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第208話 スローライフ編 ~えっ? サバイバルですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「コテージが完成したどー!」

「ベイナ様ぁ、随分ずいぶんと設計図と違う気がするのですがぁ」

こまけー事は良いんだよっ!」

「でもぉ、あばら屋ではぁ?」

「言うなぁ~っ!!」


 鋭利なヘルのツッコミに打ちのめされる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 ちゃうねん、予定では立派なコテージになるハズやってん。


「それにしてはぁ、予定と違い過ぎませんかぁ?」

「例えば?」

「壁がありませんがぁ?」

「くっ!」


 私たちがいるこの場所は、漁村から少し沖合いにある小さな無人島だ。 どのくらい小さいかと言うと、一周するのに一時間も掛からないくらいに小さい。


 だから動物はおろか、まともな木だって存在しなかった。 あったのは精々松に似た曲がりくねった針葉樹くらいだ。


 だから板なんて作れなかったし、壁が無いのは不可抗力なのだ。


 当然柱になる様な真っ直ぐな木も無かったので、何とか木材をひもで結んだ骨組みの様な建物になってしまったのだ。


「そんなに落ち込む事はないじゃないですかぁ? ほら、日差しならぁ防げていますしぃ」

「判ってくれるか? この絶妙に木陰になる感じが!」

「まぁ屋根としてはどうかと思いますけどぉ」

「うぐっ!」


 一々毒を盛り込んでくるんだなぁ、コイツ。 一生懸命にやっているんだから、少しくらいはめてくれても良いのに。


 だがそんな事では私はめげないのだ!


「さて、衣食住の住が完成した事だし、次は食に拘りたいと思う」

「具体的にはどうするんですかぁ?」

「釣りをするのだ。 と言うワケでハトリ、糸を頼む」

「あのぉ、ハトリちゃんはきて寝ていますがぁ?」

「誰か私に優しくしてくれぇぇぇ~っ!」


 ちくせう、ハトリにまで飽きられるとは思いもしなかったよ。


「あのー、ハトリさん。 起きて私に構って下さいな」

「んー、めんどくさいのー」

ひどいっ! 泣くぞっ!」

「んー、ママは仕方がないのー。 よしよし」

「えへへへへぇ~っ。 ハトリのナデナデだぁ。 やさぐれた私の心に染み渡るぅぅぅ~っ!」

「じゃぁ、そーゆーことでオヤスミなのー」

「寝ないでぇぇぇ~っ! せめて糸だけでも出してぇぇぇ~っ!」


「うわぁ、ベイナ様が面倒くさい幼女になってしまってますぅ」


「んー、ぐるぐるなのー」


「わーっ! 蜘蛛くもに捕らわれた昆虫の様にからられていくー」


 半分寝ている様に見えるのだが、器用きように手足を使ってミノムシしばりにされていく。 本能なのかな?


 いや、感心している場合じゃなかったな。 本当に身動きが出来ないぞ。


「ハトリちゃん、GJですぅ。 幼女の簀巻すまきは後で美味しく頂きますぅ」

「頂こうとするんるんじゃねぇ!」

「さぁ、あきらめてその蕾のような幼女唇を差し出すのですぅ」 むちゅー

「ひぃぃぃ~、おーたーすーけぇぇぇ~っ!」

「残念ながらぁ、ココは無人島ですぅ。 泣き叫んでも助けは来ないですぅ」


「んー、ハトリのなのー」 むちゅー


「こっちも色ボケだったぁ!」


「ならば私はぁ、スライム化ですぅぅぅ~」


「ひょえぇぇぇ~っ! へるぷみー!」


 その後に開放されたのは辺りが暗くなってからだった。 くそう、私の華麗なフィシイングを披露しようと思っていたのに。


 仕方がない、食事はアイテムボックスに大量にストックしている食料でなんとかしよう。


「ふっ、ここからスーパーコックとしての活躍が始まるぜっ!」

「あのぉ、ベイナ様ぁ」

「なんだよ、今良いところなんだから後にしろよ」

「雨が降ってきましたよぉ?」

「なんだとぉ、うわっ! 折角起こした火がぁぁぁ~っ!」

「ねぇねぇ、ベイナ様ぁ」

「今度はなんだよっ! 今は忙しいんだっ!」

「思ったんですけどぉ」

「思わなくてイイ!」

「これってスローライフではなくてぇ、サバイバルではぁ?」

「言うなぁぁぁ~っ! そんな事いうなぁぁぁ~っ!」

「もしかしてぇ、自覚がありましたぁ?」

「ちゃんとあったよ、チクショウめっ!」

「じゃぁどうしてぇ、続けようとぉしたのですかぁ?」

「あーそうだよ! 引っ込みが付かなくなったんだよっ!」


 そりゃ薄々感じていたよ。 何か違うなって。


 でも仕方がないじゃないか、どうすりゃ良かったんだよ!


 大体からして、スローライフって何をすりゃぁ良いんだ? 農業でもすれば良いのか?


 別に農民の全てがスローライフを送っているなんて、思えないぞ!


「そもそもスローライフって何なんだぁぁぁ~っ!」

楽隠居らくいんきょの事では?」

「あっ!」


 よし、今度は田舎で楽隠居だ!



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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