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第227話 日常崩壊編 ~えっ? 繁殖ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「うぇーい、暇だぁ~」

「何ですかぁ、そんなダメな子みたいな事を言っているのはぁ?」

「はい、すみません」


 ダメな子認定される幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 私たちは蜘蛛くもから撤退した後に報告を行ってからしばらく、暇な日が続いている。


 と言うのもあの森への立ち入りが禁止になってしまったので、開店休業状態になってしまったのだ。


「だからって、ダラダラするのは違うと思うのですぅ。 そろそろギルドへ行ってみませんかぁ? 少しは進展があると思うのですぅ」

「うぇーい」


「ママが本当にダメな子になったのー」


ひどい!」


 ハトリにまでダメな子だと思われた私だが、別に好きでダラけているワケではないのだ。


 だって、好転する要素がない事象では、通常は悪化するだけだと思っているので単に期待していないだけなのだ。


 とは言え、このままダラけていては本当にダメな子になってしまいそうな気もするので、ギルドへとやって来た。


「あっ、ベイナちゃんいらっしゃい。 丁度良い時に来たわね」

「はい?」

「あの後、森へ数チームが調査に向かったのだけれど、帰還者がゼロなの」

「はぁ」

「事態を重く見たギルドは必要ない犠牲は抑えるべきだとの結論に至ったわ。 だから今は森への立ち入りは全面禁止なの」

「でしょうねぇ」

「それでモノは相談なのだけれど、もう一度森に行って現状確認してくれないかしら?」

「必要のない犠牲とは?」

「だって生きて帰って来たじゃない。 今度も大丈夫よ、きっと」

「い・や・だっ!」


 この受付嬢は、私たちが帰らぬ人になっても構わないとか思ってないか? まぁ死ぬとは思えないケド。


「ねっ、森の正確な状態が判らないと、対策の立てようがないの! 助けると思って調査に行ってくれないかしら?」

「私たちはまだDランクなんだぞ! そんな事ならもっと高ランクの傭兵を送り込めば良いだろ!」

「わかったわ。 それなら成功したらCランクに上げちゃう。 だからねっ?」

「いやいや、普通は死ぬ様な依頼でそれっぽっちじゃぁなぁ」

「特別ボーナスも付けちゃう!」

「判ったよ。 行けば良いんだろ?」

「ベイナちゃん、太っ腹ぁ」

「イカ腹だけど、太ってないよ」


 仕方が無いか。 まぁちょっと行って見てくるだけなら何とかなるだろう。


 そんなこんなで出発しようかと思っていると、ギルドが急に騒がしくなった。


「おい、防壁を魔物が乗り越えたらしいぞっ!」

「どんな魔物だ」

「何でも大きな蜘蛛らしいぞ。 それが複数体が街に侵入したらしい」


 おやおや、近くの森どころか街の中まで入られているじゃん。 とは言えまだ数匹、現段階なら対処は難しくないハズだ。


「迎撃チームを出せっ! 手の空いている者は全員参加だっ!」


 ほへっ、こりゃぁ依頼はキャンセルかな。


「なぁ、受付嬢さんや。 もう森の調査とか言っているレベルじゃないくらい繁殖しているんじゃないか?」

「そうかも知れませんね。 一応、街に入り込んだ魔物が森で繁殖している蜘蛛と同じか確認を取って貰えますか?」

「おぅ、いいぞ」

「それでは緊急依頼として宜しくお願いいたします」

「じゃぁ行ってくる」

「お気を付けて」


 門の近くまで行くと、武器を構えた傭兵たちが右往左往していた。 どうやら見失ったっぽい。 あかんやん。


「きゃぁぁぁ~っ!」


 おっとぉ、絹を引き裂くような乙女の悲鳴。 うん、こっちかな?


 声のした方に向かってみると、糸でグルグル巻にされた男性とプルプル震える女性。 そして2メートル近い大きさの蜘蛛と、それを取り囲む傭兵。


 傭兵が斬りかかると、鬱陶うっとうしそうに脚で弾き飛ばす蜘蛛。 傭兵弱ぇ。


 私の推測だとオーガレベルの強さだったと思っていたのだが、どうやら集まった傭兵たちには荷が重かったみたいで、まるで歯が立たないみたいだ。


「ハトリ、頼む」

「了解なのー。 とぉーなのー」


 ハトリの参戦により蜘蛛は一刀両断、事態はあっさり収束した。


 あぁ、やっぱり森いた蜘蛛と同じだ。 繁殖し過ぎて街にまで食糧確保に来たのだろうか?


「ご協力、感謝します」

「どうって事ないのー」


「そんなに和気藹々《わきあいあい》としていないで、彼を早く助けて下さい!」


 いるよなー、こーゆー奴。 助けてもらったのに礼よりも文句を先に言うとか。


「おい、大丈夫か? 今、助けてやるからなっ!」


 返事が無い、タダのしかばねの様だ。


 傭兵が糸を切り裂くと、毒に置かされた男性がにゅるり。 神経性の麻痺毒だろうか?


 あー、こりゃアレだな。 生きたまま食料として確保するパターンで使用される系の。 解毒できるんだっけか? 神経毒だぞ。


「まだ向こうに数匹いるぞっ!」


 どうやら騒ぎは、まだまだ続くみたいだ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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