第158話 青海の魔女編 ~えっ? 夜の攻防戦ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「しくしくぅ。 仕立てには一週間必要だっていわれましたぁ」
「バカめ」
「だからその分、ベイナ様で心の隙間を埋めるのですぅ。 今夜、具体的にはベイナ様の花園をペロペロするのですぅ」
「させてたまるかっ!」
本格的に夜に不安を憶える幼女、ハイガンベイナ6歳です。
今は今晩の宿を確保するために、宿屋へ向かっている最中だったりする。 だがこの瞬間にも攻防は存在するのだ。
「ベイナ様ぁ、あそこの宿なんてどうですかぁ? 『恋人たちの夜にピッタリ』って書いてありますよぉ」
「今夜は家族用の宿に宿泊するぞ。 てかハトリやミーティアはどうすんだよ」
「2人は別の個室に泊まれば良いと思いますぅ」
「ヘルが裏切ったのー! ヘルは犬小屋で寝れば良いと思うのー」
『ミーティアはコロコロの機会があれば、どの宿でも構わないです』
どうすんだよ、この状況。 ミーティアが言っている事は意味不明だが、ヘルとハトリの雰囲気が色んな意味でヤバい。 短い同盟期間だったな。
いや、それ以前にヤバいのは私の貞操か。 今までノロリクラリと躱してきたが、2人が本気になったっぽいんだ。
ハトリの場合は背伸びしたいお年頃って感じでまだ何とか誤魔化せそうな雰囲気はあるんだけど、ヘルがね。 もう既に目が血走って鼻息すら荒いんだ。
何とかならないモノだろうか?
「今夜は逃さないのですぅ」
だよね。 だが私は別に同性愛者じゃないし、肉体関係までは望んでいない。 いや、だってまだ6歳だよ? どうして私は変態に好かれるのだろうか?
「それは少しでもベイナ汁の味を知ってしまった者はぁ、抑えが効かなくなるのですぅ」
「えっ、そんな怪しげな汁なんて出していないぞ?」
第二次成長だって向かえてないのに、エロエロホルモンなんて分泌するワケないじゃん。 スッポンエキスみたいに言うんじゃねぇよ!
なんとか皆を宥めて家族用の宿に入り。部屋をオーダーする。
「家族4人部屋を頼む」
「はいよ。 しかし夫婦用と子供用のベッドが2つになるけど構わないね」
「えっ?」
「勿論それでぇ、構わないのですぅ」
ヘルは言うが早いか鍵を受け取り、私を小脇に抱えて部屋に突進した。 勿論ハトリやミーティアは置き去りである。
ガチャリ
部屋に鍵を掛けたかと思うと私をベッドに投げ込み、一つの魔術を発動する。
「デスプリズン」
知らない魔術だ。 死神の牢獄? 嫌な予感しかしない。
「うふふふふぅ。 このデスプリズンは中からは決して逃れる事は出来ない魔術ですぅ。 さぁ、今日はその瑞々《みずみず》しい肉体を余す所無く堪能するのですぅ」
「まっ、待て。 まずは落ち着こうじゃないか!」
「もう待てないのですぅ。 ベイナ様は何も心配する事は無いのですよぉ。 このヘルに任せておけば立派な肉奴隷になるのですぅ」
「助けてくれぇぇぇ~っ! ハトリ! ミーティア!」
「ふふふふぅ。 泣け叫ぼうとも逃げ場は無いのですぅ」
ヤバい、本格的にエロピンチだ。 こうしている間にも鼻息が荒いヘルの顔が近付いてくる。 あっ、ヨダレまで出ているみたいだ。
「さぁ、脱ぎ脱ぎしましょうねぇ。 勿論前菜は先端突起の16連打からぁ」
「何だよ、16連打って!」
「ベイナ様の世界には16連打が出来る名人がいたとか」
「あれはゲームパッドのボタンに対してだっ!」
「もう辛抱堪らん。 剥くのですぅ。 触手召喚!」
「うぎゃぁぁぁ~っ!」
必死の抵抗も虚しく、上着は剥ぎ取られてしまった。 こっちの手は2本しかないからね。 両手両足を触手で拘束されてしまえば、抵抗の余地すら無かったよ。
「ぬほぉぉぉ~っ! 秘技、ダブル16連打ですぅぅぅ!」
「ひょばばばばぁぁぁっ!」
「ぬふふふふぅ。 少し固くなってきたのですぅ。 そろそろシャブり時ですぅ」
ああっ、この世界のお父さんお母さんゴメンなさい。 ベイナは大人の階段を登ります。 って、あれ? 何だか蜘蛛に囲まれているぞ。
「ぬはぁぁぁっ! 折角良いトコロなのに蜘蛛が出るなんてぇ、このラブホテルは掃除が行き届いていないのですぅ。 ってあれぇ? 振り解けない? 私が拘束されているだとぉぉぉ」
「ふっふっふっ。 ハトリには不可能はないのー」
『いや、普通に部屋に入れたです』
「なっ、どうしてぇ? この部屋には脱出不可能な魔術が発動しているはずですぅ!」
「なぁ、ヘル。 脱出は出来なくとも侵入は出来るんじゃないのか?」
「一生の不覚ですぅぅぅ~っ!」
ふっ、悪は去ったな。 ヘルはハトリの糸でグルグルに拘束されて、身動きすら出来ない様だ。 ナイス、ハトリ。
「ママは独り占めさせないのー。 ここからはハトリのターンなのー」
「ん? どゆこと?」
あれ? ハトリさんも何だか興奮しているっぽいぞ。
「秘技、亀甲縛りなのー」
「うぎゃぁぁぁ~っ! ヘルぅぅぅ~っ、ハトリに何を教えとんじゃぁぁぁ~っ!」
糸がスルスルと伸びて私を拘束していく。 しかもご丁寧に天井からエビ反りで吊るされるパターンだ。
『シュートチャンスです。 コロコロブレスですー!』
「うぎゃぁぁぁ~っ! 痛い、痛い。 連打は止めてっ!」
あぁ、カオスだ。 一難去ってまた一難。 まだまだ私の危機は続きそうだ。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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