第118話 独立・建国編 ~えっ? 眷属誕生ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「うっ、生まれるのですぅ」
「えっ、マジ?」
眷属の卵が孵りそうな幼女、ハイガンベイナ4歳です。
帝国に独立宣言をしてから早10ヶ月、全く以て攻めてくる気配が無い。 まあ軍隊を動かすのは時間が掛かるからね。 しゃーない。
いや、そんな事より卵だよ卵。 いよいよ眷属の種族が確認できるとあって。私のボルテージは上がりに上がりまくった。
てかヘルさんや。 お前は卵を温めていただけだよね。 なんで出産を待ち構えたご婦人みたいになってんの?
「それはぁ、毎日魔力を与えていたからですぅ」
「さよか」
そんな事してたのか。 私よりもヘルに懐いてしまったらどうするんだよ。
「当然、育児放棄したベイナ様に代わって、私が育てるのですぅ」
「人聞きが悪いなっ!」
何て事を考えていやがるんだコイツは。 これは私の魔力も与えねばなるまいよ。
「もう手遅れですぅ」
「へっ?」
パキッ!
あっ、少し卵に罅が入った。 ん? んんん? 卵から覗く、つぶらな瞳。 ってアレ? 白目が無くないか?
「きゅぃぃぃぃ~っ!」
おおぅ、出てきた。 ってトカゲ? あっ、羽がある。
全体はガンメタなブラックで、羽があるトカゲ。 いや認めよう。 こりゃぁブラックドラゴンの幼体だ。
てか私のルーツはブラックドラゴンだったのかぁ。 薄々人間じゃぁない気はしていたけど、爬虫類とか。 素直に喜べないぞ。
「可愛いでちゅぅ。 私が卵を温めたママでちゅよぉ。 因みにそっちがお姉ちゃんのハトリちゃんでぇ、そこのは育児放棄したベイナ母さんですよぉ」
「ちょっ、お前何言ってんの?」
「可愛いのー。 妹なのー」
『ママー! だいしゅきですー』
そう言いながら、ヘルの胸に顔を埋めて嬉しそうに目を細める幼竜。 えっ、私の立場は?
「私がお姉ちゃんなのー」
『わーい。 お姉ちゃんですー』
更に今度は、ハトリの胸に飛び込んでご満悦な様子。 うん、そうすれば良いのか。
「母さんですよぉ」
『うるちゃい、絶壁!』
「ベイナショック!」
いきなり眷属の幼竜に絶壁扱いされるとはコレ如何に。 きっと何かの間違いだな。
「さぁ我が眷属よ、私の胸に飛び込んでおいで」
『うざい、ツルペタ!』
「計画どおりなのですぅ」
グレて良いかな? 確かに豊満な胸は母性の象徴かも知れないが、哺乳類じゃぁないんだから、胸なんて関係ないじゃん。 てか乳なんて飲まないだろ?
「さぁ幼竜ちゃん、クッション性抜群なぁ、私の胸に戻ってくるのでうすぅ」
『わーい、ママですー』
「くそぅ、嫌がらせなのか? 帝国にハトリと2人で行った事を、まだ根に持っているのか?」
「そんな事はないのですよぉ。 そりゃぁとっても寂しかったとか、今でも枕を濡らすとかありますけどぉ」
「シッカリ根に持ってんじゃぁねぇかっ!」
「仕方が無いですねぇ、そんなベイナ様には命名する権利を譲ってあげるのですぅ」
「おっ、おぅ」
そっか、名付けは大切だよな。 召喚主は、この私なんだし。
「んじゃぁ、黒っぽいから黒子で」
『舐めとんくわぁです!』
「ひぃ!」
うわっ、何か打ってきた。 てかブレスなの? 荷電粒子砲みたいなんですけどぉ!
「因みに女の子ですよぉ。 バスケもテレポートも出来ないとおもいますぅ」
「何のネタだよっ! んじゃぁヘカテリーヌ」
『爬虫類と一緒にすんなぁです!』
「ひぃぃっ!」
反抗期なの? 生まれて間も無いのに! てかブレスの殺意が高すぎなんですけどぉ!
「ちゃんとした名前を付けてあげないとぉ、もっと嫌われますよぉ」
「じゃぁ、AIMとかサイドワインダーとか?」
『撃ち落とすから空を飛べDEATH!』
「んひゃっ!」
段々と狙いが正確になってきているんですけどぉ。 折角対空ミサイルみたいなカッコいい名前を考えたのに。
「それじゃぁミーティアって事で。 意味は『流星』だから、問題ないだろ?」
『んー、それで勘弁してやるです』
「ほっ、死んでもミサイルから取ったなんて言えないな」
『何か言ったDEATHか?』
「あの、どうしてそんなに殺意マシマシなの?」
『お前の様なツルペタにはこれで十分DEATH』
「んぎゃぁぁぁ~っ!」
最後にブレスの乱れ撃ちを喰らってしまった。 何か思っていた眷属とチガウ。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704
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