表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
221/300

第221話 傭兵編 ~えっ? 家族サービスですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「買い取れませんよ」

「そこを何とかぁ!」

「ダメです!」


 練乳塗れんにゅうまみれの毛皮の買い取りを拒否られる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 苦しい思いをして折角コボルトを討伐してきたと言うのに、傭兵ギルドは非情だ。


「じゃぁせめて、討伐証明としては処理してくれ」

「この練乳塗れの尻尾を数えろと?」

「普通は血塗ちまみれなんだから、似たようなモノじゃん!」

「毛皮は解体処理班の仕事だから男性スタッフが処理するんですけどぉ、討伐証明のカウントなんかは私たち女性スタッフの仕事なんですよ」

「ほう、それで?」

「触りたくないので拒否します」

「そんなぁ」


 まさか討伐証明のカウントまで断られるとは思わなかった。 てか仕事しろよっ!


「何か不満でも? 何なら査定をマイナス評価しても良いんですケド?」

「全ク、ゴザイマセン」

「じゃぁ次の方ぁ」


 ちくせう。 覚えてろよ、いつかギャフンと言わせてやる。


「ギャフンなんて言う人を見た事が無いですぅ」

「ギャフン」

「ベイナ様ぁ、オヤジギャグはどうかと思うのですぅ」

「まぁ何だ、我々は一度休養を取った方が良いのかも知れないな。 働き詰めだった気もするし」

「じゃぁ休暇ですかぁ?」

「そうだな、たまには休養も兼ねて家族サービスでも良いかも知れん」

「家族、つまりは私たちは夫婦って事ですねぇ。 なら休日はベイナ様の体を好きに出来るって事ですよねぇ」

「どうしてそうなる?」

「お金の無い夫婦はぁ、家の中でシッポリ過ごすのが常識ではぁ?」

「いや、金はあるだろう」

「それじゃぁ高級温泉宿でシッポリですね」

「温泉宿かぁ。 身も心も汚れてしまった私には良い選択なのかも知れないな。 ところであるのか? 高級温泉宿」

「そりゃぁ温泉を所有している貴族の屋敷でも襲撃すれば温泉宿になるのでは?」

「なるのかなぁ」


 お手軽に温泉宿があるとは思っていなかったケド、また貴族屋敷の襲撃かぁ。 休みたいだけなのに働く事にならないか、ソレ。


「もう既に襲撃を仕事だと思えてる時点でぇ、カタギの発想じゃぁ無いですぅ」

「うっ!」


 確かに傭兵よりもそっちの方が実入りも良いし期間も長いけど、別に盗賊とかになった覚えは無いぞ。


 でも自然と襲撃を仕事って思えてしまう私って何なんだろう。 いやいやアレは盗賊としてじゃなくて世直しとしてやった事だし。


「じゃぁベイナ様も納得した事ですしぃ、パンフレットでも取り寄せますね」

「えっ、あるの? パンフレット?」

「ありますよぉ、普通の襲撃ならこんな感じですぅ。 はい」

「えーと何々…、『1日3時間の襲撃で金貨百枚達成、貴族襲撃のプロが語る本当は教えたくない必勝法』って情報商材かよっ!」

「こんなうたい文句に踊らされるのは素人ですぅ」

「なにプロ目線で語ってんの?」

「情報屋さんにぃ、情報商材は儲かりますよぉって言ったらこうなりましたぁ」

「お前が原因かっ!」


 こっちの世界も終わってんな。 情報化した日本でさえ情弱じょうじゃくが情報商材の餌食えじきにになっていたのに、こっちの世界じゃぁイチコロじゃないか、コレ。


「だからぁ、私はそんな情報商材じゃなくてぇ、プロから仕入れた情報があるんですよぉ。 はい」

「えーと…、『もう騙されない。 プロがやってる必勝法』って、お前も騙されているんじゃねーよっ!」


 怖いな、情報屋。 もう既に一度騙された相手まで騙すところまでいっているのか。 てか、えっ? ヘルって過去にも騙されてんの?


「実際にやってみたらぁ、殆ど稼げませんでしたぁ。 入会金の金貨10枚すら回収できませんでしたぁ」

「さいですか」


 あれ? 回収とか言っちゃってるぞ。 もしかして騙されている自覚すら無い?


「ストーップ、せめて情報は情報屋じゃなくて自分で仕入れうような。 情報収集に向いている眷属けんぞくだっているんだし」

「えーっ、でも自分でやったら時間も手間も掛かりますしぃ」

「それは騙される第一歩だからっ! 本当に儲かるなら入会金を取って商売敵を増やすより、自分たちでやっているハズでしょっ!」

「そうなんですかぁ?」

「そうなのっ!」


 生半可に異世界の知識があるヘルって連中からしたら良いカモなんじゃないかな? ここで私がしっかりしないと…。


 こうなったら、私も情報収集に協力して都合の良い貴族屋敷でも探して襲撃プランをるか。


「何だかベイナ様がぁ、頼もしいですぅ。 まるでプロみたいですぅ」

「あっ」


 いかんいかん。 どうして私が主動で貴族屋敷を襲撃する話になっているんだ?


「だってベイナ様がぁ、高級温泉旅館に行きたいって言ったじゃないですかぁ」

「確かに言った。 言ったけれども!」


 そうだよな。 この世界に無い高級温泉旅館なんて求めるからおかしな話になっているんだ。


 普通の高級宿で良いじゃん。 日本でホテルで外食する感覚で行けば何とかなると思うし。


「高級宿でお高い料理を食べます」

「貴族屋敷は襲撃しないんですかぁ? 儲かりますよぉ?」

「働かないし、家族サービスなのっ!」

「まぁベイナ様がそう言うならぁ、それでも良いですよぉ」

「あっ、ハトリもミーティアも連れていくからな。 2人っきりじゃないぞ」

「寝室を豪華にしてくれるんならぁ、それでも良いですよぉ」

「あぁ、天蓋付てんがいつきのベッドにしよう」


 まぁ偶の家族さービスだ。 少しは奮発するとしよう。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ