第172話 旅立ち編 ~えっ? レイクフォレストですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「ベイナ様ぁ、もうすぐですよぉ」
「ああ、降下を始めるぞ」
隣町のレイクフォレストに空路で向かう幼女、ハイガンベイナ6歳です。
メンバーは、私とヘル、ハトリにミーティア、そしてオマケとしての『傀儡の魔女』だ。
目的はまぁ、イーストウッドが管理していた領土を全て、レイクフォレストの領主であるジアンヌ・オルレアン嬢に譲渡する為だ。
もはやレイクフォレストの領地運営なんて出来ないからね、良い機会だと思ったんだよ。
ジアンヌ嬢はちゃんとした領主っぽいから、レイクフォレストもキチンと管理してくれるんじゃないかな。 どんな手続きが必要なのかも知らないけど。
そう言えば、イーストウッドは独立領だけどレイクフォレストは帝国から独立していたんだっけか? その辺もウォルター任せだったからよく知らないんだよね。
私には領地運営なんて向いていなかったのかも知れないな。 結局私が担っていた部分って軍部だけだった気がするし。
うん、もうイーストウッドの事は忘れよう。 今は少し忘れたい気分でもあるし。
そんな事を考えながら、領主邸の庭に着陸する。
あっ、イキナリ来たら警戒されるかとも思っていたんだけど、執事っぽいのとか使用人っぽいのとかが駆け寄ってきて跪かれちゃったよ。
「ようこそいらっしゃいました。 我が主」
「おっ、おう。 出迎えご苦労」
何だかもの凄く恐れられているみたいだ。 何かしたっけな?
「ジアンヌ・オルレアン嬢はいるか?」
「今は…、いや、すぐに連れて参ります」
「忙しいなら後にするが?」
「いえ、主様のご用向きに比べれば全ては些事に御座います。 ジアンヌ様も火刑にされている最中でも駆けつける事でしょう」
えっ? 何だか怖いよ。 てか火刑にされる事でもしたのかな?
「それよりも少し休憩したいんだけど、部屋に案内して貰えないかな?」
「屋敷は今…、いえ、主様の休息を邪魔する愚物どもは、我が命に替えても討ち果たしてご覧にいれましょうぞ」
「ホントに何があったの?」
どうやらジアンヌ・オルレアン嬢もこの屋敷も取り込み中だったみたいだ。 一応手助けしようかとも思ったんだけど、内容を話して貰えない事にはどうしようもないんだよね。
「何かあったのなら手伝うよ? 軍事力しかないケド」
「いえ、主様のお手を煩わせる程では…」
「いいから吐け」
「はい」
内容を訊くと貴族関係のトラブルみたいだった。
帝国はレイクフォレストと私の関係を知ると、独立を猛プッシュしてきたらしい。 要するに私とは関わりたくないって事だな。
そしてジアンヌ嬢は私と帝国との間に起こった戦争の話を聞いて独立を決意したんだとか。 まぁ、厄介払いに合意したって事だ。
そしてそのまま独立へ向かうかと思われたレイクフォレストなのだが、幾つかの貴族家が独立を認める代わりに金品を要求してきたのだとか。
本来であれば独立は皇帝が認めている事であり貴族家には何の権利も無いのだが、流通を妨害するなどしてレイクフォレストを追い込んだらしい。
しかもそれにレイクフォレスト奪還時に利益を得る予定だった貴族連合が吹っ掛けてきて、孤軍奮闘状態。
全てを毟り取る気マンマンの貴族連合を相手に結構追い詰められいるらしい。
面倒だな、最近ストレスも溜まっている事だし、ぶっコロコロとかしたらダメなんだろうか? そう言う事なら大得意なんだが。
「なぁ、執事君。 今、この屋敷に乗り込んで来ているのは、どこの豚なんだ?」
「…侯爵家次男のイビリ・チラカスーゼ様、他数名です」
「ジアンヌちゃんが、対応している感じ?」
「いえ、ジアンヌ様は軟禁状態でございます」
うん、取り敢えず豚共の屠殺方法なんかはジアンヌを開放してから考えるとしよう。 何と言ってもイーストウッドの事を頼みにきた立場だからね。 ジアンヌちゃんの不利になる様な事をするつもりはない。
何なら喧嘩を売ってきた貴族連中は根絶やしにしたって良いワケだから、遠慮する必要はないだろう。
「ハトリさんや、懲らしめてやりなさい」
「懲らしめるってどうするのー」
「取り敢えず豪華な服を着ているは拘束で、メイドや使用人は無視、それ以外の連中は皆殺しで頼めるかな?」
「判ったのー。 行ってくるのー」
「宜しくね」
ハトリに豪華な服とか言っちゃけど、判別出来るのだろうか? まぁ良いか、そん時はそん時で。
「さぁ、私達もジアンヌ嬢の開放に行くとしよう。 執事君、軟禁場所への案内を頼む」
「あのぉ…、ハトリ様でしたっけ。 大丈夫なのでしょうか?」
「何が?」
「いえ、イビリ様の護衛には手練も含まれておりまして…」
「あれ? レイクフォレスト奪還時に見ていなかったの? 護衛程度じゃぁ、ハトリの相手にはならないよ」
「私は裏方でしたので」
「ふーん、まぁ心配いらないよ」
「左様で御座いますか」
「だから案内してくれる?」
「畏まりました。 こちらで御座います」
そうして私達は離れの建物へと向かった。
建物の前には護衛が2人、思ったよりも厳重なんだな。
「何者だっ!」
「殺して良いかな?」
「問題無いかと」
「そっか。 じゃぁ【死ね】」
「「うぐっ!」」
さてさて、ジアンヌ嬢とは久しぶりだけど、何から話そうかな。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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