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第159話 青海の魔女編 ~えっ? ギュッとですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ママ大好きなのー」

「お、おぅ」

「だからギュッとなのー」

「うぎゃぁぁぁ~っ! 出ちゃう。 色んな穴から色んなモノがニュルッと出ちゃう!」


 ハトリに渾身こんしんの力でギュッとされる幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 抱きしめられるのは良いとしても、力が強すぎて思わず中身が飛び出してしまうかと思った。 うん、歯磨チューブじゃないんだから、何が飛び出すのかは想像したくない。


 しかも私は亀甲縛きっこうしばりにされているので、逃げ出す事すら出来ないのだ。


「ハトリー、中身が出ちゃうからそれぐらいにしてくれ」

「何が出るのー?」

「きっと出しちゃいけないものが出ると思うんだ」

「見てみたいのー」

「めっ!」


 何て事を言うんだ、この娘は。 出てくるモノが涙とから問題無いんだけど、オシッコとか大きいヤツとかだったらトラウマものだからね。 せめて臓物とかは出さない様に頑張りたい。


「ママー、チューするのー」

「えぇ、いや、心の準備がぁ」

「ママはハトリの事、嫌いなのー?」

「いや、好きだけどさぁ」

「んじゃぁ、チューするのー。 ちゅー!」

「んぎょぎょー」


 軽いついばむような口付けかと思っていたのだが違った。 ダイソンも裸足はだしで逃げ出すような吸引力で肺の中の空気が一気に吸い出される。 しっ、死ぬ。 窒息して死んじゃうっ!


 酸欠で視界が暗くなり、チカチカと流れ星が蛇行する。 うん、ダメかも知れん。 三途の川が見える。


「あれ? ママがピクピクしてるのー 屍なのー?」


 いや、死んでいないケドね。 ちょっとあの世に行きかけたケド。


 流石に亀甲縛りでは不味いと思ったのか、やっと開放される。


「そうなのー、こんな時は人工呼吸なのー。 むちゅぅ」


 ん? うわっ、今度は大量の空気が肺に送り込まれてくる。


「んー、これじゃあ元気にならなかったのー。 きっと少なかったのー。 むちゅぅぅぅ、ぷー」


 ぎょわーっ! 今度は破裂しちゃう、パーンってなっちゃう。 タップタップ、ギブギブ!


「わーい! 元気になったのー」

「死ぬかと思った。 はぁはぁ」


 どうして私はこんな所で死にか掛けているんだ? いや、ハトリは無邪気に私とスキンシップを取りたいだけなのだ。 ちょっと加減を知らないだけで。


「ハトリさんや」

「はいなのー」

「抱きしめるなら、優しく抱いてください」


「ぬほぉぉぉ~っ! 私ならぁ、優しく抱きますよぉぉぉ~っ!」


「ん? ぎょわぁぁぁ~っ!」


 声がした方を向くと、そこにはミノムシみたいグルグル巻きにされたヘルが、短い触手を生やして駆け寄って来るのがみえた。 外観はスッカリ王蟲おうむである。 あっ、目が真っ赤だ。


「来るなぁぁぁ~っ! 腐海に沈むぅぅぅ~っ!」


 うん、だってヘルって色々と腐っている気がするんだよね。


「酷いですベイナ様ぁ。 こんなに愛しているのにぃ」

「そう言いながら、触手を私の下半身に伸ばしてくるじゃねぇよっ!」


 何とか触手から逃れて臨戦態勢を取る、シャーッ! あっち行けっ、しっ、しっ!


 すると今度は私の手足に触手を伸ばし、からめ捕ろうとしてくる。


「ぐふふふふぅ。 捕まえたのですぅ」

「ちっ、右手右足を捕まれた程度で諦める私ではないのだっ!」


 と、思っていたのだが触手の力は思いの外強く、ズルズルとヘルの下へと近付いていく。


「ぬふふふふぅ。 グルグル巻きにされた程度では、このヘルを止める事は出来ないのですぅ。 さぁ、目眩めくるめく愛と快楽の世界にご招待ですぅ」

「ぐぬぬぬぬ」


「ママとヘルだけズルイのー。 ハトリもめくめくの世界をするのー」


 と言うが早いか、左手と左足はハトリの糸が絡みついている。 て、アレ? このまま引っ張られると、不味い状況になるのでは?


「ぎょわわわわ~っ! 裂けちゃう。 お股からピーって裂けちゃうっ!」


「ヘルが放すのー。 ママはハトリのモノなのー」

「ここから先は、大人の時間ですぅ! ハトリちゃんこそ、ベイナ様を大人しく渡しなさいぃ!」

「ヘルが放すのー!」

「ハトリちゃんが放すですぅ!」


「2人とも落ち着けっ! 取りえず引っ張るのは止めてぇ!」


 そう言えば大岡越前おおおかえちぜんにもこんなシーンがあったよな。 母親を自認する2人が子供の手を引っ張りあって取り合いをするんだっけか。 それで痛がる子供を見て先に手を離した人を母親と認めたとか。


 そうそう、だからここで痛がって見せれば、両方とも開放してくれるんじゃないかな。 なら仕方ない、ここは少し痛がって見せて…。


『絶好の機会です。 そのまま地獄へ行くです! コロコロブレス、ファイヤー!』


「ぎょえぇぇぇ~っ! 痛い、痛い、痛い! 色んな所が痛いよーっ!」


 うん、最近こんなのばっかりだな、私。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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