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第166話 魔女闘争編 ~えっ? 自爆ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「お前が『暗闇くらやみの魔女』か?」

「そう言うお前は誰なんじゃ?」

「魔王と呼ばれているハイガンベイナだ」


 魔女と邂逅かいこうする幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 あれから私達は門までおもむき、『暗闇の魔女』と対面した。 見た目は無害な老婆であり、少し肩透かしを喰らった印象だ。


 とは言えコイツは面会出来ないと住民を呪い殺すとまで言ったのだ。 油断すべきでは無いだろう。


「館まで連行する。 大人しくついて来てもらおう」

「やれやれ。 こんなババに茶を出すいたわりの気持ちすら無いのかねぇ。 全く最近の若い者は」

「つべこべ言わずについてこい」


 本来であれば街の中に入れない方が良いのかも知れないが、門番の通常業務が止まってしまっている状態であり仕方無く館まで移動させる事にしたのだ。


 当然の事だが館にも牢屋はあるし、警備兵だって存在する。 しかも取調室までもあるのだ。 まあ何かが起こった場合でも対処出来るであろうとの目論見もくろみがあってこそだと言える。


 移動に関しては私が先導し、ハトリはバスターソードを手に持った状態で後ろから付いてきている。 何かあった場合は、後ろから魔女を斬り殺せと命じてあるし、イキナリ魔法を使って攻撃してくるバカでない事を祈っている。 ちなみにヘルは監視役で魔女の横を歩いている状態だ。


「ババを負ぶって歩いてもバチは当たらないと思うがねぇ」

「黙って歩け」


 余り好ましい状況じゃないな。 心理的に優位に立たれている気がしてどうにも落ち着かない。


 別に老人を甚振いたぶる趣味は無いのだが、一発殴っていた方が良いのだろうか?


 しかし何なんだろうね、この余裕は。


 時に老人は老い先が短い事もあって、態度がデカい場合がある。 まあ最悪でも死ぬ程度の事であり、死期がほんの少し早まる程度と考える連中がいるからだ。


 やり辛いな。 そんな精神構造をしている連中には脅しが通用しないのだ。


 まさか世間話をするために訪れたなんて事は無いだろうから、話を聞かないで追い返す事も出来ないし。


 それにマジックスキャンは記憶を見ることが出来ても考えている事までは判らないのも苦しいところだ。


 地道に話をするしかないか。 苦手なんだよなぁ、そう言うの。


 館までは問題なく到着し、取調室へと直行する。 意外だな、素直すなおに付いてきやがる。


 そして部屋に着いてから椅子に座らせ、早速取調べを行った。


「で、何しに来たんだ?」

「そうさのぉ、まぁ何じゃ。 話題沸騰の魔王の顔でも拝んでおこうかと思ったのじゃ」

「それで感想は?」

「ガキじゃな」

「ババァ、手前いい加減にしろよ」

「気の短いガキじゃな」


 もうっちゃたらダメかな? 一々神経を逆撫さかなでしてくるのが鬱陶うっとうしい。 時間稼ぎか? 何の?


 今ここで魔術や魔法を使っても、恐らくハトリが首を飛ばす方が早いし、攻撃してくるなら堂々と姿を表すのは不自然だ。


 そもそも動けるタイプには見えないから、格闘戦に発展する可能性も低いだろう。


 考えられるのは意識を自分に向けておいて他所で何かをするパターンなのだろうが、その場合だと協力者が必要不可欠だ。


 もしかしたら『天空』や『傀儡くぐつ』も来ているのだろうか?


「なぁ、ハトリ、ヘル。 街に不審な人物は見当たらないか?」

蜘蛛くもたちは見つけてないのー」

「空からもぉ、それらしい人物は見当たらないのですぅ」


 時間稼ぎで一番ありそうな展開だと、時間が掛かる呪術なんかが仕組まれている場合なんだろうけど、私やヘルに隠れてそんな事が出来るのだろうか?


 私だって魔力の流れやよどみ程度なら結構な確率で感知出来るし、ヘルだって別に不得意と言うワケじゃない。


 面倒だな。 直接頭の中をのぞいて記憶から推測した方が早いだろうか?


「ハトリ、そのババァを取り押さえてくれ。 直接記憶を覗く」

「判ったのー」


「ほっほっほっ。 若いのは短気でいかんのぅ。 それでは正解じゃ。 サクリファイス・エクスプロージョン!」


「なっ!」


 ババァの体が光りだし、咄嗟とっさにハトリの手を掴んで転移を行う。 悪いヘル、自力で逃げてくれ。


 私達が上空に転移で逃れると、次の瞬間屋敷が端微塵ぱみじんに吹き飛んだ。 あのババァ、自爆しやがった。


 ヘルはどうなった? ミーティアは?


 いや、それ以外にもウォルターや料理長のおっさんとか、あの屋敷にいた連中はどうなった?


 屋敷の破片が四方八方に吹き飛び、周囲にもそれなりの被害が出た様だ。 クソがっ! あのババァ、魔力を隠匿しながら貯めて、自爆のタイミングを図っていやがったんだ。


 運が良ければ、この私を巻き添えにするつもりだったのか? いくら老い先が短いからって自爆するかぁ? これだから年寄りは始末に負えない。


「ママ、屋敷にいた蜘蛛たちの声が聞こえないの」

「そうか…」


 単純な爆発ではなく、何か殺意の強い術式でも組み込まれていたのだろうか? そうでなければ、軽い蜘蛛たちが全滅したのは不自然だ。


 爆発しただけなら、軽い昆虫などは吹き飛ばされるだけで生き残る可能性もあるからな。


 単純に魔法障壁と魔力鎧まりょくよろいに頼っていたら、危なかったのかも知れないな。 特に魔術の耐性が低いハトリが巻き込まれた場合は絶望的だったのかも知れない。


 生き残っている可能性があるのは、ヘルとミーティアくらいだろうか?


 くそっ、大失態だ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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