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第233話 闘争編 ~えっ? 疫病神ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「…と言うワケで、旧イーストウッド領の支配どころか復興の目処めどすら立たない有様なのです」

「無責任に放り出した自覚はあるんだ。 苦労を掛けたな。 無理なら荒れるに任せても構わないぞ」

「いや、隣街が内乱状態にでもなれば、この街にも影響があると思われますから、それは最終手段と言う事で…」

「そうだな」


 放棄した街が荒れ放題になっている状態を聞く幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 そりゃね、イキナリ統治を放棄したのだから荒れるのは当然だよね。 知らん奴がトップづらするなんて面白くは無いのは当然だろうし。


 しかも教会関連を潰していた事も災いしているみたいだ。 何でも金持ちの商人たちが兵を集めて領主になる事を目論もくろんでいるのだとか。


 ほっときゃ良いじゃん。 何ならそいつら皆、コロコロしてやろうか? そしたら静になるかも知れないし。


 えっ、ダメ? ダメかぁ。 良い案だと思ったんだけどなぁ。


 そう言えば悪徳商人もコロコロしちゃってたんだっけか。 結果として街を仕切る人間をコロコロしちゃってたみたいで、まとめ役すら存在しないんだとか。


 それに加えて給料が貰えなくなった衛兵の任務放棄とかも合わさって、治安も随分と悪化しちゃったんだとか。


 もういっその事、街ごと消しちゃう? あ、それもダメですか。


 でも実際問題、街を統治するなら軍隊でも送り込むしか無いと思うんだよね。 とてもじゃないけど、私一人じゃどうしようもないよ。


 物語なら恐怖だけで支配出来るみたいに言っているけど、食料などを含む生活物資と資金を投入しないと解決しようが無いもんね。


 織田信長も言ってたじゃん。 農民を武装蜂起させる簡単な方法は、田畑を焼く事だって。


 結局、どんな形であれ生活手段を用意してやらないと、コントロール出来ないもんね。 逆は簡単だけど。


 まぁ、もしも旧イーストウッド領がこのレイクフォレストに害を及ぼす様な事になった場合は、私が粛正しゅくせいでもするとしよう。


 どうもオルレアン嬢って、良い統治者であっても支配者には向いていないっぽいし。 人が良すぎるんじゃないかな?


 悪い人には気を付けてちょうだいね。


 オルレアン嬢がレイクフォレストを統治出来ている理由って、良い家臣たちに恵まれている結果なんだよね。 言い方を変えれば人徳があるって言う。


 でも今の旧イーストウッド領を統治するなら強引な方法だって必要だし、切り捨てるべき人間は打ち捨てるくらいの覚悟が必要なんだと思う。


 あーでもない、こーでもないと意見を交わしたけど、結局は状態を見守る事で落ち着いた。 要するに現状放棄だな。


 本当は蜘蛛くもの被害の事とか話し合いたかったんだけど、今回はあきらめた。


『やっと見つけた』


「はっ? 何か言った?」

「何の事でしょうか?」


『お前がハイガンベイナで間違いないな』


「えっ? ハイガンベイナですけど?」

「あのぉ…、一体何の事なのでしょうか?」

「えっ? 聞こえないの?」

「えっ? 何がでしょうか?」


『バカ野郎、これは念話だ』


「何だか、頭の中に直接言葉が響いてくるんだ。 念話だとか言って」

「それは神々たちの交信みたいなモノでしょうか?」

「違うと思う」


『遠隔で意思を読むのって疲れるんだぞ! 念話には念話で返せよ!』

『あー、あー、貴方あなたの心に直接話しかけています』

『殺すぞテメエ!』

『あっ、通じたみたいだな。 それでどう言った用件なんだ? 初対面どころか会った記憶すら無いんだが?』

『私は黒竜王に連なる者だ。 イリスとでも呼べ』

『じゃぁこっちの事はベイナって呼んでくれ』

『そうか、じゃぁ今からそっちに訪問するからな。 ベイナ、逃げるなよ!』

『どうして私が逃げなきゃいけないんだよ! 来るなら勝手に来い』

『そうか、それじゃぁ転移!』


「うわっ! 誰だよお前」

「イリスだつってんだろうがぁ、このボケぇ!」


 何だか部屋の中に急に少女が現れた。 なんだろコイツ。 トラブルの匂いがプンプンするぞ。 疫病神やくびょうがみだろうか?


「あのぉ、ベイナ様。 こちらの方が人類が滅亡するかも知れないと仰っていたお方です」

「えっ? マジな話だったの?」


「無視してんじゃねぇぞ、コラぁ!」


 うーむ。 どうやら気が短い人みたいだ。 関わりたくないな。


「えーとぉ、黒竜王に連なる者でしたっけ? どう言った関係でしょうか?」

叔父貴おじきだった。 お前、叔父貴に勝ったんだってな」

「勝ったと言うかトドメを刺したと言うか…」

「叔父貴を殺したのは『記録の魔女』だぜ。 テメエじゃねーよ」

「あっ、あの段階でも死んでいなかったんだ。 じゃぁ仇討かたきうちとかじゃないんだよね?」

「叔父貴は魔女より弱かったってだけの話だ」

「それじゃぁ、どう言ったご用件で?」

「叔父貴はテメエを次の女王に指名した。 だから力を示せ」

「はぁ?」

「本当なら魔女の討伐とうばつって言いたいところだが、今は蜘蛛たちの方が問題だ。 何とかしろ」

「蜘蛛たちの問題? それは幾つかの街を滅ぼした蜘蛛たちの事かな?」

「幾つかの街? 違ぇよ。 魔の森の西にあった王国全土を滅ぼした後に、勢力を拡大している最中だ」

「その蜘蛛たちを討伐しろと?」

「山とか吹き飛ばす攻撃魔法があるんだろ? 取りえず連中が寝床にしている場所は全て消し飛ばせ!」

「いやいや、アレは放射能汚染とか色々問題があるからポンポン撃つワケには」

「何だよ、出来ないってのか?」

「いや、やっちゃうと被害が大きくなっちゃうと言うか、色々住めなくなると言うか」

「あん? 最悪、人間が絶滅しても構わないぜ?」

「いや、人間だけじゃないんですぅ」


 コイツは一体、私にどうしろと言うんだ?



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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