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第237話 闘争編 ~えっ? 格闘ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 私は黒竜。 私は黒竜。 私は黒竜…。 こんな事をしていて大丈夫なのだろうか?


「おい、ベイナ。 ぼやぼやしてるんじゃねぇ! やって来るぞ!」

「くそっ!」


 周囲を蜘蛛くもに囲まれる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


「うをっ! ブラディネイル!」


 牙を突き立てようとしてきた蜘蛛を、ブラディネイルで弾き返す。 だが周囲を全て蜘蛛に囲まれている状態だ。 油断は出来ない。


「そんなショボい技を使ってるんじゃねぇよ! 黒竜には自慢の爪があるだろ!」


 空中にいるイリスはお気楽にも、黒竜の爪を使えと言う。 いや、イキナリそんな事言われたって…。


「うがっ!」


 気を抜いていたワケではないのだが、背中を何かで切り付けられた。 蜘蛛の爪だろうか?


 だが背中に出来た傷は、すぐさま修復が始まる。 これなら多少の傷を負ったところで、致命傷になる事は無いだろう。


 でも痛いモノは痛いのだ。 こんなところで蹂躙じゅうりんなどされたくない。


 どうすれば良いのだろう。 黒竜は蜘蛛の攻撃程度では傷を負わないらしいのだが、そう簡単に黒竜のマネなど出来ないのだ。


 仕方がない。 体の周囲を被う結界の様なモノを生成し、周囲からの攻撃から耐える。


「結界なんて張ってんじゃねぇよ。 自慢のうろこはどうした?」


 鱗を全身に生やせって言うのか? 見た目的にも遠慮したいのだが、やらなきゃダメなんだろうな。


 今度は全身の皮膚が硬化するイメージを、脳内で展開する。 見た目の変化は無いのだが大丈夫だろうか?


「とっとと自分の強化を行え!」


 意を決して結界を解く。 すると今度は直接に牙や爪が襲ってくるのだが、負傷した雰囲気は感じられない。 黒竜の鱗って具現化する必要はないのだろうか?


 これなら攻撃に何とか耐えられそうだ。


 いや、前言撤回。 見る見る内に服がボロボロになっていく。 くそっ、こんなところでストリップショーなんてするつもりは無いぞ!


 ならどうするか? 取り敢えず気配を頼りに攻撃をかわしていく。


 ふむ、どうやら裸にならずには済みそうだ。 となると、次は反撃か。


 自分の爪を黒竜の爪だと思い込み、相手に切り付けてみる。 うん。 出来たんだか出来なかったんだが判らないが、ブラディネイルと同程度の攻撃力はありそうだ。


「黒竜の爪は、そんなにショボいもんじゃねぇ! 相手を一刀両断するつもりで斬り払え!」


 どうやら威力に問題があるみたいだ。 でも斬り払うってどうすりゃ良いんだ? ここの蜘蛛は2メートル近くもあるんだぜ?


 仕方がない。 黒竜の爪は伸びるモノだと想定して、斬り付ける瞬間だけ伸ばしてみる。


「おおぅ、本当に一刀両断だ」

「まだまだ弱い!」


 本当に注文の多い奴だな。 次の蜘蛛を目掛けて爪を振るう。 前回と同じ結果だな。 多分不正解なのだろう。


 何度か蜘蛛を斬り付けながら、少しずつイメージを変えてみる。


 切り裂くイメージ。 粉微塵こなみじんにするイメージ。 メッタ斬りにするイメージ。


 ダメだ。 威力が上がらない。 何か根本的に間違っているのだろうか?


 今度は斬るのではなく、相手を滅ぼすイメージを追加してみた。


「おおぅ、かすっただけなのに相手が崩壊していく」

「いいぜ、今のカンジだ!」


 そうか。 重要なのは相手を滅ぼすイメージか。 いや、本来の格の事を考えるならば蹂躙じゅうりんするイメージだろうか?


 何となくだがイメージがつかめてきた気がする。 確かにこれなら、相手の数がいくら多くても何とかなりそうだ。


 蜘蛛たちも私を警戒しだしたのか、迂闊うかつに近寄らなくなってきた。 それに合わせて私も移動速度を上げているのだが、中々終わりが見えてこない。


「そろそろだな。 次はブレスを放ってぎ払え!」

「えっ? ブレス?」


 ブレスかぁ。 イキナリそんな事を言われても吐いた事すらないんだよなぁ。


 取り敢えず口から炎を吐いてみる。 あれ? 火炎耐性でもあるのだろうか。 全然効いている様子がない。


「誰が火を吹けって言ったよ。 ブレスだよブレス。 相手の耐性とか結界とかもまとめて吹き飛ばすヤツだ!」


 そんな事を言われてもなぁ。 人間はブレスなんて吐けないんだから、イメージが難しいんだよ。


 ブレス、ブレスねぇ。 私が思っているブレスって単純に炎を吐き出すモノだったんだけど、他にどんなイメージがあったけ?


 そんなのお手本でもないと…、いや、見た事がある。 あの黒竜王と戦った時だ。


 えっとぉ、どんなイメージだっけ? 極太レーザー? 荷電粒子砲? メガ粒子砲か? 波動砲か?


 とにかく巨神兵が吐いた光線を参考にしてみようかな。


 丹田たんでんにエネルギーが集まる事を意識して、それを肺で増幅してみる。


 さらには薙ぎ払うイメージでユックリと口を開いて…。


 いけっ! 薙ぎ払え!


 その時私は、光の嵐に襲われたのだった。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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