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第188話 世直し編 ~えっ? お茶ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「次はドコ行く?」

「小腹が空いたのー」

「じゃぁお茶でもしに行くか」

「行くのー」


 童女と茶屋へ向かう幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 相も変わらず街ゆく人に場所を聞き、茶屋へと向かう。 勿論もちろん、優しくお聞きしましたとも。


 この世界には喫茶店なんてものは存在せず、そこは全てが個室の談話室の様な場所だった。


 店員が用意したのはスコーンにジャムとティーポット、そしてカップ&ソーサーのセットだ。 気分的にはコーヒーが飲みたかったのだが残念ながら一般的ではないのだ。


 どうして異世界では、お茶といえば英国風になっているのだろうか? いや、スコットランド風といった方が正しいのか?


 個人的にはコーヒーとクッキーみたいなアメリカンな感じが好みなのだが、そもそもコーヒー豆すら見つかっていないっぽいので致し方ないのだろうか。


 原産地はアフリカのエチオピアだっけか? この世界にアフリカ大陸に似た場所が無かったのだろうか? 世界を旅する様になった場合には探してみるのも良いかも知れないな。


 ちなみにこの茶屋の利用料金なのだが、普通に金貨数枚分も必要である。 高けーなー、おい。


 まぁ一般的な飲み物がお酒だったりするので、紅茶なんて嗜好品しこうひん扱いなのだ。 衛生的にも生水は飲めないし、そもそもお茶の葉が輸入品だからね。


 日本でもお茶の葉が金と同じくらいに貴重な時代だってあったのだから、仕方が無いのかも知れないが。


 そう言えば私達ってハイソだよなぁ。 マトモな収入が無いのにお茶なんて飲んでいるのだから、いつかは破綻しちゃうんじゃないかな。


 今後の収入予定が貴族屋敷を襲撃して強奪する予定だなんて、普通に考えたら大悪党だよな。 かと言って生活レベルは落としたくないし。


 一般的な異世界小説なら魔物を狩ってお金を得るんだろうけど、実際問題猟師がそんなに稼げるかって話だしね。


 ぐぬぬ、これじゃぁ貴族専門のたかり専門になってしまいそうだな。 何とかせねば。


「ママー、難しい顔をしてないでお茶を楽しむのー」

「そっ、そうだな」


 まぁ、未来の事はその時の自分が何とかしてくれるだろう。 そう、未来の自分に丸投げである。


 スコーンを半分に切り、タップリのジャムで挟む。 うむ、甘い。 てか甘過ぎじゃね?


 ストレートティーで何とか口の中を中和して、さらに一口。 うん、大味だ。 未だに日本の味に未練があるのか、中々こちらの世界の味には慣れないな。


 イーストウッド領にいた時には、コックに色々注文していた事もあって日本人好みの味にしていたんだけどね。 これからは慣れていくしか無いらしい。


「甘くて美味しいのー」

「甘過ぎないか?」

「美味しいのー」

「さいですか…」


 この世界では甘さひかえめなんて言葉は通用しないらしい。 まぁ甘味自体が高級品だからね。 値段分は甘くなるのがデフォなんだろうよ。


 カロリーが高すぎるのか、私は晩ご飯が食べられるのか心配になるんだけど、ハトリは成長期なのか気にはならないみたいだ。


 いや、太ってないよっ! ぷよぷよしているだけだよっ!


「つんつん。 ぷよぷよなのー?」

「ぽっちゃりしているだけだからっ!」


 何だかハトリも、私が考えている事が判るっぽい。 そんなに判りやすいのだろうか?


「残りの分はハトリが食べてくれ」

「ママと違って、運動しているから余裕なのー」

「ぐふぁっ!」


 最近のハトリは辛辣になってきた気がする。 ふん、私は強く生きるんだ!


 でも、私も運動した方が良いのだろうか? これは近接戦闘を本気で考える時期が来たのかも知れないな。


 ハトリが残りのスコーンを消費して、残り少なくなった紅茶を胃袋に流し込む。 げふっ。 大人サイズは幼女には多すぎた様だ。


「そろそろ良い時間だし、武器屋に行ってハトリの剣を回収しないか?」

「予備の武器だと心許ないのー」

「んじゃぁ行くか」

「行くのー」


 部屋を出て、料金を払うために受付に行くと、そこには先客がいた。


「かっ、金を出せっ!」

「ひぃぃぃ~っ!」


 強盗だろうか? しかし茶屋に押し入るなんて珍しいな。


 料理ナイフっぽい物で受付嬢を脅しているのだが先端がプルプルしており、訓練された強盗ではない様だ。


「おっ、お前らもだっ!」


 あれれ、何だか巻き込まれたっぽいぞ。 どうやら客からもお金を巻き上げる算段みたいだな。


 よし、ここは私が近接戦闘の練習台に―――


「出したのー」


 そう言ってハトリはアイテムボックスから鉄製のバスターソードーを取り出して大上段に構えた。


「剣じゃねぇ! 金を出せっていってんだよっ!」

「問答無用なのー。 とーなのー」

「ぐぎゃっ!」


 哀れな盗賊は、切れ味の悪いバスターソードで脳天をかち割られて絶命した。 うをぉ、グロいな。


「やっぱり切れ味がイマイチなのー。 でも食後の運動にはなったのー」


 そこですか? ハトリさん。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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