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第132話 聖王国編 ~えっ? 聖城ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「これから聖都を火の海に変える!」

「ベイナ様ぁ、あれをご覧下さいぃ」

「ん? うわっ、射ってきた!」


 地上から砲撃を受ける幼女、ハイガンベイナ6歳です。


「えっ、何?」


 一度高度を取って周囲を確認する。 砲撃の射程は思いの外短い様だ。 射程は2キロと言ったところか。


 対空砲火にしては射程が短すぎる。 単純に高度2000メートル以上に上がれば届かないワケだからね。


 それにしてもあの建物は何だろう? どこかで見た形をしているのだが、蟻塚ありづかの集合体にしか見えない。


 中央の一番高い塔は、結界か何かで被われており、保護されている様だ。 そして両端りょうはしにある塔の先端部にあるドラゴンの頭部を模した何かから砲撃を受けている。


 何だろうこの感じ、聖都なのに城っぽい何かがあるのだ。 通常宗教国家ってのは寺院や教会があって、神職が意思決定を行っている。


 だが信徒が国を支えている都合上、城なんてものは持たない共和主義に近いのだ。


 例えばこれがロシアの場合、クレムリンと呼ばれる城があるのだが、敵対する可能性がある存在として市民に襲われる事も考慮に入れている。


 つまり民衆は潜在的な敵なのだ。 逆に言えば共和制を敷くフランスやアメリカなどは、市民に対する護りなどは表向きは存在しないし、城は必要無い。


 だがここに城があると言う事は、潜在的に民衆の反乱を恐れており、独裁制を敷いている事でもある。


 私が聖都を滅ぼす事を決めたのは共和制に近い組織だと思っていたからであり、そうしなければ聖王国は滅ぼせないと思っていたからだ。


 だが独裁制であるならば簡単で、城とその中にいる独裁者を倒してしまえば国は維持出来なくなる。


 だから形式上、あれは教会であっても聖城せいじょうとも呼べる城なのだろう。


 そしてあの砲撃を行っているモノも本来は対空兵器ではなく、地上にいる市民や外敵に向けるモノなのだろう。


「攻撃目標を変更する。 あの城及び中にいるであろう支配階級だ。 強行突入を行い、支配者どもを皆殺しにするぞっ!」


「だったらハトリの出番なのー」

「私はぁ、ベイナ様と一緒に突入しますぅ」

『だったらミーティアはハトリと一緒に突入するです』


 何だかんだ言ったって、みんなは白兵戦が好きなんだな。 私はあんまり得意じゃないんだが。


 だとすれば突入口を作るために、まずは邪魔な砲塔を叩き潰す。


「三連レールガトリングガン展開!」


 久々の登場になる三連レールガンを構え、こんな時のために開発した爆裂徹甲弾ばくれつてっこうだんとうを装填した。


「ファイヤー! ファイヤー! ファイヤー!」


 着弾と同時に起こる大爆発。 実験的な弾頭だったケド成功みたいだな。 いやー、この衝撃信管の開発には苦労したんだよ。


 簡単に説明すると、まずは魔力を爆裂魔方陣にこれでもかって位にそそぎます。 勿論、魔方陣はアカシック先生からご教示して貰ったから完璧だ。


 次に瀬戸物せともので作った板に安定回路の魔方陣を描き込み、それを爆裂魔方陣に結合。 その結合魔方陣を弾頭の中に組み込めば完成です。


 その弾頭が着弾した時、安定回路の魔方陣が砕け散る事になるから、残った爆裂魔方陣が爆発する仕掛けです。 ね、簡単でしょ?


 苦労した点と言えば、発射時の衝撃では壊れずに、着弾時に壊れる様にする強度設計かな。 失敗すると発射時に暴発しちゃうからね。


 ここだけの話、試射で何度も自爆して、アフロになったのは良い思い出である。 見えないところで努力しているんだよ、私は。


 次の開発は、成形炸薬弾頭せいけいさくやくだんとうだな。 夢は広がりんぐ。


 問題はここからなんだよな。 だって独裁者たちは、バリアが張られた一番高い塔にいるんだろうし。


「ファイヤー! ファイヤー! ファイヤー!」


 バリアの外で起こる大爆発、うん無傷だよね。 知ってた。


「エクスプロージョン!」


 魔力マシマシ版のエクスプロージョン。 だが爆炎が晴れると、そこには以前と比べても遜色そんしょくない塔が建っていた。 勿論バリアも健在である。 くっ、何だかバカにされている気分だ。


「くそぉぉぉ~っ! こうなったら反物質弾頭はんぶっしつだんとうで吹き飛ばしてやるっ!」

「お待ち下さいベイナ様ぁ」

「何だ? 私は今、少し不機嫌ふきげんなのだが?」

「えっとぉ、あの結界の中に入れたら良いんですよねぇ」

「そうだが?」

「だったらぁ、地下から入れば良いと思いますぅ」

「ん? どゆこと?」

「もしも結界ごと建物を吹き飛ばしてしまったらぁ、支配者どもを殺れたかどうか判らないじゃないですかぁ」

「まっ、まぁそうだが…」

「それにぃ、緊急脱出口とかでぇ、普通は通路があるものなんですぅ」

「それが地下にあるとでも?」

「常識ですよぉ、ベイナ様ぁ」

「くっ!」


 だって仕方が無いじゃん、義務教育だって受けていないから常識さんは迷子なんだよ。


「もぅ、ベイナ様は私がいないとぉ、ダメな娘なんですからぁ」

「ハトリはダメなママも大好きなのー」

『けっ、ペタンはやっぱりペタンです』


 ちょっ、反対意見が無いってどーゆー事なの? 本心からおバカな娘とか思ってないよね? それよりミーティア、ペタンはペタンって一体何だよ!


「泣くぞ?」

「あっ、こんなところに飴玉あめだまがぁ。 ベイナ様ぁ、食べますかぁ?」

「食べりゅ」


 コロコロ、うん、甘くて美味しい。 てか最近、子供扱いが過ぎると思うんだ。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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