第141話 聖王国編 ~えっ? 司祭ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「随分と派手に殺してくれたそうだな」
「えーとぉ、誰ですか?」
聖騎士たちに囲まれる幼女、ハイガンベイナ6歳です。
どうして囲まれる状況になっているかと言うと、連中は結界の魔道具なんてモノを持ち出してきたからだ。
何が驚いたって言えば、ハトリの攻撃とか通常の徹甲弾すら防いで見せた事だろう。
とは言え私にはアダマンタイトの弾頭だってあるし、それに黒竜の魔力鎧を貫通させた方法だってあるのだ。 まだ焦る段階ですらない。
寧ろワザと負けているとも言えるだろう。 だって遠赤外線だって試してさえいないのだ。
「偉い人ですか?」
「貴様たちには関係ない事だが一応答えてやろう。 司祭のモロチン・ルターだ」
「モロチンってw。 もしかして改革派だったりします?」
「良く分かったな」
まあね。 ルターって名字なら宗教革命とか起こしそうだし。 でも司祭か。 教皇、大司教、司教、司祭だっけか? 現場責任者レベルだろうか?
苦戦して見せれば、調子に乗って偉いさんが出てくるかと思ったケド現場責任者レベルじゃなぁ。
「ヘルは遠赤外線って使えるか?」
「ええ、使えますよぉ。 ベイナ様の知識は一通り覗いていますしぃ」
「怖っ! いつ覗いたんだよっ!」
「えっ? 寝ている間とか色々ですけどぉ?」
「常習化してやがるのか? いや使えるんなら問題無いよな?」
「殺りますかぁ?」
「司祭だけは残してくれ。 頭を覗いてみたい」
「了解ですぅ。 高出力遠赤外線ですぅ!」
「うぎゃぁぁぁ~っ! 熱いぃぃぃ~っ!」
まあね、アダマンタイトだって熱までは防げなかったみたいだ。 次々と聖騎士の姿焼きが出来上がる。
「ばっ、馬鹿なっ! 聖なる結界が破られただとぉ? 禁呪の類かっ!」
何だか司祭が慌てているぽいが、コイツは私の担当だ。
「貫通術式付与っ! ファイヤー!」
「うぎゃぁぁぁ~っ! 足がぁぁぁ~っ!」
勿論、殺すなんて真似はしない。 太股を撃ち抜いただけだよ、大袈裟だな。
「お前には色々と協力して貰うぞ」
「私は敬虔なる神の僕だっ! 魔王や邪神の手先などに、死んでも協力するものかっ!」
「いや、そう言うのイイから。 マジックスキャン」
「ぎゃばばばばぁぁぁ~っ!」
ほう、この建物には円卓があるのか。 神の前には皆平等ってか?
お偉いさん達はそこから指示を出しているらしい。 ならコイツは用済みだな。
「マイクロウェーブバースト!」
「ひでぶっ!」
やっぱりね、電磁波全般は防げないっぽいな。 結界とかアミュレットって意外と穴が多くないか?
「場所が分かったぞ、この上に司令室になっている部屋がある。 そこへ突入するぞっ!」
「合点承知の助ですぅ」
どこからそんな言葉を覚えてくるんだ? いや、私の知識か。
例の如く死体を回収し、一同揃って円卓の間に突撃する。
「ちっ、鼠の分際でこんな所まで侵入するとはな」
「ちーすっ、お邪魔しまーす」
おや? 落ち着いているねぇ。 どこからその余裕が?
「随分と余裕があるみたいだけど、大丈夫なの?」
「ふっ、我らは下の者共とは違うのだよ?」
「じゃぁ私達に勝てるとでも?」
「魔王と死神程度が吐かしよるわ」
どの辺が違うのだろう? 服装かな?
「貫通術式付与っ! ファイヤー!」
「うぎゃぁぁぁ~っ!」
「同じやん」
「ばっ、馬鹿なっ! 神聖結界が破られただとぉ? 魔王の秘術かっ!」
馬鹿なって言わないと死ぬ病気なのかな?
「こっ、こうなったら時間を稼ぐぞっ! 大司教さまの下には行かせるわけにはいかん!」
「ふーん、別に大司教なんてのもいるんだ。 って事は教皇とかもいたりするのかな?」
「教皇様は我々とはお会いになられない。 勿論、貴様等ともだっ!」
「じゃぁ大司教なんてのを捕まえれば居場所が判るのかな?」
「黙れっ!」
こりゃアレだね。 1人だけ残して後は殺して問題なさそうだ。
「ヘル、情報源は1人で良い。 後は殺せ」
「了解ですよぉ、ベイナ様ぁ。 私もコイツ等は嫌いなのでぇ、大賛成ですぅ」
「そう易々《やすやす》と我々はやられたりはせんっ! 死神ごときが調子に乗るなぁ!」
「高出力遠赤外線ですぅ!」
「うぎゃぁぁぁ~っ! 地獄の業火だとぉ?」
地獄の業火って、赤外線ヒーターか何かなのだろうか?
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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