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第190話 世直し編 ~えっ? 新技ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「オヤジ、次の人形を頼む」

「ウチとしちゃぁ、武器を購入してもらった方が嬉しいんだがなぁ」


 試し斬りの人形で新技を試す幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 試している新技は爪を伸ばして相手を惨殺ざんさつするモノなのだが、これが中々難しい。


 気を抜くと爪がフニャフニャになるし、かと言って硬化させて切り付けると爪の付け根が無茶苦茶痛かった。 最初は使い物にならなかったのだ。


 そこで爪だけではなく手も硬化する事によって可能になったのだが、今度は掌や甲が真っ黒に変色してしまった。


 しかもよく見ると小さなうろこがビッシリあって、何だか爬虫類の手みたいになっていたのだ。 何故だろう?


 だが性能は申し分なく、鉄のよろいだろうが何だろうがスパスパ切れる。 うん、イメージ通りだ。


 だから技の完成度を高めるべく、こうやって使い古されたよろいを装着した人形を練習台に使っているのだ。


 課題は集中力とスピード。 慣れれば集中力の方は何とかなって来ているのだが、如何いかんせんスピードが遅い。


 爪を伸ばそうとしてもジワジワって感じだし、咄嗟とっさの場合には使える気がしないんだよね。


 いくら魔力鎧を常時展開していて不意打ちは気にする必要が無いとは言え、急に切り付けたくなる時もあると思うのだ。


 えっ? 急に切り付けるとかキチガイみたいだって? いや、危ない人じゃないよ! ただ単に、不意打ちとかがしたいだけなんだ。


 そして敵に「なっ、何だと!」とか言われて、「私には近接戦闘が出来ないとでも思ったか? ふふふっ」とか言いたいんだよ。


「ママー、ニヤニヤしてて気持ち悪いのー」

「ぬをっ、ハトリ?」


 いかんいかん、顔に出ていたか。


「それでその技は何て名前なのー?」

「名前かぁ、考えていなかったな」


 どうしよう。 黒い爪だからブラッククローとかか? いやブラックネイルになるのか。 安直過ぎるかな?


 うーん、イメージとしては爪で敵をスパスパと切り捨てていって無双出来るようになりたいから、ダンシングネイル?


 何だかシックリ来ないな。


「どんな名前が良いと思う?」

「うーん、黒い爪だから黒爪こくそうなんてどうなのー?」

「黒爪かぁ…」


 アレ? 私達が話しているのって日本語だっけか? 何だか頭の中で変な翻訳にでもなっているのだろうか? まぁそんな事はどうでも良いや。


 それよりも難しい名前よりも安直な方が良いのだろうか? 私としてはもっと厨二ちゅうにっぽい方が好みなんだがなぁ。


 よし、血吸いの爪って事で――――――


「ブラッディネイルにしようと思う」

「ママ、黒歴史って知ってるのー?」

「うっさいわっ!」

「よしよしなのー」


 ちくせう、最近何だか私に対するハトリの視線が、残念な子を見るモノになりつつある気がする。 ふん、強く生きるんだっ!  ぐすん。


 今はそんな事より練習だ! よーし、この技をモノにして近接戦闘デビューをするんだっ!


 勿論、近接戦闘はダイエットだけじゃなくてちゃんとした理由もある。


 今回の侯爵邸襲撃には建物内での戦闘が予想されるのだが、私は魔術はCQB向きでは無いのだ。


 例えば簡単で低位力なファイヤーボールでさえ、屋内で使用するには威力が過剰だし延焼の恐れさえある。


 壁をぶち抜いても問題ないとも言えるのでレールガンなら使えそうだが、カービンじゃないのだから取り回しがとても悪い。 要するに大きすぎるのだ。


 本来なら拳銃やサブマシンガンみたいな物の魔術版が欲しいところだが、そう簡単に思い付くモノが無い。


 かと言って普通のナイフなんて幼女には大きすぎるし、何より握りが太すぎてマトモには持てない。


 そりゃぁ呪言があるので殺せる場合は多いのだが、魔道具などで対策を取られると色々と詰みそうだ。 まぁ、お金持ちだからね。 入手している可能性も考えておくべきだろう。


 そこで考えたのが、このブラッディネイルなのだが起動速度に問題があるのだ。


 逆に言えば金属鎧ですら切り裂けるブラッディネイルならば、高速で任意に発動出来さえすれば今後、大いに役に立つ事だろう。


「ブラッディネイル! 解除! ブラッディネイル! 解除! ブラッディネイル! 解除!」


 あっ、コツをつかんだかも。 手袋をはめるように装着すると、簡単に実現出来る。


 しかも、装着してからでも爪の長さが変更可能になったぜ。 やったぁ!


「ふっふっふっ、また最強に一歩近付いてしまった」

「ママの残念具合が増した気がするのー」

「おだまりっ!」

「小田マリ? 誰なのー?」

「そんなボケは嫌いだぁぁぁ~っ!」


 よし、コレで私は近接戦闘もイケる幼女として、世界に名を広める事になるだろう。 はーはっはっ!


「よぉ、ゴキゲンなところ申し訳ないんだが…」

「ん? なんだ、オヤジ?」

「人形代は全部で金貨10枚な」

「なっ、何だとぉ! いくら何でも高すぎるだろっ!」

「いくら破棄予定の中古だからって、金属鎧がいくらすると思っているんだよ」

「まかりまへんか?」

「ダメだな」


 くすん、痛い出費になったが、金額は侯爵邸で回収するとしよう。 待っていろよ、侯爵一族めっ!


「やっぱりただの強盗だと思うのー」

「うっさいわっ!」



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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