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第173話 旅立ち編 ~えっ? 土下座ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「幼女神様、お久しぶりで御座います」

「ジアンヌ嬢、久しぶりだな」


 領主に土下座される幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 てか、この世界にもあったんだな、土下座。


 しかしどうしてジアンヌ嬢はこんなに恐縮しているのだろうか? 別に脅したりした記憶は無いんだけどな。


「立ち上がってくれ。 そのままじゃぁ、話し難い」

「不敬があっても、神罰とか落としませんか?」

「落とさないからっ!」


 何とかなだめて立ち上がって貰ったんだけど、もの凄くビクビクしている。 敵じゃないぞー、怖くないぞー。


「用向きがあって訪れたのだが、何やら追い込まれているようだな」

私事わたくしごとでありますので、先に主様のご用向きに掛からせて頂きます」

「まぁ待て。 そんなジアンヌ嬢に手土産を渡したいのだが、受け取ってくれるだろうか?」

「はい、主様から下肢して頂ける物なら、例え糞尿でも喜んでお受け致します」

「そこまでバッチイ物じゃないよ」


 うーむ、私は糞尿をプレゼントする趣味があるとでも思われているのか? まぁバッチイかも知れないが。


「ジアンヌ嬢には私の奴隷を譲り渡したいと思う」

「奴隷ですか…。 あっ、いえ。 主様から頂ける物でしたら、喜んでお受け致します」

「まぁそう警戒するな、そこそこ使えるハズだ。 おい、『傀儡くぐつ』」


「ん? 僕に用があるのか?」


「お前は今日からジアンヌ嬢の物になって貰う。 ジアンヌ嬢、コイツは『傀儡』と呼ばれていた魔女で、ゴーレムを同時に複数操る能力がある」

「ゴーレムですか?」

「そうだ。 土木工事や戦闘にも使えるから、役に立つ事もあるだろう」


 そう言って、『傀儡』の所有権を私からジアンヌ嬢に書き換える。 勿論返品は受け付けない。


 実はこの『傀儡』、人に教えるのが滅茶苦茶下手だった。 「がぁー」とか「ごー」とかやたらと擬音が多く要領を得ない。 しかも傀儡魔術に関する情報がアカシック先生にもあった為にコイツの存在意義が無くなってしまったのだ。


 要するに傀儡魔術の勉強なら自習の方がはかどりそうって事だな。 その上戦闘能力だって微妙なのでいつかは処分でもしようかと思っていたのだ。


 だがジアンヌ嬢なら戦力としても有効活用出来そうだし、一応魔女なので人間などと比べれば戦闘能力は高い部類ぶるいに入る様なのだ。 雑魚ざこなのに。


 そこでこの魔女の廃棄処分…げふんげふん…有効活用の先としてジアンヌ嬢に与える事にしたのだ。


 そんな事をオブラートに包んだり言い包めたりしまがらジアンヌ嬢に説明すると、感激した彼女は再び土下座をしながらお礼を言ってきた。


「主様に頂いたこの奴隷、必ずや有効活用してみせます!」


「僕は優秀なんだぞー。 えっへん!」


 調子に乗った魔女は、数発殴っておいた。


 そして奴隷の譲渡が恙なく完了した私達は、離れから本館へと移動する事にした。


「もうそろそろ本館の制圧は完了している事だと思う」

「中にいたイビリ様たちはどうなっているのでしょうか?」

「生きて拘束されていると思うぞ、多分」

「多分ですか…」

「まぁ死んでいたらその時はその時だ。 なんなら後で連中の実家を襲撃して黙らせれば済む事だしな」

「お手数をお掛け致します」


 何やらジアンヌ嬢は穏便に済ませたかったみたいだが、私は面倒なのは嫌なんだよ。 滅ぼしてしまった方が後腐れも無いし。


 てな事で本館に入ると、そこは地獄絵図だった。


 両断された兵士の死体がゴロゴロ、すみでは頭を抱えて震えているメイドがチラホラ、そしてホールでは何故か亀甲縛りで吊るされている貴族風の男たち。


「こんな事をして許されると思っているのかっ! 僕はこれでも侯爵家の次男なんだぞっ! お前ら全員、縛り首にしてやるっ!」

「女王様と呼ぶのー! ぺしぺし」

「ぎゃっ! 痛ぁっ! おいお前ぇ、やめろっ!」

「お前じゃなくて女王様なのー! ぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺしぺし」

「ぎょわぁぁぁ~っ! ブヒぃぃぃ~っ!」


 蜘蛛くもの糸を編み込んだ自作のむちで侯爵家の次男を調教する少女、うん、カオスだ。 どうしよう。


 どうやら一般の兵士や護衛程度ではハトリの敵ではなかったらしく、時間が余ったみたいだ。 だからって、侯爵家の次男を調教するのはどうなん? そんなの調教したって使い道なんて無いとおもうぞ。


 まぁブヒブヒ言う次男を送り返すのは嫌がらせとしては最高かも知れないが。


 しかし状況だけ見ると、注文通りだ。 ここはめておくべきだろう。


「ご苦労だったな、ハトリ」

「ママなのー。 ハトリは頑張ったのー」

「おおぅ、えらいぞハトリ」

「わーいなのー」


 私は男を調教する趣味は無いので、吊るされている男たちを地面に下ろして貰う。


「ハトリ、拘束はそのままで、そいつらを尋問したいので下ろしてくれ」

「ママは調教しないのー?」

「うん、また今度な」


 勿論丁寧(ていねい)に下ろすなんて事はせず、吊るしている糸を切る感じだ。


「ぐぺっ!」「げぼっ!」「うぎゃっ!」「ぎょぽっ!」


 さて、この連中の処分をどうすべきなのだろうか? 生かして帰すつもりは無いが、処刑して終わりにするか、それとも侯爵家諸共(もろとも)滅ぼしてしまうか。


 まぁ、現況確認の為にも頭の中を覗いてから考えた方がよさそうだな。


 私としては、ストレス発散もかねて大暴れしたいのだが。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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