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第165話 青海の魔女編 ~えっ? 托卵ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「お嬢様、次の書類です」

「了解した。 早速作業に取り掛かる」


 例のごとく書類作業をする幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 私達は魔女の討伐から帰って来て、それぞれの日常に戻った。 当然は私は書類仕事だ。 そしてウォルターは監視役を率先してやっている。


「助けてくださぁ~い」


 ふと目を向けると、そこにはメス豚が蜘蛛くもたちに拘束されて卵を産み付けられていた。 托卵たくらんかな?


「お嬢様、よろしいのですか?」

「構わんだろ、実害は無い」

「…そうですな、それではこの書類についてですが…」


「待てやこらぁぁぁ~っ!」


「何か問題でも?」

「手短にお願い致しますぞ」


「鬼かっ! この状況を見てみろっ! 今まさに卵を産み付けられている状態なんだぞっ!」


「仲良くなれて良かったじゃないか」

「ですな」


「この後、私はどうなると思う?」


「多くの子蜘蛛たちに慕われる? モテモテじゃないか」


「違ぁぁぁ~う!」


 何が問題なのだろう? もしかしたら卵か孵った暁には餌になるかも知れないが、まぁその程度だ。 魔女はシブトイって言うし、問題点が見つからないな。


 少し魚介類の入手に手間取るくらいだろうか?


 それにもう変態枠は埋まってしまっているのだよ。 新しいマゾヒストなんていらないんだ。


「それでどうして欲しいんだ?」

「助けろよっ!」

「お前自分のカースト順位を理解している? ハッキリ言って最低辺だぞ」

「私は蜘蛛以下なのか? これでも『青海』を呼ばれた魔女なんだぞっ!」


「蜘蛛さんたちや。 そこにいるメス豚はお前たちの下なんて平御免ぴらごめんだって言ってるぞ。 少し教育してやりなさい」


 蜘蛛たちは私の言葉と理解した様に右手(前足?)を上げて返事をし、次々へとメス豚に飛び掛って行った。


「うぎゃぁぁぁ~っ! 蜘蛛にまれたぁぁぁ~っ! ってあれ? 体が動かない? ぎょえぇぇぇ~っ! 麻痺毒とか勘弁かんべんしてぇぇぇ~っ!」


 これが現場教育と言う物だろうか? まぁ私達には教育スキルなんて無かったからな。 解決して一安心である。


 後に残る問題としては行方不明の魔女たちの事だろうか。 マジで何処に隠れているんだ?


 情報化社会ではないし、顔写真すら存在しない。 どうやって見つけろって話だよ。


 しかも判っているのは『暗闇』とか『天空』とかの称号と各種能力くらいだ。 しかもこちらに対して襲撃を予定しているんだろ? テロリストじゃねーか。


 居場所が判れば突入して皆殺しにするんだけどね。 中々上手くは行かないものだ。


「おーい、メス豚ぁ。 何か思い出した事はねーのか?」


 ん? 何だかメス豚は、魚介類を差し出して蜘蛛たちに土下座していた。 やっぱり卵を産み付けられる事には耐えられなかったみたいだ。


 あっ、海産物みたいな腐る物はNGだったみたいでリンチにされている。 何処まで落ちるんだか。


 しかしコイツは私に勝てるつもりで勝負を挑んできたんだよな。 どこに勝算があったのだろうか?


「お嬢様、手が止まっておりますぞ。 サボるなら書類を追加致しましょうか?」

「ウォルター、私が悪かったからこれ以上仕事を増やさないでくれっ!」


 油断も隙も無いな。 コイツは私を過労死に追い込みたいのだろうか?


 いや、仕事に集中できない私にも問題があるのかも知れないが、どうして私だけがペナルティーを負っているのだろうか?


 だってヘルなんてちょこちょこ私の下を訪れてはチョッカイを出しては去っていくのを繰り替えしているんだ。


 まぁハトリは子供だから遊んでいるのには文句は無いケド、ヘルなんて隙あらば匂いを嗅ぎに来るんだぜ。


「ふぅ、いっぱい働いたので休憩ですぅ。 くんかくんか。 ちょっとイカ臭いですよぉ」

「人の頭を嗅ぐんじゃねーよっ! てかイカ臭いとか言うな。 ちょっと口が寂しくて、スルメをかじっていただけだっ!」

「ですよねぇ。 ベイナ様から白い体液とか出るハズないですしぃ。 でも寂しくなったら陵辱触手の先端から出しますよぉ。 召喚しょうかぁ?」

「妙な触手を召喚しようとするんじゃねぇよっ!」


 コイツ、普通の触手に飽き足らず陵辱触手なんてモノも召喚出来る様になったのか? どこまで私を襲いたいんだよ。


「それはぁ、ベイナ様が股を開いてくれないからですぅ」

「誰が開くかっ!」


「さっ、おフザケはそれくらいで次の書類です」


「ウォルター、お前は本当にブレないなっ!」


 ハトリは構ってくれないし、ヘルは匂いを嗅ぎにくるし、ウォルターに至っては書類仕事から少しの間も開放する気が無い。 こんな不幸な幼女って私ぐらいなんじゃないかな。


「ママ、大変なのー」

「ん? ハトリか? 何が大変なんだ?」

「街の門に『暗闇くらやみの魔女』を名乗るお婆さんがやって来たのー」

「えっ? マジ?」

「マジなのー。 ママとの面会を求めているのー」

「サクッと殺れない?」

「死ぬと呪いが振りかれるって言ってるのー」


 はぁ、どうやら私の休憩時間は遠退いて行くばかりみたいだ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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