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第21話 幼女驚愕~えっ? ラスボスですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

 無数の光の玉が、城門を封鎖するくさりを襲う。


 千切ちぎれ飛ぶ鎖と、徐々に解き放たれる扉。 正直嫌な予感がドバドバわきき出してくる。 うん、嫌だ。


 第六感ってホントにあるのかな? 個人的には都市伝説だと信じたい。


『我が眠りを妨げるのは誰ぞ』


 うおっ?


 頭に直接叩きつける様な言葉。 ちょっ、まだ完全に開放してないじゃん。 何話し掛けてきてんの?


 次の瞬間、残り少ない鎖が内側からの圧力で吹き飛ばされた。 どうやら気が長い方ではなかったらしい。


 扉から溢れ出した濃厚な魔力が、ねっとりと肌にまとわり付く。 連動する様に肌とのどから急速に水分が失われて乾燥する。 痛いくらいだ。


 冗談だろ、オイ。 気持ちでは1ミリでも遠ざかりたいのに、足には神経が通っていないかの様に意志が伝わらず小刻みに震えている。


 黒い手が巨大な扉のふちに手が掛かった後に、ゆっくりと引き出される頭。 爬虫類はちゅうるいの顔って、ここ迄凶悪(きょうあく)に出来るんだね。 知らなかったよ。


 ヒゲだかつのだか判らないモノが顔の周りをおおい、ドワーフを100倍悪党ズラにした印象を受ける。


 うわっ、眼が合っちゃったよ。 内股を伝う液体と、かすかに臭う臭気。


 おかしいな、尿意を感じなかったし脱水状態かと思ってたけど。


 ゆっくりと引き出された躰は、ティラノサウルスを筋肉質にダイエットし、手足を長くした印象だ。


 そして背中には、悪魔を想起させる巨大で力強い翼。 逃げられるのか、コレ?


 私の「黒」が、同胞に会えた歓喜と闘争を訴えてくる。 どんだけバトルジャンキーやねん。 勝てる気しねーよ。


 これがブラックドラゴンか…。 出来れば一生会いたくなかったわ。


 つまりはアレだろ? 物理系暴君満載な印象なのに、魔法まで得意とか。 生物としてオカシイんじゃないの?


 さて、どうする?


 いや、別に落ち着いているワケじゃないんだ。 ただね、躰が少しも言うことをいてくれないダケでさ。 「黒」さんや、何とかならない?


 対する暴君さんは面倒臭めんどうくさそうに口を明け、光の暴力を収束させていく。 ちょっ、マズいって!


 やっと制御を奪い返した躰が射線から逃れようと、ノロノロと動く。 迫りくる光弾、逃げ遅れる左腕、蒸発する感覚、あふれ返る恐怖。


 痛ぇ。 二の腕の中頃から喪失したけど、何とか生き残った。 残り少ない水分が、粘った汗として肌をおおい尽くす。


 何とか隠れられる場所まで退避したいケド、出口までは蛇行しただけの一本道。 ですよねー。


 仕方しかたが無いので、バックで後退しながらの射撃を顔面に集中させ、何とか次弾までの時間をかせぐ。 効いてねーな、くそっ。


 暴君さんが有り余る魔力をよろいの様に着込んでいるセイで、嫌がらせ程度の効果しか与えられていない。


 あんな魔力の運用方法があるんだな。 真似まね出来ないかな? 「黒」さんにバックアップさせたら何とかなる気がする。


 別にそれで、あの光弾だ防げるとは思えないケド、今の私は転んだだけで致命傷に成りかねない紙装甲かみそうこうなんだ。 逃げるために必要でしょ?


 さて、魔力をまとってみるかな。 おっ、いけそうだ。


 あ、そう言えば無くなった左腕だけど、今は焦げた部分が瘡蓋かさぶたみたいにポロッと落ちたよ。 え? 早すぎる?


 うん、黒の因子さんには再生機能もあったんだよね。 もっとも気が付いたのは「黒」さんがこんな弱者的な機能はいらないってオフにしそうになっていたからなんだ。


 アレだよ、トカゲの尻尾切しっぽきり的な。 猫に襲われた時に切り離して再生させるカンジの。


 そうか、私もトカゲの尻尾よろしく左腕がニョキニョキ生えてくるのか。 まあ、最低2~3日は掛かりそうだから、この戦闘中は隻腕せきわん確定だけど。


 ちっ、ずっと嫌がらせは継続中なんだけど、また口に光が収束し始めている。


 何とかあの魔力鎧まりょくよろいを攻略しないと、脱出する前にみそうだ。 どうするかな。


 弾丸が弾かれるよりも受け流されている感じだから、単純に速力増加による威力増強じゃあ効果無さそうだし。


 アレを引き裂く方法があれば良いんだけど、そう都合つごうの良い兵器なんて思い付かないかな。


 だとすると、魔法? 魔術?


 魔力鎧まりょくよろいを引き裂く氷砕船のイメージかな? それを弾頭にエンチャントする感じで。


 ムズいな。 エンチャントって魔術なんかと別物じゃん。


 よし、いけっ!


 おっ、おおっ? 今皮を引き裂いた? イケる? イケるのか?


 おーしっ、おっしゃぁ! 片目をつぶす事が出来たぜ! 脱出、脱出!


 出口まであと少し。 あそこを越えれば状況が少しだけ状況が好転出来る。


 えっ? 何アレ? 光の収束が以前と段違いじゃない? もしかして今までの光弾は単なる牽制けんせい用? じゃあ今度のは?


 げっ、アレってばブレスじゃねえの? ヤバいヤバいヤバい。


 せめてあそこのくぼみにでも入り込まないと、骨すら残らないよ!


 まっ、間に合えーっ!!


 ぐっ、痛い。 あっ、熱い熱い熱い。 まぶしい眩しい眩しい。 背中の皮が溶けてない?


 生きてる心地がしないんだけど!


 へっ? 周囲の岩が…熱で溶けてる? はぁ? ブレスの終着点が…地形が…えっ?


 こんなのって、かすっただけで軽く死ねるぞ?



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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