第136話 聖王国編 ~えっ? 聖騎士詰所ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「後24時間眠るですぅ…」
「いや、起きろよ! 明日になってしまうじゃないかっ!」
死神に抱き枕にされる幼女、ハイガンベイナ6歳です。
昨日は何とかヘルを物理で説得して、抱き枕で落ち着いた。 いや、マジで身の危険を感じたよ。
その代償として、現在は寝ぼけたヘルにクラーケンの様に抱き付かれているんだ。 逃げられねぇ。
こいつの前世が触手だったとしても驚かないよ、私は。
「なぁハトリぃ、助けてくれ」
「んんっ、ママおはよーなのー。 あっ、ヘルだけズルいのー。 ハトリもママに抱き付くのー。 おやすみなのー」
おうふっ、状況が悪化しちまったぜ。 ならばジョーカーとしてミーティアを召喚しよう。
「おーいミーティア、寝てないで助けてくれー」
『んんっ、んー。 後3年…寝る…です…』
「いや、石になっちゃうから! てか私に味方はいないのかっ! 寝てないで冒険しようぜっ!」
ダメだ、誰一人起きようとしない。
「皆でエロい事をしようぜっ!」
「はっ、ベイナ様にぃ、あんな事やそんな事をするチャンスですぅ!」
「んんっ、ママといちゃラブするチャンスなのー!」
『おぃ、ママのオッパイは渡さないです!』
皆して思春期なの? 頭がピンクなの?
「まあエロエロしている暇なんて無いんだがな」
「酷いですぅ!」
「ハトリは寂しいのー!」
『嘘吐いているんじゃねぇです!』
「どうどうどう、忘れているかも知れないが、ココって一応敵地だからな」
「つまりぃ、一仕事終えた後には、シッポリ楽しむとぉ?」
「そっ、そうだな。 何がシッポリなのかは判らないが」
「やる気がぁ、出てきたのですぅ!」
「ハトリもやるのー!」
『事故に見せかけて始末する方法は…です』
何だか一人、おかしなのがいるみたいだが気にしたら負けだ。 では早速襲撃に向かうとしよう。
「聖騎士詰所の襲撃に出発する!」
「おーですぅ!」
「おーなのー!」
『殺るです!』
てな事で宿屋をチェックアウトして、詰所へ歩いて直行する。
すると例に漏れず、詰所の前では完全武装の聖騎士が待ち構えていた。 まあ当然だろうね、歩いて来たんだし。
ここで倒すのは簡単だが、問題はハトリとミーティアだ。 残念ながらアダマンタイトの鎧の前では戦力外通知するしかあるまい。
「残念だが、ハトリとミーティアは戦力外だ。 あの鎧の前では通常の武器や魔術は通用しない」
「じゃぁ、あの剣を使うのー」
そう言ってハトリがアイテムボックスから、見覚えのある剣を引き出す。 あっ、帝都で手に入れた剣聖の剣だ。
そして止める間もなくハトリが突貫する。
「とーなのー!」
「ちょっ、ハトリ?」
だが私の心配をよそに、聖騎士の一人が両断された。 うへーっ、あの剣スゲェ切れ味だ。
そこからは一歩的な展開になった。
「やーなのー!」
「ぎゃぁぁぁ~っ!」
「だーなのー!」
「うぎゃぁぁぁ~っ!」
「おーなのー!」
「うぎゃぎゃぁぁぁ~っ!」
アダマンタイトの絶対的な防御力を信じていた聖騎士たちは恐怖を感じている様だ。 脆いモノである。
一方の私たちは、聖騎士たちの絶叫をつまみに観戦モードである。
「ベイナ様ぁ、今日は良い天気ですねぇ。 あっ、飴玉食べますぅ?」
「食べる。 あっ、コレ美味しいな」
「でしょう? さっき出店で見つけたんですぅ」
「一応侵攻中なんだがな」
「でもほら、もうすぐ一段落つきそうですよぉ」
「あっ、本当だ」
最後の聖騎士の絶叫によって、戦闘は終了した。
「ハトリ、お疲れー」
「たくさん刀のカビにしたのー」
「錆な、サビ。 カビなら何かばっちい存在だったみたいじゃないか」
発酵でもしていたのだろうか? 組織って案外腐敗が早いよね。
「それで地下通路ってどこにあるんだっけか?」
「地下通路だから地下だと思いますよぉ」
いや、そう言う意味で言ったんじゃないんだ。 なんだかアホの娘みたいじゃないか。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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