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第124話 勇者編 ~えっ? 鳥葬ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「よし、け」


「テメェ、巫山戯ふざけんなっ!」

「黙れっ!」

「ぐっ!」


 衛兵たちにタコ殴りにされる勇者を見る幼女、ハイガンベイナ6歳です。


 場所は街の広場、本日の処刑予定場所である。 まあ、即断即決って事で。


 このクズ虫勇者の今日の予定は、カラスとねずみに食べられてクソになる事である。 本人に自覚は無い様だが。


 そして剥かれた勇者は、大の字に寝かせた磔台はりつけだいに固定されていく。 勿論今回この様にしたのは、住民の見やすさよりもカラスや鼠に配慮した結果であり、食べやすさ優先である。


 あっ、勇者のナニはミーティアが吹き飛ばしてしまったので、その部分は前張まえばり状態である。 もしも失血死とかされたんじゃぁ興醒きょうざめだからね。


「さぁ、カラスや鼠の糞になる気分はどうだい? 行った犯罪の内容から考えれば、少し甘い気もするけどね」

「ここから抜け出して、テメェだけは絶対殺す!」

「生きて抜け出す事が出来れば、私が相手をしてやるよ。 頑張がんばってみることだね」

「死ね!」


 元気だな。 私としては、生まれてきた事を後悔して貰いたいところなんだが、高望みはすまい。 精々、苦しみ抜いて死んでくれ。


 そしと準備が終了したので、見物人に向けて、コイツが行った強盗、強姦、殺害などを説明していく。 あっ、聴衆たちの顔がけわしくなったね。


 まあ恨みを買いやすいタイプの犯罪だからね。 中には近くにあった石を勇者に投げる者もいたが、そこは悲しいかな素人しろうとである。


 明後日あさっての方向に向かって放物線を描くだけだ。 それでも弱々しい攻撃が当たった場合にはワッと歓声が上がる。


 うん、いい感じに勇者が恨みを買うタイプで助かったよ。 今回の企画は成功しそうな予感がするね。


「投石を止めよ! これから処刑を執行する!」


 すると観客たちが静まり、視線が勇者に集中した。 まあね、アレじゃぁどんな処刑だか判らないだろうし。


「ヘル、始めてくれ」

「了解ですぅ」


 そう言ってヘルは、カラスとねずみを召喚し始める。 観客たちがザワつくのは当然だろう。 だってワタリガラスってメッチャ大きいからね。


「でけぇ」

「怖いわ」

「なぁ、今回の処刑方法って」

「ああ、アレに襲わせるんじゃないのか?」

「いや、それよりも問題なのは、あの胸のでかい召喚術師のねちゃんだろ! どうやったらお近付きになれるんだ?」


 何やら一部、おかしな反応もある様だが予定どおりである。


「食事開始!」

「KuWaaaa~!」「CHU-CHUー!」

「うわぁぁぁ~っ! くっ、来るなぁぁぁ~っ!」


 今更、自分がどういった状況にあるのかを悟った勇者があわて始める。 いや、処刑方法を決めていた場所にお前もいたよね?


 自分に都合が悪い情報は遮断する機能でもついているのか、結構な慌てぶりである。


 いるよねぇ、こう言った自分に都合の良い解釈しかしないバカ。 まあその分コッチは滑稽こっけい狼狽ろうばいが楽しめるのではあるが。


「痛ってぇぇぇ~っ!」

「CHUCHUCHU-CHUー!」


 おっ、切り込み隊長は鼠たちかな? 彼らは手足の指先から食べる事にした様だ。 中には耳たぶに挑戦する者もいる様だな。


 そう言えばドラえもんは耳を鼠に食べられてあの外見になったそうだが、実は赤ん坊の耳が鼠に齧られるってのは昔は結構あったらしい。


 だから作品登場時にはその設定は普通に受け入れられたらしいんだけど、ちょっと共感出来なかったんだよね。


 なので、そのシーンは私ですら興味があるのだ。 なお、当事者の勇者は言語を忘れてしまったらしく、意味不明な音だけを叫びまくっている。


 血は思ったよりも出ていない。 いや、滲んでくる血の量よりも食べる早さが勝っているのか。


 ん? 音が変わった? あっ、手足の指先の骨に到着したのか。 骨でもカリカリって音がするんだな。 初めて知ったよ。


 そして満を持してのカラスの参加。 胸の上に座って、ジッと勇者の顔を見ている。 何してんの?


 そして記念すべき最初の一撃は…ってイキナリ目玉狙いかよっ、凄ぇな。


 対する勇者もヤバさが伝わったのか、目を力いっぱいつむっている。 が、無意味なんだよねぇ。


 まぶたなんて関係ないとばかりに、目玉に向かってくちばしアタック。 おおぅ、アレは痛そうだ。


 突く度に勇者の体がピクンピクンするのは、ピタゴラスイッチみたいだ。


「うぎゃぁぁぁ~っ!」


 おーっとぉ、眼孔から何かを引き出したぞぉ、って眼球と視神経だぁ。 盛り上がって参りましたぁ。


 それをクイッと顔を振って引き千切り、上を向いてユックリ垂下すいかする。 何だか見られている事を意識してやっていませんか? アムロさんかカイさんか知らないけど。


 そして選手交代、べつのカラスが同じ様に勇者の胸に着地して、残りの目玉を狙う。 一方の勇者は死守の構えだ。 手足をかじられながらなのに必死だな。


 まっ、無駄な努力なんだけどね。


 同じ様に残りの目玉も失い、勇者は少し静かになったようだ。 あっ、もしかしてあきらめちゃった? 諦めたらそこで試合終了だよ。


 そしてさらに選手交代したカラスさんは、見せ場を奪われた事が悲しそうだ。 てか、本当に観客を意識していたんだな。


 あっ、何か思い付いたっぽい。


 すると何を思ったのか、勇者の髪の毛をむしり始めたのだった。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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