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第239話 闘争編 ~えっ? 神力ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「うへぇ、威力を間違えてしまった」

「こっちまで巻き込むんじゃねーよ!」

「さーせん」


 イリスに怒られる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 どうも黒竜の魂の力を使おうとすると、威力が爆上がりしてしまうらしい。


「そう言えば私には神格も感じるとか言っていたけど、威力の調整が上手くいかないのって、そのセイかな?」

「知らねぇよ。 お前の魂は黒竜の他にも邪神のも混じっているみたいだぜ。 神格はそのセイだな。 邪神としての部分が邪魔しているのかもな」


 邪神の魂ってアレだよな。 以前ヘルが何かやっていたヤツ。 ヘルは私に何をしたんだ?


「なぁ、その魂を見る事って私にも出来るかな?」

「黒竜なら皆出来るぜ。 お前も頑張れば出来るんじゃねーの?」

「やってみるか。 どのみち威力の調節が上手く出来ないのはマズいんだし」


 自分の中にある黒竜の魂に意識を集中してみる。 うーん、難しいな。 そもそも神格って何なんだろう?


 意識の深くに潜り込み、瞑想に近い状態にする。 すると自分の中に存在感とでも言う塊みたいなモノが見つかった。


 うん、何だろう。 凄く変な感じだ。


 まずは大きな黒い塊があり、それにくっ付く様に灰色の塊がある。 灰色のヤツは黒のヤツの三分の二位か。


 黒いのは多分、黒竜の因子だ。 周囲から常に魔素を取り込んでいる感じで、それを元に成長していくみたいだ。 えっ、まだ大きくなるの?


 大きさと存在感は比例しており、変な表現だが少し小ぶりの巨人くらいはある。 どの位だろうか? 4~5メートル?


 そして灰色の塊は人間の魂を凝縮した様な印象を受け、こちらも人間の魂を吸収する事で成長する様だ。 だが周囲に人間の魂が存在しないのか、今は捕食を行っている様子は無い。


 大きさ3メートル位? こちらは神力をつかさどっており、主に魂に関する命令権とでも呼べる力を持っている。 何だか役割が違うみたいだな。


 とは言っても、神力からも魔術を使う事が可能で、こちらは周囲の魔素に働き掛ける事で実現している様だ。


 つまり何が言いたいかってのは、黒竜の因子は溜め込んだ魔素を魔術として発現し、神力は周囲の魔素を使って魔術を発現するって事だ。


 ここで注意しないといけないのは、中途半端に黒竜の魂を意識しながら魔術を使うと、神力も合さって2倍の威力になるって事だな。


 あれ? 良く見ると黒と灰色の中間にイボみたいなモノが引っ付いている。 色は二キビみたいな感じなのだが、妙に人間臭い。 いや、人間の因子だ。


 こちらは何かを取り込むと言うよりは灰色と黒に吸収されつつある状態みたいで、もう5センチ程しか残っていない。


 こうやってみると、どうやら私は魂レベルで人間ではない様だ。 そっかぁ。 人間じゃぁなかったのかぁ。


 まっ、今更か。


 さて、それなら私は黒竜ではなく黒竜邪神とでも呼べる存在だったワケだが、このままの訓練で良いのだろうか?


 正確には黒竜と邪神の力の両方のコントロールが必要なんじゃなかろうか?


 いや、今の訓練は黒竜の力を使うと言う意味では問題が無い。 ただ魔術に限っては漏れ出す神力によってコントロールが難しくなっている事だ。


 取り敢えず、黒の力を魔力、灰の力を神力と定義して、それぞれ別の訓練が必要な気がする。


「どうだ? 何か判ったか?」

「判った様な、判らなかった様な」

「何だそりゃ?」

「とにかく今は、黒竜の力の制御を頑張ってみるよ」

「最初からそうしろって言ってるだろ」


 神力に関しては、ヘルがいる時にでも相談するとしよう。 今は自分の内側にある魔力だけを使う事を繰り返して黒竜の力に慣れようと思う。


「ほら、次の気配を探せ!」

「了解」


 今度は魂から直接引き出すのではなく、魂の黒い部分を強く意識しながら気配を探っていく。 いた。


「こっちか」


 黒い魂が肉体全体を覆い被さる事を意識しながら走り出す。 流れている景色の中から目標を見付け出し、出力を加減しながらブレスの魔術を放つ。


「そりゃ!」


 今度は程良い威力で蜘蛛を消し飛ばした。 当然、周囲も破壊されるのだが許容範囲と言えるレベルだ。


 よし、この調子で黒竜の力の制御方法を習得していこう。


「はっ! はっ! はっ!」


 次々と見付けた目標を撃破していくのだが、疲れなどは全く感じない。 まるで無限のエネルギーかの様にすら感じられる。


 魔力の貯蔵量が多いのか、それとも消費したそばから周囲の魔素を吸収しているのか。 理由は判らないが、いつまでも戦っていられそうだ。


「良し、その調子だ。 次へ向かうぞ!」

「おぅ!」


 まるで暴れ馬だった自分の魔力が、手足の様に思い通りに動かせる。 なる程、これが黒竜の戦い方か。


 余裕が出来てきたのか、周囲の状態も気配を通じてハッキリと判る。 後ろに目があるとかじゃなく、周囲360度の風の流れすら判りそうだ。


 今度は距離が近くなった蜘蛛を爪で切り裂き消し飛ばす。 また、長距離射撃にも挑戦して切り裂く風で細切れにする。


 今まで感じていた魔術に対する耐性は、込める魔力の質で無効化する事も理解出来た。


 気配だと感じていたモノは千里眼に近い感覚になり、時にはX線の様に内部の構造すら把握する事も出来る。 第三の目と表現すれば良いのだろうか?


 上手く利用すれば弱点だけでなく、相手が展開している結界や耐性の隙間なんてモノまで見えてくる気がした。


 きっとそれは、自分が黒竜へと進化した瞬間だったのだろう。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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