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第226話 日常崩壊編 ~えっ? 撤退ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「くそっ、後から後からいてきやがる」

「キリがないですぅ」


 蜘蛛くもの魔物に取り囲まれる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 蜘蛛との交戦を開始してから1時間近くは経過しているハズだ。 もうそろそろ嫌気が差してきた。


「とーなのー!」


「連中は諦めるって事を知らないのか?」

「数的な有利は変わっていないからぁ、諦める必要がないんだと思いますぅ」

「ストーンバレット!」


「やーなのー!」


 ハトリを中心とした物理攻撃で対応しているのだが、少しも減った気がしない。


 確かに私たちの戦闘力からすれば恐れる相手ではないし、負けるとも思わない。 だが戦闘が終了しないのだ。


 だから一方的に離脱する事も考えたのだが、上を見上げると蜘蛛の巣が張ってある。 どうやら空中への退避は許してもらえそうにない。


 いや、まぁ強制的に離脱する方法なら無くはないのだが、何だか負けた気がすると言うか何と言うか…。


「何だか逃げるみたいで嫌なんだよなぁ」

「じゃぁこんな事を永遠に続けるんですかぁ?」


「せいなのー」


 本当に無限にいるとは思えないから永遠に続くなどとは思っていない。 だが後何時間戦えば終了するのか見当さえ付かないのだ。


「くっ、これまでか」

「これは逃げるんじゃないですよぉ。 戦略的な撤退ってやつですぅ」


「うりゃぁなのー」


 ちっ、仕方がないか。


「ハトリ、ヘル。 傭兵ギルドまで転移で後退する。 近くに寄ってくれ」


「もう飽きたですぅ」

「了解なのー」


「転移!」


 一瞬にして視界が切り替わり、場所は傭兵ギルドの食堂に転移する。


「うをっ、何だっ!」


 食事中の傭兵たちを驚かしてしまったみたいだ。


「うむ、苦しゅうない」

「何処のお代官様だよっ!」


 折角私が気を遣ったと言うのに失礼な奴だな。 戦場から帰還したばかりで気が立っているんだぞ。 コロコロしてやろうか?


「食堂での乱闘は禁止です。 放り出しますよっ!」

「私は暴れん坊ではないぞ、どこをどう見たらそうなるんだ?」

「戦闘準備が万端じゃないですかっ!」

「ん? 戦闘準備?」


 ふと言われてみたので確認してみると、バスターソードを抜き身で構えているハトリにブラッディネイルを伸ばしている私。


 ふむ。 確かに戦闘準備は万端な様だな。


「てへぺろっ♡」

「ごまかしているんじゃねーっ!」


 こほん。 まぁ不幸な行き違いはあったが、真面目な私としてはギルドに報告だな。


「受付嬢よ、報告がある」

「何ですか?」

「森での魔物の異常行動についてだ」

「何か判ったんですか?」

「あぁ、詳しくは落ち着ける場所で話そう」

「はぁ、じゃぁ会議室まで来てください」

「うむ、苦しゅうない」


 受付嬢に案内されて、ギルドの会議室に移動する。 ふーん、意外と殺風景な場所だな。


「それで森で何があったんですか?」

「お茶は出ないのか?」

「フザケないでくださいっ!」


 いや、だって喉が乾いたし。


「お茶請けはクッキーで我慢しよう」

「お茶もお茶請けも出ませんっ!」

「小腹も空いているんだがなぁ」

「知りませんよっ! それよりも判った事を報告して下さいっ!」


 気が短い奴だな。 仕方がない、お茶休憩は報告が終了した後か。


「実はな、森の魔物は絶滅の危機にあったのだ」

「どう言う意味なんですか? 話が見えないんですけど」

「たぶんアレだ。 生命の危機に種族保存の本能が働いたとか何とか。 それで繁殖期みたいな行動に出たのだと思う」

「つまり原因は魔物ではなく、森の異変が原因だと? で、その森の異変とは?」

「蜘蛛型魔物の異常繁殖だ」

「蜘蛛型の魔物なんて、あの森には生息していませんよ?」


 いや、知らんがな。 実際に蜘蛛で溢れかえっていたんだし。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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新作:


VRMMOゲームをしていたハズが、気が付いたら異世界にいたんだが… ~人を見たら経験値と思え~


https://kakuyomu.jp/works/16818093086783757902

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