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第222話 傭兵編 ~えっ? 高級宿ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「おおぅ、これが高級宿こうきゅうやどの寝室かぁ」

「見てくださいベイナ様ぁこのベッド、軽く押しただけで手首まで埋まりますぅ」


 高級宿の寝室を堪能たんのうする幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 今回私たちは家族サービスも兼ねて、街で一番の高級宿のスペシャルスウィートにチェックインした。 勿論、主目的は休暇である。


流石さすが天蓋付てんがいつきのベッドではなかったが、コレはコレでアリだな」


「こんなにも柔らかいベッドは初めて見ましたぁ」

「ハトリも寝転ぶのー」

『けっ、ペタンはソファに寝ることを許してやるのです』


「キングサイズだから、全員で寝転んでも余裕があるな」


 キングサイズのベッドなんて、私たちの借家の廊下を通すことすら不可能だと判明したので普段使いはダブルベッドだ。 当然、こんな特注品みたいな柔らかさなんて無い。


 だからと言うワケではないのだが、部屋に入って真っ先にベッドにダイブしてしまったのだ。 弾むなんて事もなく、優しく受け止める柔らかさが心地良い。


「もうココに住んでしまいませんかぁ?」

「いや、流石に一泊金貨十枚を毎日とか、そこまでの財産は無いぞ」

「だからぁ、乗っ取ってしまえば良いのではぁ?」

「占拠することは可能だろうが、従業員には逃げられると思うぞ。 寝室だけ豪華でも自炊とか泣けてくるじゃん」

「ならば皆殺しにしてフレッシュゾンビにしてしまうのはぁ?」

「アレって有効時間があるんだろ? 腐敗臭が漂うコンシェルジュとか考えたくもないな」

「やっぱりダメですかぁ」

「ダメだろ、普通。 それにこんな贅沢はたまにするから価値を感じるであって、日常にすればスグに飽きてしまうと思うぞ」

「そう言うものですかぁ」

「そう言うモノだ」


 食事だってそうだ。 私ならフランス料理のフルコースが続いたら絶対に飽きる。 ジャンクフードとかが食いたくなる自信があるな。


「ベイナ様ってぇ、意外と貧乏性ですよねぇ」

「堅実と言ってくれ」


 フランス料理が無性に食べたくなる事は無いケド、ハンバーガーとかタコ焼きとかお好み焼きとかが今でも無性に食べたくなる事がある。 まぁそんな料理さえ食べられない世界ではあるんだけど。


 舌が貧乏性なのだろうか? そんな事を考えていたら、何だか無性に卵掛けゴハンが食べたくなってきた。 お米が無いってのもあるんだが、日本みたいに生で食べられる卵が無いんだよな。


 味噌みそ醤油しょうゆだって無いし。


 こればかりは、お金で解決出来ない問題だけに悩ましい限りだ。


 のんびりな農家さんみたいに、大豆からチャレンジしてみるべきなのだろうか? 麹菌こうじきんなんてどうやって入手すれば良いのか知らんけど。


 うっ、そんな事を考えているとテンションが下がってきたじゃん。 いかん、いかん。


 今日は奮発した休暇なのだから、気分はアゲアゲにしないとな。


 部屋をグルリと見回してみると、入り口近くに小さな台座が置いてあり、その上にハンドベルが鎮座している。 おおぅ、もしかしてコレはマグマ大使の笛みたいなやつか?


「なぁ、軽食を頼んでみないか? 軽く摘めるやつ」

「ルームサービスですかぁ?」

「あぁ、呼び出しのベルがあるみたいだし、使ってみようぜ」

「なら私が使っても良いですかぁ?」

「構わないぞ」

「なら失礼してぇ」 チリーン♪


 ガチャっ!


「お呼びで御座いましょうか?」


 おおぅ、ドアの前で待機していたのかってぐらいの早さだ。


「軽くつまめるモノを用意してもらえるかしらぁ。 具体的には幼女盛りで。 あぁ、皿はこちらで用意しますからぁ、カルパッチョなんかがあれば最高ですぅ」

「幼女盛り…で御座いますか? 不勉強で申し訳御座いません。 それに皿をご用意されるとの事ですが、どの様なモノなのでしょうか?」


「うぉぉぉ~い! 幼女盛りって何だよ、幼女盛りって!」


「あれぇ? ベイナ様もぉご存知ないんですかぁ? 幼女盛りは裸にいた幼女を皿に見立ててぇ、その上に魚介類などを盛り付けてぇ…」


「当宿ではその様な料理は、出来かねますが…」


「皿はそちらのベイナ様がぁやってくれますよぉ?」


「やらねぇよっ!」


 何てモノを注文しやがるんだ、コイツはっ! てか、摘めるモノって言えば、普通はクッキーとかだろっ!


「摘めますよぉ。 主に先端突起がぁ」

「摘む前庭で注文するんじゃねぇよっ!」


「あの…、わたくしはどうすれば…」


「見ろっ、コンシェルジュさんが困ってんだろっ! あっ、コンシェルジュさん。 適当にクッキーと紅茶をお願いします」


かしこまりました…」


「あぁっ、念願の幼女盛りがぁ」

「お前は黙っとけっ!」


 油断していた。 まさかコンシェルジュに対してボケるとは予想外だ。


「ボケてないですぅ。 本気でしたぁ」

「なお悪いわっ!」


 何とかやり過ごす事には成功したが、今日と明日はずっとこんな感じなのだろうか?


「ふふふっ、本番は夜のお楽しみですぅ」


 いかん、家族サービスのつもりがエロピンチになりそうだぞ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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