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第176話 旅立ち編 ~えっ? 回想ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「なぁ、今更なんだがあの時どうやって逃れたんだ?」

「本当に今更ですぅ」


 死神に爆発からの脱出方法を訊く幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 今更ながらに『暗闇くらやみの魔女』が自爆した時に、どうやってヘル達が逃れたのかを知りたくなった。 いや、ちょっと暇だったんだよ。


 侯爵家が襲ってくるのは確実だとしても、しばらく時間が掛かるからね。 その間は私達は暇なんだ。 準備なんてあって無い様なモノだし。


「『暗闇』が自爆すると判った時にぃ、取り敢えずミーティアの回収に向かったんですぅ」

「そんな時間があったか?」

「ベイナ様と違ってぇ、私はミーティアの居場所を把握していたのでぇ、簡単でしたぁ」

「ぐふぉっ! うっ、なんてダメージだっ!」

「それで寝ているミーティアを回収した後に転移しようとしたんですけどぉ、爆発と同時だったためにぃ、ランダム転移になりましてぇ」

「無茶な事をしたんだな」

「気が付いたら海の上でしたぁ」


 そうか、この世界でも陸地と海なら後者の方が広いだろうから、そうなるのは必然かも知れないな。


「それでどうしたんだ?」

「流石に場所が判らなかったのでぇ、取りえず高度を取って陸地を目指しましたぁ」

「考えたな。 高度にもよるが、高高度なら何かしらの大陸が見える可能性は高くなるな」


 転移ってのは非常に便利な魔術なのだが欠点もある。 それは転移先の場所や自分の居場所が判らなければ発動しない事だ。


 要するに転移ってのはA地点からB地点に移動する魔術なので、両地点の場所の把握が必要になるのだ。


 例外的な方法としては、目視による短距離転移などがあるが、コチラは相対位置転移とも呼べる方法で飛行魔術の時間省略的な意味しか無い。


「それで何とか陸地に到着したんですけどぉ、全く知らない場所でぇ、右往左往しましたぁ」

「なる程な、それで動き回っているウチに知っている場所にでも辿たどり着いたか」

「昔に世界中を旅していたのがぁ、役に立ちましたぁ」


 そっか、世界中を旅していた時期があるのか。 今回の一件が片付いたら旅にでも誘おうかと思っていたんだが、旅にはきているのかも知れないな。


「なぁ、今回の諸々が片付いたなら旅に出ようかと思っているんだ」

「私はぁ、絶対について行きますぅ」

「その…どこかに安住したいんじゃないのか?」

「そうですねぇ、夢があるんですぅ。 海のほとりにある白い家で犬とか飼ってぇ、一緒に住むのも良いかも知れないですぅ」

「おっ、おう。 何だか乙女チックな望みなんだな」

「それでぇ、海の見える部屋で昼の潮騒しおさいを聞きながらぁ」

「スローライフってやつだな」

「窓を全開にしてぇ」

「お茶でも楽しむとか?」

「ベイナ様とエロい事をしながらあえぎ声を挙げたいですぅ」

「痴女だったっ!」


 てか昼間からさかるのが夢なかよっ! それに私も付き合わされるのか?


「スローライフなら付き合うのは嫌じゃないんだが、まぁ何だ。 一緒に旅に出るって事で良いんだな」

「エローライフになる事は確定なんですけどぉ、一緒に旅に出たいですぅ」

「そうか、私としては農業とかしてみようと思っているんだが、希望する場所とかあるか? 南の方とか北の方とか」

「農業の事を舐めすぎですぅ。 ベイナ様に規則正しい生活とか無理だと思いますぅ」

「いや、やってみないと判らないだろ? 意外と適正があるかも知れないしさ」

「脱サラで田舎で農業を志すよりも甘々ですぅ。 それよりもただれた生活の方が似合いますぅ」

「お前の中の私ってそんなイメージなのかよっ!」


 いやまぁ、確かにこの世界にはトラクターなんて無いし、ろくな肥料も無いから簡単だとは思っていないけどさ、頭ごなしに否定する事も無いじゃん。


 そりゃぁ、幼女が農具とか振り回せるとは思っていないけど、少しくらいは夢見たって良いじゃないか。


 心が疲れたからスローライフを妄想してるだけだし、定番として農業とかが頭に浮かんできただけなんだ。


「それじゃぁベイナ様はぁ、年貢ねんぐを収めろとか言ってくる奴が来た場合はどうするんですかぁ?」

「そりゃぁ…殺す?」

「農民の考えじゃないですぅ」

「いや、だって勝手にやってきて上前をはねるとかって許せるワケないだろ?」

「貴族の為に戦って死ねって言われたら?」

「その貴族を根絶やしにする?」

「平民は黙って従えって言われたら?」

「取り敢えず殴って黙らせる?」

「反逆だぁとか言われて、兵士が大勢攻めてきたら?」

「生まれてきた事を後悔させる」

「絶対にベイナ様はぁ、農民にはなれないですぅ」

「うぐっ!」


 うん、知ってた。 少なくもこの世界の農民にはなれないだろうって。


 でもね、やってみて思ったケド、貴族ってのも何だか違うと思っているんだ。


「ズバリぃ、ベイナ様はぁ、社会不適合者ですぅ」

「そんな気がしていたんだぁぁぁ~っ!」


 どうしろって言うんだよっ! 金塊とかたくわえとかあるからしばらくは旅費にも生活費にも困らないけど、ずっとは続けられないぞ。


「そんな時はぁ、みつがせれば良いのですぅ」

「ん? どゆこと?」

「例えばお金がありそうな城とかに出向いて行ってぇ、ショバ代寄越(よこ)せとか言うのはどうでしょうかぁ?」

「随分とスケールが大きいなっ!」

「出来ると思いますよぉ」

「いや、可能だろうケドさ」

「じゃぁ真面目まじめに働くんですかぁ?」

「両極端だなっ!」


 いや、ほらあるじゃん。 不労所得的な何かとか。


「ニートの考えですぅ」


 しかし考えてみると、私ってば本当に社会不適合者な感じがしてきたぞ。


 いやいや、きっと私にも出来る仕事があるハズだ。 一層のことトレジャーハンターなんてどうだろうか?


「盗賊の方が似合ってますぅ」

「ソンナー」



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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