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第174話 旅立ち編 ~えっ? 侯爵家ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「マジックスキャン」

「ぎょばぇぇぇ~っ!」


 侯爵家次男の頭をのぞく幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 うん、コイツはクズだ。 一片の曇りもないクズだ。


 レイクフォレストに関する言い掛かりもそうなのだが、これまでも同様の恐喝を繰り返し行っていたみたいだな。


 ついでに腰巾着どもの頭も覗いてみたのだが、コイツ等は何時も連んで同じような事をやっていたのだ。 救いようが無い。


「コイツ等は公開処刑にでもした方が良いみたいだな。 ジアンヌ嬢、準備を頼む」

「良いんですか? そんな事をして」


「そうだぞっ! 僕を処刑なんてしたら、侯爵家と戦争になるぞ」


「お前は黙っていろ! げしげし」


「ぐふぉっ!」


 思わず身体強化を行って蹴りを入れてしまったが、私は悪くないと思う。 だって見ているだけで凄くイラつくんだもの。


「もしも侯爵家が攻め入って来る様なら、その時は責任を持って軍団を殲滅せんめつするし、侯爵家を根絶やしにする事も約束しよう。 だから何も問題は無いのだ」

よろしいのでしょうか?」

「我々神が許すのだから、どうせなら喧嘩を吹っ掛けるくらいの処刑イベントを行おう」

「はぁ…」


「まっ、待て! 脅しじゃないんだぞ! 本当に戦争になるんだぞ!」

むしろ攻め入って来いって誘ってんだよ。 態々《わざわざ》出向く手間が省けるからな」

「そんな事をすれば、皇帝が黙っていないぞっ!」

「皇帝なら直接出向いて脅しておいたから大丈夫だ。 どうやら私達には関わりあいたくないみたいだったぞ。 良かったな。 確実に見捨てられるぞ」

「嘘だぁぁぁ~っ!」

「まぁそれも、大々的に宣伝してお前を処刑すればハッキリする事だ。 今なら特別に、苦しんで死ねる胴切どうぎりで勘弁してやろう」

「嫌だぁぁぁ~っ!」

「うるさいっ! げしげし」


 侯爵家の権力が通用しなくなった途端にコレか。 まぁ今まで散々好き勝手してきたみたいだから、精々苦しみ抜いて死んでもらうとしよう。


「あっ、そうそう。 ジアンヌ嬢、会場の設置や警備には『傀儡くぐつ』を使ってみる事だ。 手間と経費の削減になるハズだ」

かしこまりました、そのように致します。 それでいつ頃が宜しいですか?」

「そうだな、事前に宣伝などをしておいて、処刑は一週間後でどうだろう? その方が連中も会場の襲撃計画も立てやすいだろうし、『傀儡』の性能テストも出来るだろ? なに、もしも『傀儡』が役に立たなかった場合には我々が処理するから大船に乗ったつもりで進めて欲しい」


『傀儡』のゴーレムがどの程度動けるのかを知るには良い機会だし、ヘルとハトリの監視網を構築しておけば、万が一も無いだろう。


 ◇


 準備期間の一週間は瞬く間に経過していった。


 その間に侯爵次男の救出隊と思われる者たちの襲撃があったのだが、『傀儡』のゴーレムだけで問題なく排除出来た。


 こういった時にはゴーレムって便利だな。 睡眠の必要が無いから、夜間の襲撃でも問題なく対処出来ていたみたいだし。


 むしろイビキをかいて寝ている『傀儡の魔女』に、思わず蹴りを入れてしまったくらいだ。 自律可動出来るゴーレムは優秀なのだが、術者のポンコツ具合が目立ってしまったのは冗談だと思いたい。


 てな事で、ここは処刑会場。 私とハトリ、ヘルはノリノリで盛り上げ役を買って出ている。


「みんなノッてるかい?」

「おーなのー」


「おー」


「何だがノリが悪い様なのでもう一度。 みんなぁノッてるかい?」

「おーなのー!」


「おおおおーっ!」


「今日、処刑するのはこの一行、侯爵家次男とその腰巾着貴族どもだぁー!」

「貴族どもなのー!」


「殺せぇぇぇ~っ!」


「何だかみんなもノッてきたみたいだね。 このカスどもは、無理難題で金品を巻き上げたり、街中で女を襲うゴミクズだぁぁぁ!」

「処刑なのー!」


「ぶち殺せぇぇぇ~っ!」


「そんなみんなに朗報だぁ! なんと処刑方法は、ノコギリを用いた胴切だぁぁぁ!」

「苦しむのー!」


「殺せっ! 殺せっ! 殺せっ!」


 観衆もノリノリになってきたみたいだな。 特に貴族の処刑はストレス発散になるらしく、このイベントには目をキラキラさせながら見ている者も多いのだ。


 まぁね。 心理実験でごく普通の一般市民でも「責任は全て取る」と宣言しておけば、約七割は電気椅子に致死レベルの電流を流したって結果が出ているくらいだ。


 処刑イベント反対なのは多くても三割と言ったところだろう。


「受刑者を処刑台へ」


「やめろぉぉぉ~っ! 僕は侯爵家次男なんだぞっ! こんなところで死んで良い存在じゃぁないんだぁぁぁっ!」


 この期に及んでも侯爵家なんて文言が意味があるとでも思っているのか、往生際が悪い。 ま、助けは来ないんだけどね。


 実は救出作戦を企てていた連中がいたのだが、ヘルの眷属けんぞくであるねずみに発見され処分されている。 こっちの情報収集能力は伊達じゃぁないんだよ。


 そしてそんな私達の行動をそばで見ていたジアンヌ嬢は、今ではすっかりやる気になっているみたいだ。 勿論彼女の部下達もね。


 だから、今更侯爵家次男なんて言葉にひるむ奴はいないし、むしろ今までの憂さを晴らすかの様に受刑者が騒ぐと鉄拳制裁を加えたりしているのだ。


 私としては、そんな哀れなに受刑者に優しい言葉でも掛けてあげるとしよう。


「苦しんで死ね」

「嫌だぁぁぁぁぁぁぁぁ~っ!」


 なんだか楽しい処刑になりそうだ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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