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第245話 闘争編 ~えっ? 掃討ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「よし、生存者の事は後で考えるとして、残った蜘蛛くもたちの掃討でもするか」


 残った蜘蛛たちの掃討を行う幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 気配察知と魔力探査の両方を使って、蜘蛛たちの位置を把握する。 おや? 成体の蜘蛛たちが街の外へと向かっている?


 もしかして親蜘蛛の敗北をさとったのだろうか? だとするとヤバいな。


 成体たちの行動を観察してみると、真っ先に街からの脱出を試みている気がする。 もしも四方八方に逃げられたら取り逃してしまう可能性があるぞ。


 親蜘蛛に成れる条件なんて知らないが、逃げられた成体がどこかで親蜘蛛に成長されたら厄介なんて言葉で済まない。


「くっ、逃してたまるかっ!」


 幸いにして、子蜘蛛は逃げる素振そぶりは見せていない。 これらは後回しにしても問題ないだろう。


 時間短縮も兼ねて、転移で近くまで移動してブレスで攻撃する。 私のブレスに成体の蜘蛛では対処出来ないのは確認済なので、周囲への影響は無視しての攻撃だ。


「死ねっ!」


 周囲の建物や、場合によっては外壁も壊してしまっているが、そんな事よりも成体の掃討を優先する。 いささか威力が強すぎる気もするが、確実に仕留める事が肝心だからだ。


「あっ、既に街の外まで移動しているヤツまでいるじゃん」


 思っていたよりも、成体たちの行動が速い。 こりゃ、時間との勝負だな。


 転移とブレスの組み合わせで次々と成体を抹殺していっているのだが、このままでは探知外へ出られてしまう可能性が大きくなってしまいそうだ。


「仕方が無いな」


 街の中央へと移動して、上空から威力マシマシのブレスで成体のいそうな領域をぎ払う。 イリスの高度制限を無視する結果になってしまったが、後で弁解でもするしかないな。


「ぐをぉぉぉ~っ! ブレス! ブレス! ブレス!」


 気が付けば、蜘蛛たちよりも街を破壊しまくっているのだが、苦情を受け付ける予定は無い。 まぁイリスがこれを問題視するとも思えないので大丈夫だろう。


「ぐをぉぉぉ~っ! ブレス! ブレス! ブレス! ブレス! ブレス!」


 街どころか、周囲の街道なども破壊してしまったが、どうせ死んだ街だ。 気にするのは止めておこう。 街の復興すら不可能になった気もするが、どうせ近隣の集落だって全滅してたんだし問題無しだ。


 こうして成体の蜘蛛たちを殲滅せんめつし終えた後には、大空襲にでもあったかの様な街跡が眼下に広がっていた。


 さて、残るは子蜘蛛と拘束されている人間をどうするかだが、生き残っている人間は助けるべきなのだろうか?


 現代日本の常識から言えば助けるべきなのだろうが、ここは異世界。 しかも文明の発展も送れている世界だ。


 例えば中世ヨーロッパなら、村なんかで疫病が発生したら住民ごと焼き尽くしたなんて例もあるし、飢餓が発生したら基本は放置が常識だった。


 難民の受け入れなんて、現代でも難色を示す国も多いくらいだったし、そもそも生き残っている人間は五体満足なのだろうか?


「確認した方が良さそうだな」


 難民の受入先なんてアテすら無いが、自力で他の街にでも行ける連中ならば、助ける位の事はしても良いのかも知れないからな。


 とは言え、分け与える食料すら持ち合わせていないのだが。


 人間の成体反応があるまゆに近付き、被われている糸を注意しながら竜爪りゅうそうで切り裂く。


 中に入っていたのは、一般人と思しき成人男性。 見た目には大きな外傷は無いのだが、牙を突き立てられたと思われるあとが首筋近くにあったりする。


「おーい、生きてるかぁ?」 ペシペシ


 顔を平手で叩いてみたのだが反応は無い。 何だか意識が無いって言うよりも仮死状態みたいだ。


 うーん。 これって神経毒の一種なんだろうな。 えさを長持ちさせる系の。


「こんなの無理じゃん」


 私は治療系の魔術は得意じゃないし、特殊な神経毒なんて対処の方法すら思い付かない。


 恐らく捕まっている人間達は同じ状態なのだろうし、あきらめるしか選択肢は無さそうだ。 まぁ、私に正義の見方になれるなんて思ってもいないしね。


 さて、生き残っている人間を見捨てるとすると、残っているのは子蜘蛛の掃討だ。


「燃やし尽くすか…」


 親蜘蛛よりも成体の蜘蛛の方が魔術に対する耐性は低かった気がするし、子蜘蛛たちなら耐性すら持ち合わせていない可能性だってある。


 まぁ、モノは試しだ。 耐性を持っていたとしても成体よりも劣っている気がするし、その時は威力をマシマシにすれば何とかなるんじゃないかな。


 それに捕まっている人間も飢餓から開放されるんだから、むしろ人道的かも知れないからな。


「ギガ・ファイヤーストーム!」


 子蜘蛛が密集している地点を中心に、巨大な炎の嵐を起こしてみる。 あっ、子蜘蛛の反応が減少していっているな。 よしよし。


 人間の生命反応は敢えて意識の外に追いやって、複数の火炎旋風を街の中で暴れさせる。 相手は子蜘蛛とは言え良い気分じゃないな。


 どうやら黒竜の因子ってのはバトルジャンキーなのであって、別に殺戮さつりくが好みってワケではなさそうだ。


 そう言えば、どうしてイリスは私に蜘蛛の殲滅せんめつなんて言い渡したのだろう?


 戦って気が付いたのだが、黒竜から見れば蜘蛛の魔物なんて敵じゃ無い。 いや、敵と思える程の個体でも現れたのか?


 イリスに聞いてみるか。


 そう思って私はイリスに飛んで近寄った。


「なぁ、イリス。 お前はどうして蜘蛛の抹殺を私に命じたんだ?」

「あー、その事かぁ。 実は他の国が蜘蛛に滅ぼされた事があってな。 色々な理由も含めて無視出来ない状態になってきているからだ」


 どうやら私が考えている以上に、大事だったらしい。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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