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第110話 独立・建国編 ~えっ? お上りさんですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ママー。 疲れたのー」

「あ、うん、そうか。 じゃあ次の街が見えたら休む事にしよう」


 お上りさんになるべくハトリと2人で空中旅行な幼女、ハイガンベイナ4歳です。


 自宅で帝都までの地図を描いてもらい飛んで行く事にしたんだけれど、もう遠いの何のって。


 いや、マジで帝国の大きさをめていました。 馬車で移動しても片道数ヶ月とか、どんだけ領地を拡大させているんだか。


 そりゃあこの世界の国の大きさを甘く見ていた自分にも責任はあるかも知れないケドさ、パッと行って帰ってくるだけだと思っていたんだよね。


 距離以外にもハトリの飛行速度に問題があるとは思わなかった。 まさかレシプロ機並みだったとは。


 時速で考えれば多分、300キロにも満たない程度だと思う。 まあ新幹線程度の速さなのだから、1日で移動するのは無理があったのかも知れないね。


 今にして思えば当然なんだけど、ハトリって実は魔法や魔術が得意じゃないっぽいんだ。


 異能として魔術が使えるようにはなっているんだけど、最大魔力量とかは多くないみたいだし、使えるけど熟練者とは違うみたいなんだよね。


 確かに戦闘でも物理が基本だったし、遠距離攻撃としては魔術が使えるってレベルで、好んで使ってはいなかったし。


 だから当然の帰結として、空の移動は休憩も多くなるし、移動距離だってそんなには稼げなかったんだ。 まあコレは私が悪い。


 私は0歳児の時から移動には飛行魔法を使っていたし、今でも短距離以外は変わらない。


 そして3歳児の時には、音速を越えて飛行出来ていたからね。 もう常用の移動手段なんだよ。


 たけどハトリは違うんだ。 元々は蜘蛛くもだったワケだし、移動手段は基本的に徒歩だ。


 それに食べる事で異能を吸収出来るとは言っても、可能になるだけで得意になるワケじゃない。


 例えば剣術関連の異能を多く獲得しているみたいだけど、多分剣の達人には剣技では劣るんじゃないかな。


 そりゃあ技自体は使えるようになるんだけど、殺し合いの中で発生する駆け引きなんて覚えていないからね。


 現在、圧倒的優位に戦えているのはパワーとスピードが蜘蛛のソレであり、人間なんかとは比べのもにならないからだ。


 実際にもハトリがフェイントなんかを使っている場面を見た事すらないからね。 技としてのフェイントは使えるのだろうけど、実戦では無理なんじゃないかと思っている。


 今回の飛行魔法に関しても、同じ状況なんじゃないかな。 結果として私が空を飛んでいるから付き合ってくれているだけだと。


 本来であれば、隣のマウンテンリバーに行った時に気付いているべきだったのかも知れないけど、急いでいない事もあったし道中の盗賊退治なんかで地上に降りていたからね。 あの時はピクニック感覚だったし。


 でも今回は移動距離が多くなるので、飛行してなるべく直線距離になる様にしていたんだ。 だって街道とか蛇行だこうしまくりだったもん。


 だからハトリが疲れるのは悪くない。 考えてみれば蜘蛛に空を飛べなんて、結構無茶な事を行っているな、私。


 まあ何だ、ハトリが珍しく弱音を吐いてくれたのだから、今夜は十分に甘やかす事にしようと思う。


「あっ、街が見えてきたよ。 泊まっていく?」

「うん、ママと一緒にお泊まりするのー」


 えっ? 何だかエロい? いやいや、あんな事やそんな事なんてしないぞ。 一応娘ポジションなんだし。


 結構大きな街、いや、都市っぽいので、美味しい物でも食べてゆっくり休むとしよう。 軍資金はウォルターからむしり取ったから、かなり余裕があるのだよ。


 とは言え、ハトリも疲れている事だから門から入るなんて事はしない。 待たされたくないし、早く宿にチェックインしたいんだ。 入領税払え? 知らんがな。


 てな事で、適当な路地裏に緊急着陸だぁ!


「おお、結構良い服着てるじゃねぇか。 腹がいているんだよ。 ちょっと恵んでくれねかな?」

「うわぁ~っ。 でたよ、ゴキブリ」

「あん? めてんのか? 何なら売り飛ばしてやってもいいんだぜ」


 本当に何処にでもでるな、この手のゴミカス。 金を持っていそうな童女と幼女の組み合わせだからって、さかったゴブリンなみの知能してんじゃねぇの?


「【死ね】」

「ぐはっ!」


 そしてサクッとアイテムボックスへの直送。 長く見ていると、それだけで気分が悪くなるからね。 ゴミ掃除だと思えば、1ミリも良心が痛まないし。


 ゴミの痕跡すら残さない私は偉い。 何処かで焼却処分でもするとしよう。 そうしよう。


「ねぇハトリ、手をつなぐ?」

かかえるのー」

「あっ、ハイ」


 テディベアよろしく私を抱っこしたハトリは、歩き出す。 まぁ、何処に向かっているのかは知らないが、正解だわな。


「ねぇ、表通りに向かってくれる?」

「どっちなのー?」

「人の気配が多い方角」

「判ったのー」


 うん、会話が続かない。 こりゃぁ相当疲れているっぽいな。 早く何とかしなくては。


 とぼとぼと移動して人の多いところに出ると、目についた年配の女性に話しかける。


「もしもしそこのお嬢さん。 少しおうかがいしてもよろしいですか?」

「えっ、私? お嬢ちゃん…じゃなくて幼女? えっ、何か用ですか?」


 まあイキなりかかえられた幼女に話しかけられたら戸惑とまどうか。 でもね、ハトリに道を尋ねるなんて、ハードルが高いと思うのだ。


「値段は多少高くても構いませんから、料理が美味しい宿とか知りませんか? お風呂とかあれば最高なんですけど」

「お風呂って、お嬢ちゃん達はお貴族様かい? それなら貴族街になると思うよ」

「ええ、一応貴族です。 それは遠いですかね?」

「まあここからだと、少し距離があるねぇ。 馬車ならすぐだと思うけど」

「うーん、ハトリはお風呂に入りたい?」

「ママと一緒に入るのー」


「えっ? ママ? は? 親子?」


 そのあと全力で誤魔化ごまかして、風呂付き宿屋の場所を聞き出した。



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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