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第216話 傭兵編 ~えっ? ゴブリン討伐ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ハトリ先生、そろそろ放して頂けませんか?」

「嫌なのー。 ママはハトリを何処かにやるつもりなのー」

「いや、邪険にしないからそろそろ放して。 ね?」

「むー」


 童女に抱きつかれる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 確かにハトリがいるとゴブリンには避けられてしまうのだが、私にはハトリを邪険にするつもりはない。 むしろ協力してゴブリンを討伐したいのだ。


「なぁハトリ、これはハトリにしか頼めない事なのだが、どうにかしてゴブリンをコチらに追い立ててはくれまいか?」

「ハトリはいらない子なのー?」

「そんな事はないぞ。 めっちゃいる。 大体からして私やヘルだとハトリほど森の中を自由に動けないんだ」

「ママは鈍臭いのー?」

「いや、鈍臭いんじゃなくて森の中が苦手なんだ」

「ほんとなのー?」

「ハトリに誓って嘘は吐いてないよ」

「なら許すのー。 苦しゅうないのー」


 私は何を許されたのだろうか? 別にやましい事は…まぁ今の状況では無いと思う。


「そこで優秀なハトリ先生にゴブリンたちの誘導を頼みたいんだ」

「ママが条件を飲んでくれたらハトリがやるのー」

「その条件とは?」

「チューなのー」

「いや、今はそんな事をしている場合ではないと思うのだが…」

「ならハトリは離れないのー」

「ハトリさん、チューするんで許して下さい」

「許すのー。 ちゅー」 チュッ


 げふんげふん。 これは私がレズレズしているワケではなく、アレだ。 洋画によくある様な親愛のチューだ。 だよね? ハトリ。


 最近なんだかハトリがメスの顔をしている気がして、少し怖いんだ。 ただでさえ教育に悪いヘルがいるんだから、将来に不安があると言うか何と言うか。


 だがそんな私の不安を他所に、ハトリは私から離れると一目散にゴブリンがいる方向に走っていった。


 私は魔力感知があるから位置の把握は出来ているんだけど、それでもハトリの足には追い付けない。


 結構、鬱蒼うっそうしげった森なのだがハトリは障害物など無いかの様に進んでいく。 やはり人化していても土蜘蛛つちぐもとしての能力に陰りは無い様で、飛び跳ねなかがら行進は全速力で追い掛けても差が開いていく。


「早過ぎでしょ」

「ハトリちゃんのぉ、ホームグランドですから仕方がないのですぅ」

「だよな」


 魔力感知で追い掛けていると、どうやらシープドッグの様に効果的にゴブリンを集めているのがうかがえる。 これなら討伐自体をハトリに頼んだ方が良かったのではあるまいか。


「上手いものだな。 眷族召喚まで使ってれが無い様に効果的に集めている」

「まぁゴブリン自体も蜘蛛が苦手ってのもあるのと思いますぅ」


 類人猿全体は大抵蜘蛛が苦手なのだが、ゴブリンって分類学上はどうなるのだろうか? 決して類人猿には入れたくないが。


 それにハトリがどうやってゴブリンの位置を認識しているのかも気になるところだ。 ハトリは魔力感知の異能は習得していなかったハズだし、地面や空気の振動でも感じ取っているのだろうか?


 シーフでもやらせたら、好成績を残すんじゃないかな。


 おや、そろそろ追い立ても完了するみたいだ。


「なぁヘル、近接戦闘って出来るのか? 魔術はフレンドリーファイヤーが気になるから、無理なら休んでいても構わないぞ」

「私はぁ、武器なら一通りは使えるのですぅ」

「えっ、マジで?」

「ええ、でも今回は特別にぃ、コレを使うのですぅ」

「それって…むち?」

「そうですよぉ。 長鞭ちょうべんですぅ」


 うぉぅ、何と言うか、すんげぇ似合っている。 でも森の中で鞭なんて使えるのか? どこかにからまってしまいそうだけど。


「余裕ですよぉ。 それっ!」 ビュん! バキッ!

「うわっ、木が真っ二つだ!」


 やべぇ、手首のスナップがやべぇ。


「寝ているベイナ様をサワサワするときにぃ、手首のスナップを練習しているのですぅ」

「人が寝ている間に何してくれてんの?」


 手首の使い方までエロいとか、どうすりゃここまでエロくなれるんだか。


「そんな事を考えていると来ましたよぉ。 えぃ!」 ビュん! バキッ!

「おぅ、今度はゴブリンが真っ二つだ。 私もウカウカしていられないな。 ブラディ・ネイル!」


 必死にハトリから逃げてくるゴブリンたちを一つずつ片付けていく。


「おらぁっ!」 ザクッ!

「それっ!」 ビュん! バキッ!

「なぁ、私たちって行きピッタシだなっ!」 ザクッ!

「そりゃぁ睡眠学習で口移しで呼吸を合わせているのだから当然ですぅ。 えぃ!」 ビュん! バキッ!

「ヘルっ!」 ザクッ!

「何ですかぁ? えぃ!」 ビュん! バキッ!

「後で説教なっ!」 ザクッ!

「そん事を言う口はぁ、物理的にふさぎますよぉ! えぃ!」 ビュん! バキッ!


「イチャイチャ禁止なのー!」


「うわっ、ハトリ!」


 この後、荒ぶるハトリも合流して全員でゴブリン討伐を行った。


「なぁ、ハトリさんや。 そうも引っ付かれると、ゴブリンを収納し辛いんだが…」

「今はハトリとイチャイチャする時間なのー!」

「いや、そんな時間なら後で必ず作るから…」

「後っていつなのー? 今なのー?」

「後は後だよ」


 うーむ、甘えたい年頃なのだろうか?



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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