第214話 傭兵編 ~えっ? ホーンラビットですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「うーむ、碌な依頼が無いなぁ」
「まぁFランクですしぃ。 諦めてウサギでも狩りませんかぁ?」
「そうだなぁ」
ホーンラビットの討伐以来を受ける幼女、ハイガンベイナ6歳です。
どうやらFランクは見習いと同じような扱いらしく、マトモな依頼はホーンラビットの討伐依頼だけだった。
心踊るような盗賊の討伐依頼とかはCランク以上らしく、道は長そうだ。
「これの受付を頼む」
「ホーンラビット3匹の討伐ですね。 頑張って下さいね」
「うむ」
私から依頼票を受け取ると、受付嬢は慣れた手つきで受注処理を行った。 ふむ、エエ乳している受付嬢だ。
単純な男ならイチコロではなかろうか? まぁ私には効かないのだが。
「さぁ、サクッと片付けてランクアップを目指すぞ」
「本当にニートにならずに良かったですぅ」
「私はやれば出来る子なのだ。 元よりニートになるつもりなど無い」
「働きたくないとか言っていたのは何処の誰ですかぁ?」
「そんな記憶は存在しないな」
私たちはハトリとミーティアを連れ立って、近くにある森へと移動した。
「ふっ、ここから我が覇道が始まるのうぎゃっ!」
「のうぎゃ?」
「何かが尻に刺さったぁ!」
「あっ、ホーンラビットがベイナ様のお尻に刺さっているのですぅ」
「ぐすん、抜いてくれぇ」
「よっこいしょっとぉ。 幸先の良いスタートですねぇ。 ホーンらビットは臆病な性格でぇ、自分より強い相手には脱兎の如く逃げ出すって言われているのですぅ」
「いくらトロールよりも強力な再生能力があると言っても、痛いモノは痛いんだぎゃぁっ!」
「あっ、今度は小ぶりなホーンラビットが刺さっているのですぅ」
「抜いてくれぇ~っ」
「いいですよぉ。 えぃ」 スポン
「くそう。 どうしてコイツらは私のお尻を狙ってくるんだ? どこが臆病な性格なんだよっ!」
「ベイナ様がぁ、クソ雑魚認定されているんじゃぁないですかぁ?」
私が雑魚認定されているだとぉ! 私はこれでも魔王認定されるぐらいには強いんだぞぉ!
「もしかしたらぁ、ベイナ様のプリケツを狙っているのではぁ? こいつらオスみたいですしぃ」
「私はメスのホーンラビットにでも見えているのか?」
「人気の無い場所ですしぃ、何なら私が襲いたいくらいですぅ」
「襲うなよっ! フリじゃないからなっ!」
「あーん、いけずですぅ」
まさかコイツは本当に私を襲うつもりだったのか? コイツと2人っきりにならない様に注意しよう。
よーし、後は1匹。 お尻に注意しつつサクッと片付けるか。
「ねぇねぇベイナ様ぁ」
「何だい、ヘル」
「オスをNTRされたメスが怒り狂ってぇ」
「ほぅほぅ」
「ベイナ様に、ドロップキックをぉ」
「ぐはっ!」
「食らわそうとしていますよって注意しようかと思ったのですが手遅れでしたぁ」
「そう言う事は早く言えっ! 側頭部をしこたま蹴られたじゃないかっ!」
大体何だよ、NTRって。 私は被害者だぞ! お尻に出来た傷はどうしてくれるんだよ、後すら残っていないと思うけど。
「今、気を付けるべきはま前だったのか。 そりゃぁオスだって無限にいるわけじゃないだろうしメスは流石に尻を襲ったりしないかへぺっ!」
「あのぉ、ベイナ様ぁ。 もう一々お尻を標的にしなくってもぉ、依頼分の3匹は揃いましたよぉ」
「そんな説明はいいからサッサと抜いてくりゃさい。 お尻の穴にホールインワンしてりゅんだ」
「ベイナ様がいればぁ、ホーンラビットなんて楽勝ですねぇ。 えぃ」 スポン
こんな私が囮になるみたいな狩り方なんて納得できるかっ! しかも、ホーンらビットは私の事を舐めきっているのだ。
「よーし、角兎だか何だか知らないが一網打尽にしてくれるわっ! こっちは伊達に魔王認定なんてされてないんだ」
「一網打尽ってどうするんですかぁ? いくら何でも追えば逃げると思いますよぉ」
「罠を張るのだ」
「罠ですかぁ? ベイナ様にそんな高度な事が出来るんですかぁ?」
「いや、いるではないか。 ハトリという罠のスペシャリストが」
「ハトリは罠が得意なのー」
ふっ、我ながら何と言う明晰な頭脳か。 捕まえるのはハトリに頼んで、始末は私が行おう。
「蜘蛛というのは空中に巣を張るタイプもいるが、ハトリは確か土蜘蛛系統。 つまりは地を駆けるウサギなんてモノは得意中の得意のハズだ。 だよな、ハトリ」
「ハトリは設置型トラップが得意なのー」
「そう言うワケでハトリ先生、トラップを用意して下さい」
「判ったのー」 グルグル
「あのぉ、ハトリさん。 何故に私は簀巻きにされているのでしょうか?」
「罠には餌が付き物なのー。 勿論お尻は簀巻きの対象外なのー」
「えっ、あの、ハトリさん。 私はお尻を大切にしたいんですが…」
「心配ないのー。 移動できない様に逆さ吊りにしておくだけだから、多分届かないと思うのー。 餌を取られる罠師は二流なのー」
「どへぇーっ! 頭に血が上るんですけどぉ!」
「ママはそのまま活きが良い餌を演じるのー」
「うぎゃぁーっ! 尻に激痛がぁぁぁ~っ!」
「あーん、まだ罠は設置していないから気が早すぎるのー」
「ベイナ様ぁ、新記録ですよぉ。 二匹同時に掛かっていますぅ」
「お得なのー」
「待てぇぇぇ~っ! お得とか言うなぁぁぁ~っ! て言うか抜いてくれぇぇぇ~っ!」
その後私たちは、大量のホーンラビットをゲットした。
泣いて良いかな?
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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