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第244話 闘争編 ~えっ? 決戦ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ちっ、再生能力まで持っているのかよ」

『殺ス!、殺ス!、殺ス!、殺ス!、殺ス!』


 親蜘蛛おやぐもと死闘を繰り広げる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 先ほど親蜘蛛の背中を内部から破壊したのだが、現在は煙を上げつつ傷口がふさがっていくのが確認出来た。


「こうなりゃ持久戦だな」


 そりゃまぁ、この街を落とした親玉なのだし普通では無いだろうと思っていたけど、再生能力まで持ち合わせているのは計算外だった。


 倒す方法を考えるならば、再生能力よりも多くのダメージを与えるか、再生不可能な部位を攻撃するかだろう。


 頭とかを吹き飛ばしたら死ぬのだろうか? まぁ私も再生能力を持ち合わせているので、決して不利な状態とは言えない。


 それに再生する能力の種類にも寄るだろう。


 例えばDNA、つまり設計図から修復している場合なら、頭を破壊した場合の結果は記憶を失う事になるからだ。


 頭をハードディスクに例えるならば、ハードディスクが物理的に破壊されても機能や形は再現されるのだが、中に格納されていたデータが失われる結果になる。


 そう言った事情もあり、脳細胞などの一部の神経細胞は新陳代謝を行わないのが通例なのだ。 要するに失われた記憶は戻らないって事だな。


 だから私も、なるべく頭にはダメージを負わない様に気を付けているくらいだからね。 もしかしたら魂とかにバックアップがあるのかも知れないけれど、試す気にはなれないし。


 近距離で戦うべきか、それとも遠距離で戦うべきか悩むところだ。


 今までの蜘蛛たちとの戦い方を見ていると、遠距離攻撃はブレスか糸を使った攻撃くらいか。 しかも威力はハッキリ言って脅威では無い。


 だが近接戦闘となると、手足の数では私が劣っているのだから不利と言えば不利だ。 とは言え皮膚を黒竜並に強化している私が傷を負う事があるかどうかは不明だが。


 ならば、遠距離攻撃から始めていくか。


 挨拶代あいさつがわりのブレスを放つ。 すると親蜘蛛は、難なくジャンプでヒラリとかわす。


 まぁね。 ブレスってためが必要だし、「砲撃しますよ」って動作があるのだから躱されるのは当然か。


 でも安易に空中に飛んだ所を狙って魔術を放つ。


「エクスプロージョン!」


 空中では流石さすがに避けることは出来なかったのか、モロにヒットした。


 さぁ、結果はどうかな? 魔術にはある程度耐性がある事は確認しているので、過大な成果は期待していない。


 爆炎の中からユックリと落下する親蜘蛛。 うん、ほぼノーダメ? やっぱり固いな。


 怒ったのか、ダークブレスの乱射で対抗してくる。 へぇ、ブレスの連射が出来るんだ。 中ボス位に考えていたけれども、時間が掛かりそうだな。


「三連レールガトリングガン展開、ファイア! ファイア! ファイア!」


 たけどこっちにだって、連射する攻撃手段位はあるんだよね。 久々にレールガンを使ったけれど、やはり魔術とは弾速が段違いに速い。 避ける事すら出来ないみたいだ。


 次々に着弾していくのを確認しながら、相手のダメージを見定める。 うん、普通に貫通しているみたいだな。


 時々苦し紛れにブレスで反撃してくるが、こっちは結界で防いでさらに射ち続ける。


 相手の攻撃を避けないのは、正確な射撃をするためだ。 走りながら射つのって命中させるのが難しくなるからね。 だって避ける必要すら無いんだし。


 このまま射ち続けていれば、いつかは殺せそうだけど弾は有限。 ならばもっとダメージを与えられるモノに変更するか。


 とは言っても、反物質弾頭は使用しない。 使えば確実に勝てるんだろうけど、やはり核汚染を残す攻撃は躊躇ためらわれるからね。


徹甲てっこう爆裂弾頭装填、ファイア! ファイア! ファイア!」


 今度は相手の外骨格を突き破り、内部で爆発するのが確認出来た。 よし、もう一息だ。


 親蜘蛛もさすがにマズいと思ったのか、少しずつ後退を繰り返し遮蔽物の後ろに隠れようとする。


「させないよ。 ギガ・エクスプロージョン!」


 親蜘蛛を中心に周囲の建物を全て吹き飛ばす。 うぉぅ。 威力がちょっとシャレになっていないよ。


 黒の因子を使った最上位爆裂魔術の威力は凄まじく、街の数ブロックがまとめて更地さらちになった。 これって、小型核爆弾に匹敵するんじゃないだろうか。


 そして、爆心地にいた親蜘蛛は瀕死状態。 いや、あれで生きている事をめるべきなのだろうか?


 体の大部分を失っており、最早もはや再生する事すら出来ない様だ。 わずかに牙を動かしている状態からは生きている事は確認できるのだが、放置しておいても死ぬのも時間の問題だろう。


 近寄って状態を確認する。


『ギ・・・、ギギ・・・、コロ・・・、コロス・・・』


 すさまじい執念だ。 群れのおさとしての習性か、それとも個体としての感情か。


 私としても甚振いたぶる趣味はないので、引導を渡そうと思う。


「ギガ・フレイム」


 炎が竜巻を起こしながら、親蜘蛛の残骸をこの世から少しずつ消し去っていく。 楽に死ねないなんて、魔術耐性ってのも考え物だな。


 炭すらも残さず地面に陰影だけを残して消滅した。 だが全てが終わったワケではない。


 気配察知と魔力探査で街全体を確認してみると、数体の蜘蛛の成体に子蜘蛛が多数。 そして餌として捕まっている人間の反応も多数。


「さて、どうしたモノかな」


 勝敗は最早もはや決したが、後片付あとかたづけは残っている。 特に生き残っている人間に対する処置は判断に迷う。


「まぁ、状態を確認してからにするか」


 確認するのは、残っている蜘蛛を皆殺しにした後なのだろうが、何だか憂鬱ゆうつな気分になった。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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