第199話 世直し編 ~えっ? お宝タイムですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「うーん、よく寝たなぁ」
「うふふっ、昨夜は美味しゅうございましたぁ♡」
「何がっ?」
ヘルとベッドで目覚める幼女、ハイガンベイナ6歳です。
着衣に乱れは…無いな、見覚えのないネグリジェを着ているケド。 妙にテカテカしているヘルの顔が気になるし。
「なぁ、寝た後に何かあったのか?」
「うふふふふぅ~。 そんなに心配しなくても大丈夫ですよぉ、多分」
「多分って何だよ多分って! 余計に不安になるのだが」
「ほんのチョッピリぃ、ベイナ汁を味わっただけですぅ」
「ベイナ汁って何だよっ!」
どうやら私は汁を搾取されたらしい。 何の汁かは知りたくないが。
とは言っても聞いても答えてもらえるとは思わないので、犬に噛まれたとでも思って諦めるしかないらしい。
「はぁ、まあ良いや」
「これから毎晩ベイナ汁を楽しんでも良いんですかぁ?」
「その『良いや』じゃないやいっ!」
「なら二日に一度で我慢しますぅ」
「干からびてしまうわっ!」
今夜からは部屋に鍵を掛けて眠った方が良さそうだ。
「既成事実は着実に積み上がっているのですぅ」
「昨晩、本当に何があったのっ?」
「後悔しませんかぁ?」
「うぐっ」
いや、気にはなるケド起きたからには昨晩出来なかったお宝タイムを堪能しなければならないのだ。
「早速、お宝探しを再開したいんだが…」
「その前にぃ、着替えと昼食だと思いますぅ」
「へっ? 昼食?」
「もう、お昼ですよぉ」
「マジで?」
「マジですぅ」
疲れていたのかな。 そんなに遅くまで起きていたつもりはないんだケドな。
「ゾンビ美ちゃん、ゾンビ子ちゃん。 着替えの用意と昼食を準備なさい」
「あっ、昨日のフレッシュゾンビはまだいたんだ」
「人間と違ってぇ、睡眠も休息も不要なのですぅ」
「便利そうだな」
「便利ですよぉ、腐るまでの間だけですけどぉ」
「時間制限付きなんだ…」
「都合の良い防腐剤が無いんですぅ」
「さいですか」
着替えを用意してもらって、新しい服に着替える。 昨日の服は血塗れだったからね。 結構お気に入りだったんだが、染み抜きなんて出来ないので諦めるしかないだろう。
そしてそのまま待っていると、簡単なサンドウィッチと果実水が運ばれてきた。 コックのフレッシュゾンビでもいるのだろうか?
「いますよぉ」
いるらしい。 てか、2階にいた使用人の殆どはフレッシュゾンビになったっぽい。 襲撃後の事も考えていたのだろうか?
ヘルってこう言う所は無駄に有能なんだよな。
「イジケますよぉ」
「スミマセンっしたぁ」
昼食を取っていると、ハトリとミーティアが合流してきた。
「ママたちだけズルいのー。 ハトリも食べるのー」
『後でシメるです』
「ヘル、ハトリたちの昼食も頼む」
「良いですよぉ。 ゾンビ美ちゃん、ゾンビ子ちゃん。 昼食2人分追加ですぅ」
そうして全員で昼食を取り、その後はティータイムまで開かれた。 侯爵家のしきたりか何かだろうか?
「盗人猛々《ぬすっとたけだけ》しいとか、こういうのを言うんだろうな」
「強盗殺人ですからぁ、もっと酷いと思いますぅ」
盗人よりもタチが悪かったらしい。 うん、自覚は無いが後悔はしていない。
お茶の時間も終わったので、活動再開だ。
「よーし、お宝を山分けだぁ!」
「おーなのー」
「どこから行くんですかぁ?」
「そんの本丸の執務室からに決まってんだろ?」
まぁね。 少しは疚しい事をしている自覚はあるのだ。 だから急遽逃げる必要が出てきた場合にも対応できる様に、本丸から攻めるのだ。
「そーゆーワケで、執務室に突撃だ」
「行くのー」
「私はぁ、幼女衣装を探したいですぅ」
『チャンスがあれば、後ろからです』
ふむ、そう言えば侯爵って娘がいたんだっけか? 子供の頃の衣装とか残っているのだろうか?
まぁ後だな、金銀財宝以外にも武器とか色々見つかるかもしれないし。
お宝探しは始まったばかりだ。 オラ、ワクワクしてきたぞっ!
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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