蝗害みたいなモノだとでも思えば良いか。


 そんな事を考えながら飛行していると、成体の蜘蛛と思しき反応が現れた。 おかしいな。 目標の都市までは距離があるし、餌があるとも思えないんだが。


 そして現場の森に近づくと、そこは一体の弱った蜘蛛を複数体の蜘蛛が襲っている状態だった。


 あぁ、なる程。 餌が不足するとこうなるのか。 共食いとかするんだな。


 助ける義理は無いので上空から観察していると弱っていた蜘蛛はやがて倒され、他の蜘蛛の餌になった。 だが詳しく観察してみると、普通の共食いとは少し違う様だ。


「もしかして、蜘蛛の中に序列がある?」


 そう、倒すときは協力しあっていた様に見えたのだが、倒した蜘蛛を食べ始めたのはその内の一番大きな成体のみで、他の蜘蛛たちはお預けをくらっている。


 内臓が一番美味しいのだろうか? 一番大きな成体が満足したかの様に食事を終えると、残りの無もたちが残った脚や他の部分を喰らい始めた。


 もしかして、こうやって親蜘蛛が決まっていくのだろうか? だとすると、こうやって誕生した親蜘蛛たちが他の街などへと侵攻して行くのだろう。


「まぁ、見逃す理由は無いな」


 どうやらこの蜘蛛の成体たちは上空への探知能力は無いみたいで、私に気づく個体は存在しないみたいだ。 それにこの森には他の個体の反応も無い。


「それじゃぁ、一気に殲滅せんめつしますか」


 普通の個体よりも強そうなので、シッカリとためを作ってドラゴンブレスを放つ。 何匹かは私の攻撃に気が付いた様だがもう遅い。


 成体たちが群がっていた地点をドラゴンブレスが直撃すると、これといった抵抗を見せること無く蜘蛛たちは消し飛んだ。


 だが楽観は出来ない。 奴等は同族をも含めた生存競争を行っているのだ。 これから先は、より強力な個体も現れるだえろう。


「こりゃ、うかうかしていられないな」


 親蜘蛛が、強力な子蜘蛛が現れた場合は食べて能力を獲得する事があるのは知っていたが、成体同士でも異能などのやりとりが発生するなら、進化のスピードが変わってくる。


 確かに放置しておけば生態系の破戒だけではなく、黒竜なども含めた支配構造の変化すら起きかねない。


 例えばミーティアなどの弱い個体を蜘蛛が捕食して異能などを獲得すれば、生存競争が地上だけではなく、空の中でも起きるかも知れない。


 現段階で言えば、黒竜たちと蜘蛛たちとの戦闘能力には圧倒的な開きがあるが、蜘蛛たちには数の暴力といった手段がある。


 それに黒竜たちは好んで人間なんかを食べたりしないが、放置すれば蜘蛛たちは人間達を絶滅させる可能性がある。


 いくら私が人間の見方じゃないとは言っても、絶滅させられたりしたら困るんだよね。 人類の敵みたいな事をやった私にとっても。


 最初は只の訓練と黒竜たちからの襲撃を恐れて始めた蜘蛛の討伐だけど、私自身にとっても蜘蛛の討伐は必要事項になった気がした。


 まぁ良い。 どっちにしてもやる事は変わらない。 蜘蛛共を狩り尽くしてやろうじゃないか。


 その時、私は初めて本気になった。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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