第218話 傭兵編 ~えっ? スーパールーキーの失敗ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「うぇ~ん。 臭いよぉ、ベトベトするよぉ」
「私もタップリとブッ掛けたので満足ですぅ」
白濁液まみれの幼女、ハイガンベイナ6歳です。
そりゃもう白くドロッとした液体を掛けまくられたので、とろろ芋に浸かるお蕎麦の気持ちが判る今日この頃。 しかも微妙にイカ臭いし。
「それでベイナ様ぁ、グレイウルフの討伐は続けますかぁ?」
「帰るぅ。 お家に帰るぅ」
私が大変な目に合っているのに、どうしてかハトリとヘルには被害が無い。
「それにしてもハトリは無事だったのか?」
「ハトリは食べる側だから襲って来ないのー」
「じゃぁヘルはどうして無事だったんだ?」
「私はぁ、襲う側だから仲間に思われたみたいですぅ」
「へっ、襲う側? お前何してたの」
「勿論、ブッ掛け祭りに参加していましたが何かぁ?」
「参加してんじゃねーよっ! つか、助けろよっ!」
「いや、チャンスだと思ってぇ」
「何のチャンスだよっ!」
コイツは泣かす、いつか泣かす。 今回はたまたま私が泣かされたが、次は絶対に泣かしてやる。
やっぱ犬はダメだな。 そもそも愛犬家でもある私がグレイウルフの討伐ってのが間違っていたのだ。
今回の依頼は失敗した事になるけど仕方がない。 人には得手不得手があるのだ。
「ギルドに帰るぞ。 依頼はキャンセルだっ!」
「私は結構楽しかったのでぇ、続けても構わないですよぉ」
「ハトリは肉付きの悪い犬は好きじゃないのー」
渋るヘルの背中を押しながら、ギルドへと戻る私たち。 だがスーパールーキーたちの失敗は、周囲に騒ぎを巻き起こす。
「うわっ! 臭せぇ」
「見ろよ、練乳でベトベトだぜ」
「えんがちょー」
何故だろう、思っていたのと違う。 しかも受付嬢も辛辣だった。
「迷惑なのでお風呂に入ってきて貰えますか? 本当に迷惑なので」
「スミマセン」
おかしいな。 スーパールーキーの失敗なのだから、みんな深刻な顔をしたり優しい声を掛けてくるベテランなんかがいると思ったのだが。
「うけるー。 ちょーうけるー」
「畜生、覚えてやがれっ!」
これはヤッカミだな。 うん、そうに違いない。
挫折こそが人を成長させるのだ。 見返すのであれば、より高難易度の依頼でも片付ければ問題ないだろう。
しかし今は、この練乳塗れの体をどうにかする事が先決だ。
「ヘル、風呂に入って出直すぞっ!」
「お供しますぅ」
「ハトリが洗ってあげるのー」
家に帰って早速風呂に入る。 当然衣服はキャストオフだ。
「スッポンポンのポーン!」
「ぐふふふふぅ、真っ昼間からロリの裸ですぅ」
「しつこい汚れにはデッキブラシが一番なのー」
「うわぁーっ! 痛い! デッキブラシは物凄く痛いぃぃぃ~っ!」
「これはそう言うプレイなのですねぇ。 ならば私は亀の子タワシでゴシゴシですぅ」
「しつこい汚れは力加減が大切なのー」
「うぎゃぁぁぁ~っ! 亀の子タワシがもっと痛いぃぃぃ~っ! デッキブラシも鬼痛いぃぃぃ~っ!」
「ベイナ様がぁ喜んでいるのですぅ」
「しつこい汚れはサンポールなのー」
「うわっ、ハトリ! サンポールはシャレにならないからやめろっ! うぎゃぁぁぁ~っ! 目がぁぁぁ~っ! 目がぁぁぁ~っ!」
目玉までシッカリと綺麗になりましたとさ。 て、ちゃうわいっ!
この後、不本意だが綺麗に汚れが落ちたので、バスタオルでゴシゴシ。
洗っている最中は、皮膚が爛れた感覚があったんだけどなぁ。 これも再生能力のなせる技なのか、本当の風呂上りみたいにピッカピカだ。
「やっぱりしつこい汚れにはサンポールなのー」
「うん、せめて今度からは中性洗剤にしてね」
「サンポールはダメなのー?」
「便器じゃないんだからダメなのっ!」
「でもベイナ様ってぇ、肉便器になっていましたよねぇ。 だから異世界の知識からサンポールを用意しましたのにぃ」
「肉便器言うなっ! てか原因はお前かっ!」
何だかんだで綺麗になったのだが、流石に今日は出掛ける気にはなれないので、家の中でのんびり過ごす事にした。
ふっ、待っていろよイヌコロ供。 今度会ったらギッタんギッタんにしてやるからなっ!
「そう言うのをフラグって言うじゃなかったですかぁ?」
「うっさいわっ!」
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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