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第186話 世直し編 ~えっ? デートですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「デート♪ デート♪ デートなのー♪」

「おっ、おぅ」

「楽しーのー!」


 罪悪感にさいなまれる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 私達は今、ヘルの魔の手から逃れるために買い物に出ている。 何だかハトリをだましている見たいで、少し心苦しいのだ。


 いや、悪いのは私なんだしハトリの要望は最大限で聞くつもりだよ。 ただね、幸せそうなハトリの顔を見ていると心がジクジク痛むのだ。


 そう言えば、ハトリと2人で買い物なんて初めてなんじゃないかな。 遠征で二人きりの旅はした事はあるけど、あの時は駆け足だったしね。


 こうしてユックリとした時間を過ごしていると、何だか妙な気分だ。


 ハトリの好きな物って何なんだろう? 思えば食の好みも趣味なんかも知らないんだよな。


 考えてみれば酷い親役だな。 一緒に遊んだことすら無いのだから。


 宿に帰った後の事を考えれば憂鬱ゆううつにもなるが、まぁ今日一日くらいはハトリのために使うとしよう。 頑張らないとな。


「何処に行こうか?」

「武器屋なのー」

「武器屋?」

「ママと一緒に選ぶのー」


 育て方を間違っただろうか? そりゃぁお洒落しゃれな小物屋とかデートにぴったりなカフェなんてものはこの世界には無いが、それにしても武器屋かー。


 せめて洋服が置いてある古着屋とかにして欲しかったな。


 あっ、ハトリの服って自前なんだっけか? そう言えば自分の糸で服とか作っていたんだっけか。


 しかも糸が良いのか、シルクみたいで下手な仕立て服よりも高級に見えるんだよな。 そりゃぁ服屋なんかに興味は無いか。


 道を歩く人に武器屋の場所を聞いて到着すると、そこはチョッと気難しいオヤジが経営する店舗だった。


「すみませーん」

「ここはガキが来る様な場所じゃねぇ。 帰んな」


 おうふ、いきなりの拒絶だぜ。 そりゃそうか、だって幼女と童女だし、どう見たって客には見えないよな。


 でもハトリは剣聖にだって勝つ腕前なんだぜ。 ちょっと牽制しておくかな。


「ハトリ、剣のメンテナンスはどうしているんだ?」

「全くしてないのー」

「だよな。 だったらぎに出してみないか? それでオヤジの腕前だって判るだろう」

「判ったのー」


 そう言うと、ハトリは剣聖から奪い取ったバスターソードをカウンターの上にアイテムボックスから出した。


 当然、オヤジは渋い顔だ。


「剣の研ぎくらいは出来るんだろうな?」

「当然だ。 だがナマクラは研いだってナマクラだぞ」

「剣の良さすら判らないのか? 大丈夫か? この店」

「そこまで言うなら見てやるよっ! ただしナマクラだった承知しないからなっ!」


 そう言ってオヤジはカウンターのバスターソードを手に取った。 あれれ? 顔色がよろしくないよ?


「おいお前、どうやってこの剣を手にいれた?」

「ハトリが剣聖と勝負して奪い取った」

「はぁ? このお嬢ちゃんがぁ?」


「ハトリが勝ったのー」


「マジかよ…」


「で、剣の研ぎくらいは出来るんだろうな?」


「おうよっ! バカにすんじゃねぇ! アダマンタイト製だからって、俺に掛かれば最高の状態に仕上げてやるぜっ!」


 えっ? アダマンタイト製だったの? そりゃぁ丈夫な剣だなぁとは思っていたけど。


「それで、どの位の時間が掛かるんだ?」

「2時間…、いや、3時間で仕上げてやるぜっ!」

「じゃぁそれで頼む。 終わる頃に受け取りにくるから作業を終わらせておいてくれ」


 前金で金貨一枚を支払い、私達は店を出た。


 うん、普通の剣じゃぁハトリの力に耐えきらないし、私は体格的にも使える武器が無かったんだよね。


 本音を言えば魔剣とかも見てみたかったんだけど、この世界の魔剣って微妙なんだよな。


 火力で言えば普通の魔術師並だし、私は勿論の事、ハトリにだって微妙な能力だ。 まぁ私もハトリも魔術師よりも強力な魔術が使えるからね。


 ハトリが魔術をあまり使わないのは魔力量が人間並だってのがあって、使える回数が少ないからだ。


 それに魔剣だって魔力が必要なのだから長期戦には向かないのだ。 いや、それ以前にハトリの力で振り回していたら壊れてしまいそうだし。


 体力とパワーが有り余っているハトリなら、継戦能力の関係から言っても今の戦い方がベストなのだろう。


 まぁ私の場合はアレだな。 魔術なら世界最高峰の人間よりも強力な魔術を放つ自身もあるし、その上呪言などの神としての能力もある。


 近接戦闘なら身体強化で力は補えるし防御力は魔力鎧で補えるのだが、如何いかんせん幼女用の武器なんて存在しないのだから自作以外に道は無いのだ。


 それに自作したトレンチナイフだって出番が無い状態なので、今更武器が必要なのかって言われると反論出来ないし。


 何か幼女が武器を使って戦うアニメってあったっけ? 幼女戦記? あれって銃じゃん。 こっちにはレールガンがあるんだぞ!


 昔の魔法少女みたいに大人になれって? 無理言うなし。


 まぁ何だ。 やっぱりスピード重視の下半身攻めくらいしか、今は思い付かないかな。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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