第18話 幼女自主練~えっ? チカチカするんですけど?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
場所はセーフエリア。 こんなに早く戻ってくるとは思いもしなかった。
要は準備不足だったって事だ。
まずは鷹の目の検証かな。
遠くの壁に目を向けてボンヤリ。
目に魔力を込め、身体強化と同じ様に眺めてみる。 うん、心なしかクリアになったカンジだ。
更にのそ状態で遠くを眺めてみる。 変化無し。
画像を拡大するイメージで魔力強化。 おっ、近くに見える。 手を伸ばせば壁に触れそう。 でも何でこんなに揺れているんだ? 地震か?
さらに拡大…って、酔う酔う酔う、酔ってしまう。 コレってアレか? 手ブレ補正的なヤツ。
人間は脳で手ブレ補正を行っているから、歩いたりした場合でもゲーム酔いの様な状態にはならないとか。 それどころか眼球の動きを調節して、目で捉えたモノは簡単には見失う事はないなんて話もあったな。
まあ、考えてみればそうか。 高解像度によるデジタルズームじゃないんだから、考えてみれば納得である。 ソフトウェア制御だけじゃ補正出来ないもんね。
ブースター付きダットサイトみたいに、10倍ズームまでに制限しておこう。
赤外線カメラは意外と単純だ。
可視光線の赤色の外側、周波数が低く波長が長い光線(電磁波)を可視光線へと変換するだけで良い。 要するに周波数変換だ。
尤も、見えない光を見えるように変換するので、変換後の光線を彩度の無いグレースケールに変換するか、そのグレースケールにカラーマッピングを行ったサーモグラフィーなどがある。
赤外線カメラの利点は透過性であり、煙や霧、靄などの中でもクリアな視点を得ることが出来る。 特に波長の長い遠赤外線は透過率が高く、障害物越しの対象を捉えられる場合がある。
また、赤外線は熱であるとも言えるので、熱を持つ人間、動物、自動車などを発見するのにも利用できる。
では早速目に魔力を込めて…、うん。 普通だ。 てか、セーフエリアには私以外いないし。
そして最後は移動目標の判別か。 考えられるのはドップラー・シフト・レーダーだけど、その名の通りドップラーシフトを利用した方法だ。
サイレンを鳴らした救急車の音が近付くと高くなり、遠のくと低くなる現象と同じだと思えば良い。
基本的には地上の移動目標を判別するのに使ったりするのだけれど、魔力探知で行うにしても必ず「波」である事が前提だ。
その波が対象から反射する時、近付けば圧縮されて波長が短くなり、遠のくと引き伸ばされて波長が長くなる。
ただしそのままでは判明するのは相対速度だけになるので、自分の移動速度から逆算して移動目標を検知する必要がある。 つまりはもの凄く計算する必要があるワケだ。
そうなると少し面倒なので、受信した反射をそのまま光りに変換して合成表示しようかと考えている。 つまりは赤方偏移みたいなモノだと思ってもらえば分かるだろうか?
移動速度も視覚的に判断出来そうだし。
よし、これで移動しながら見てみるかな。
「おうっ、青っぽいでちゅ!」
うむ。 成功だ。
そして次なるは光学迷彩。 うん、理論は簡単なんだ。
要は向こう側が透けて見えれば良いだけなので、向こう側の光を迂回させて表示させるか、CCDで撮影したものをディスプレイで表示させるだけでも問題は無い。
もちろん赤外線を透過させた場合は熱光学迷彩になるし、実現だけは簡単なんだ。
現代戦であまり重要視されないのは単純に近接戦闘が極端に減った結果かな。 通常迷彩でも十分だし。 尤も至近距離で視られる事が少なくなったとは言え、偵察ドローン関係で今後重要になる可能性もあるのだけれど。
だけど私の場合は十分近接戦闘はありえるし、臭いの問題は風魔法で何とかなりそうなので実装する気はマンマンである。
しかし、計算量は省略したいな。 とするとプリズムを用いた方が簡単か? 下手に重力で光を曲げたら此方からも見えなくなるワケだし。
となると水魔術かな。 向こう側の光は光ファイバーで簡単に誘導できるし。
うむ。 もしかして私は天才か? 光ファイバーなら双方向だし、全方位ステルスが完成しそうだぞ。
わはははっ、減衰しそうなら増幅すれば良いだけだし、簡単に実装出来そうだぞ。
では半球状に水幕を広げて…と、後は光ファイバーの様に反対側に光が流れるように調整して…と。
ふふふふふっ、はははははっ、はーはっは。
こんな短時間で実現出来てしまうとは、私、超天才!
しかし確認しようがないのはネックだな。 まあ、やりたくは無いけど実証実験は必要かな。
最後は運動神経とバランス感覚に強化だな。
土魔法で障害物を作ってっと、ついでに鉄の補給もしておこう。
さてと、最初はスラローム走行からだな。
うん、難しいけど練習していけば何とかなるかな。
次はいよいよあの技に挑戦! そう日本が誇るスラローム射撃だ。
「ちゃん連レールガトリングガン展開、ファイア!」
んん? んんん? うぉぉぉぉぉ~っ。 め~が~ま~わ~る~。
くっ、流石に無理があったか。
まああの10トン近くあるA-10ですら射った瞬間から減速してしまうくらいだからな。 30ミリガトリングガンをポッド化して装備したF-16がブレブレで射てなかった程だし。
体重が15キロにも満たない私には荷が重かったか。 考えてみればそうだよな、スラローム射撃が出来る戦車って日本の10式だけだし、反動が大きいのは仕方が無いか。 ちくせう。
まあ良い。 戦車だって止まって射つのが基本なんだからココは我慢するか。
はぁ、中々上手くいかないな。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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