第20話 幼女発見~えっ? 城門ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
え~と、今起こった事を説明するぜ。
気が付いたら辺り一面が荒れ野原になって、ヒドラの死体が散乱していたんだ。
何を言っているのか分からないかも知れないが安心してくれ。 オレもサッパリ分からないんだ。
と言うわけで、ハイガンベイナ3歳です。
うん、意味不明だ。 だって、ヒドラが死んでいるんだぜ。 死体あさりも現れないし。
あるものは押し潰された様な死体で、またあるものは引き裂かれた様な死体で。
目の前にある死体なんて、脚を残してそれ以外の部分が無かったりするんだぜ。 食べられた痕跡すら無いのに。
それにさぁ、さっきからやたらと視線を感じるんだよね。 何も見当たらないのに。
かくれんぼでもしてるのかねぇ。 こんな幼女相手に。
な? ワケ分かんねえだろ。
まあ、襲って来ないなら問題は無えんだけどさ。
仕方が無いので、素材回収だけはして行こうと思うけど。
気にする事でも無いのかな。 気味が悪いけど、マッピングを再開しようと思う。 途中から記憶が無いせいか、殆ど進んでないし。
「熱光学迷ちゃい術ちき展開、起動。 ちゃん連レールガトリングガン展開」
記憶を埋める様に、アッチへフラフラ、コッチへフラフラ。
偶に現れるヒドラには、きっちりアウトレンジ攻撃で狩って行く。 順調、順調。
全体的に数が減ったのか、それとも隠れているのかは知らないが、エンカウントは概ね少ない。 平和なのは良い事だ。
しかしホント、ヒドラしかいねえな。 栄養とか偏らないのかと思わず心配してしまう。 変な気分だ。
あれだけヒドラに恐怖していたのに、トラウマを克服した途端、気遣う余裕まで出てくるんだから。
単に図太いだけか? まあ良いや。
うーむ、思いの外広そうだな、この階層。 谷底を這いずり回るよりも、上空から探索した方が良いかもしれん。
別に急ぐ理由は無いんだけど、妙に居心地が悪いんだよね。 女子トイレの中に男がいる雰囲気みたいに。
で、多分その男は私だ。
オカシくね? 私が何したってんだよ! ミスキャストだろ。
こんなラブリーな幼女を捕まえて失礼な。
ドッグファイトに自信が無かったから避けてたけど、こうなったらヤケだ。 女は度胸って言うしな。
姿を消して、コソコソと空中を舞ってみる。 うん、気付かれてはいないみたいだ。
おお、地平線が見えるぜ。 ドコまで広いんだよ。
ん? 何だろあの山。 遠くから見えるだけでも異様だ。
至る所から火山性ガスみたになものが吹き出してる。 活火山かな?
気にはなるけど、近付くだけでもヤバそうだ。 だって亜硫酸ガスとか吹き出していそうだし。
でもなぁ、如何にもってカンジなんだよなぁ。
ボスキャラがいそうな雰囲気って言えば分かるかな。 逆に言えばそれしかいないって空気がプンプン。
生命維持装置が無ければ秒で死ねる。 見た目は赤や黄色、緑や白でそれなりに美しい。
結構熱そうだし、控えめに言っても地獄だ。 階層主の縛りが無ければ絶対に立ち寄らない程度には。
そう、逆に言えば階層を出たければ、インしなければ上の階層に行けない感じがする。
でも逆の逆を言えば、そうでない可能性も無きにしも非ず的な気がしたりしなかったり。
うん、現実逃避は止めにしよう。
ああ、そうだよ! 他にそれっぽい場所なんて見当たらねぇよ。 看板なんか無くても他に選択肢なんてねぇよ、ちくせう。
「ちぇい命維持術ちき展開、起動」
諦めて生命維持術式を起動し、ゆっくりと空から近付いて行く。 マジ熱い。
麓に降りてみると、ガスの噴出口が洞窟である箇所がチラホラ。 アレを全て確認しなければならないのだろうか? 正直気が滅入る。
1つ目を確認してみるが、煙で何も見えず。 仕方が無いので赤外線モードで確認してみると、単純に亀裂から出ているだけの様だ。 次、次。
幾つか確認してみるが、どこの似たり寄ったり。 まさか全部コレって事はないよね? ね?
だがそろそろ頂上かと思った場所に、ソレはあった。
城門かと思う程の大きな扉。 だが異様なのは、立派な扉を封鎖するかの様に巻きつく数多くの鎖。
例え地獄の蓋だとしても、もうちょっと封印の仕方があると思うんだ。
何て言えば良いのかな。 封印の仕方が恐怖や忌避に由来する様な。
さて、どうするかな。 封印されているのは、恐怖の象徴だと思う。
でもあの魔女様が、封印なんてするのかな? 寧ろ喜んで封印を解く側だと思うんだけど。
鬼が出るか蛇が出るか、女は度胸でいっとくか?
微妙に後悔しそうな気がするのだけれど、まあしゃあないかな。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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