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第241話 闘争編 ~えっ? 気配察知ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「うぉぅ、マジか」

「なぁ、お前はどうやって攻撃しているんだ?」

「どうと言われてもなぁ…」


 答えにきゅうする幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 何と言えば良いのだろう。 気配察知に載せて攻撃の意志を直接送り込む様な感じとでも言えば良いのだろうか?


 だがこの気配察知を使った攻撃方法も万能とは言い難いみたいだ。 相手の詳細な情報が得られるのは精々数百メートル位で、そこから先は多分蜘蛛(くも)かなって認識が数キロ先まで。


 さらにそこからは、何かいるって印象になって敵味方の判別すら出来ない。 実質的な戦闘なら2~3キロまでが現実的だ。


 だが攻撃手段のブレスや思念攻撃なら倍以上の距離があっても行える気がしているんだよね。 短距離の空対空ミサイルでも射程が40キロはあった事を考えると短いなって印象だ。


 人間の有効視界距離って約4.5キロだっけか? 気配察知の距離だと敵味方の区別が難しいんだよね。


 あらかじめ周囲全てが敵だらけって事なら多分10キロ先からでも行えるんだけどな。 中々上手くはいかないみたいだ。


 とは言え、今みたいな視界が制限される森の中なんかでは非常に強力だ。 例え相手に察知されていても、遮蔽物しゃへいぶつを無視出来るアドバンテージはデカい。


 そりゃぁ相手にもブレス並に強力な攻撃手段があれば、その限りではないけどね。


 まぁ蜘蛛程度の相手ならば苦戦する事も無いか。 慢心しているつもりは無いけど、この調子で攻撃していけば森の中にいる蜘蛛だけならば殲滅せんめつ出来るだろう。


「まぁ良い、それよりもとっとと蜘蛛を殲滅しやがれ。 根城ねじろは無数にあるんだからな」

「判ったよ…」


 でも何だろう? 殲滅するのは構わないんだけれど、妙な違和感がある。


 やたらと統一感があると言うか何と言うか。


 何だかモヤモヤした気持ちのまま、気配察知の範囲を広げて蜘蛛を探す。


「あっちだな」


 気配察知で見付けた集団に向かいながら攻撃範囲に入るまで飛行を続ける。 3…2…1。


「【まとめてぜろ!】」


 気配で攻撃が成功したのを確認しながら、さらに次の敵を求めて彷徨さまよう。


 あっ、そっか。 蜘蛛の気配だけしか感じられないからか。 本来なら色々な魔物の気配とかも感じられるハズなのに、それらが全く感じられないからだ。


 もしかして、餌を食い尽くしてしまったのだろうか? いや、それだけじゃない。 蜘蛛の個体差、言うなれば存在感の大きさが統一されている気がするのだ。


 どうして小さい個体や大きい個体が確認出来ない? 産卵場所が別にあるとか?


 アリがバラバラになって食料を探している様な印象だろうか? だとしたらここでの殲滅ってあんまり意味が無いんじゃないのか?


 彼らは言ってみれば働きアリみたいなモノなのだ。 いずれは女王アリに該当する個体も倒す必要があるのだろう。


 そう言えば気配遮断なんてのもあるんだったな。


「なぁ、気配遮断って出来る?」

「ん? あんまり得意じゃねぇんだけどな」

「やってみてくれないか?」

「しゃーねぇーな。 ほら、いくぞ」

「うをっ!」


 目の前にいるのに存在感を感じない。 いや、感じるのは感じるのだが、一般人だって言われたら信じてしまいそうだ。


「有難う。 参考になったよ」

「なら休憩してないで働け」


 やべぇ、見落としがあるかも。 気配察知に頼りすぎるのも考えモノだな。


 だったら魔力探査と気配察知を併用してみるのはどうだろう?


 同時に行うのは…難しそうだな。 なら短時間で魔力探査と気配察知を連続で切り替えは…、よし、これなら何とかなりそうだ。


 おおぅ、気配察知と魔力探査の併用って面白いな。 例えば今のイリスの状態なら、存在感は一般人並なんだけど保有魔力がバカデカいから見逃すことはなさそうだ。


 よし、気合を入れ直して探索再会だ!


 見落としは…多分無い。 と思う。


 もしも存在感だけじゃなくて、魔力まで隠し通せるのならお手上げだ。 まぁそれも、そんな存在がいればの話だが。


 それに灰色の力だって万能じゃない。 防ぐ魔道具だって存在したのだし、より強固な意志を持つ者にも通用しないだろう。


 今現在無双できている様に思えるのは、私が強いからではなく相手が弱いからだろう。


 私は魔力操作だってまだまだ未熟だし、神力の使い方は恐らく初歩の初歩しか判っていない気がする。


 結局のところ私の今は、強者の仲間入りが出来た程度なんだろうと思う。 何だかんだと言ったところで経験が足りていないのだ。


 心の奥ではイリスと戦ってみたい気もするのだが、勝てる確信が持てないでいる。


 いや、正直に言おう。 私は多分負けるだろう。


 だが劣っているとも思えないのだ。 このまま経験を積んでいけば、いつかは追い付き追い越せる。 その確信がある。


 だから蜘蛛の殲滅だってやり遂げる。 そしてもっと強くなる。


 別に黒竜たちの王になるつもりなんて無いのだけれど、殺されるのはゴメンだし何より負けたくないんだよね。


 黒竜の因子のセイなのかも知れないけど、負けず嫌いと言うよりも戦って勝ちたいんだ。


 好戦的と言うよりも、戦いの中での自己肯定感に抗えない感じがする。


 我ながら不器用だとは思うけれど、いつか静かで穏やかな日々を送れるために強くなろう。 それが未来へと続くと思えるから。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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