第109話 独立・建国編 ~えっ? 布告準備ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
「ベイナお嬢様、アイリの侍女教育が終了しました。 尤も、言葉遣いに関しては、これからでありますが」
「ウォルター、アイリって誰だ?」
「オレだよ! テメエに拉致られたアイリだよっ!」
なぜか、見知らぬ少女にキレられる幼女、ハイガンベイナ4歳です。
「いや、マジで誰?」
「近隣の村で、血を吸われまくったオレだよっ!」
「ああ、ハトリのために拉致った奴か」
そういやいたなぁ、そんなの。 お陰でハトリは人化する事が出来たし、不良在庫の死体も少しは処分出来たんだっけか。
でもなぁ、死体の処分だってそんなに進んでないし、今となっては対して重要じゃないんだよな。
「そっか、じゃぁ村に帰って良いぞ」
「村なんて、もう無ぇよっ! テメエらが皆殺しにしたじゃねぇかっ!」
「そうだっけ?」
「そうだよっ!」
別にどうでも良い事だから忘れていたよ。 てかどうするかな。 確かヘルとの仲が悪かったんだよな。 マジでいらん。
あっ、そうだ。 じゃあアレに利用するかな。
「実は近々、我が領は帝国からの独立を考えている」
「なっ、お嬢様。 気は確かですか? 戦争になりますぞっ!」
「いやぁ、考えたんだけどさ。 帝国に属しているメリットって無くね?」
「何を言っているのですかっ! 帝国貴族としての恩恵があるではありませんか」
「具体的には?」
「…」
だよね。 ここは辺境だし、国境に接しているワケではないから、他国から攻め入れられる心配もない。
寧ろ他領からの攻撃が心配なくらいだし、邪魔な他領があれば攻め滅ぼしたいくらいだ。
基本的には独立採算制だし、上納金の意味が判らない。
「軍事力で言うなら、帝国とガチでやりあっても、勝利する自信がある」
「確かにお嬢様やハトリ様はお強いですが、人数の差と言うモノは、単純な強さだけでは決まるモノでは御座いません」
「まあ、ヘルも帝国軍を蹂躙出来る程度には強いのだし、多人数で攻め込まれた場合でも十分な監視網も構築した。 それに即応性に関して言えば、転移や飛行能力ある分、遥に上回っていると断言できるぞ」
「いや、しかし…」
「心配するな。 いざとなったら、私が帝都まで赴いて、サクッと蒸発させれば済む話だ」
まあ、実質的な核戦力まで有しているワケだからね。 方法なんていくらでもある。
「本当だぞ。 私達が掠り傷を負う可能性も限りなく低い」
「はぁ、何の自信なのかは判りませんが、独立するにしても、ダンマリと言うワケにはまいりますまい」
「そこで、独立宣言を認めて、使者を使って送付したい」
「使者…ですか?」
そりゃね、実質的な開戦の使者みたいなモノだから、死に行けって言ってる様なモノだもんな。
「そこで、その使者としてアイリを使いたい」
「言いたくはないのですが、生きては帰れませんぞ」
「なっ、オレを使い捨てにするつもりかよっ!」
「ふっふっふ。 対策は考慮済みなのだよ。 お前は何も心配せずに、帝都観光を楽しめば良いのだ」
「本当なんだよな。 信じて良いんだよな」
「心配するな」
そう言って手招きして首に破線を書き込む。 実線ではないのがポイントだ。
「なあ、コレって、魔術的な防御陣とかなのか?」
「いや、そうじゃないんだが…おっと、注意書きを忘れていたな」
「じゃぁ、魔除け的なモノなのか?」
「えーと、キ・リ・ト・リ・線っと」
「ちょっと待てやぁっ!」
なにを怒っているんだ? 折角の親切なのに。
「苦しまずに死ねるぞ?」
「首チョンパじゃねぇかっ!」
「しかも切る者も迷わない、親切なガイドライン。 無駄な自責の念を負うこともない自信作だ」
「斬る側じゃなくて、斬られる側の事を考えろよっ!」
「文句の多い奴だなぁ」
「オレは死にたくないんだよっ!」
素晴らしい案だと思ったんだがなぁ。 中々上手くはいかないモノだな。
「まったく、何が不満なんだか。 案外、あの世とか来世とかの方が、幸せかも知れないぞ」
「あの世に行きたくないんだよっ!」
「あのぉ、ベイナ様ぁ。 あの世に行くのが問題なら、死んだ後にアンデッドとして蘇らせれば良いのでは?」
「おおぅ、そうか。 ヘルならアンデッドに出来るんだっけか? それなら問題解決だな」
「ちげぇよっ! オレは死にたくないって言っているんだよっ! 大体アンデッドってなんだよ。 ゾンビやグールになんかなりたくねぇよっ!」
「多分山犬はぁ、ヘルハウンドになると思いますぅ」
「良かったな。 ゾンビやグールは回避出来そうだぞ」
「オレの話をちゃんと聞けぇーっ!」
結局、猛反対によってアイリを使者にする案はボツになった。 本当に我侭な奴だと思う。
「じゃあ、私とハトリで乗り込む案で構わないな」
「私が行きたかったですぅ」
「そう言うな、ヘル。 お前には上空からの領内監視があるだろう?」
「でもぉ、私は寂しいですぅ。 この子も寂しがると思いますぅ」
そう言いながら、お腹の卵を擦るヘル。 何だかすっかりお母さんだな。
「孵る前に帰ってくるから。 お前にしか頼めないんだ。 シッカリ頼むぞ」
「判ったのですぅ。 2人で帰りを待つのですぅ」
うん、サクッと行って、そんでもってサッサと独立文書を叩き付けて帰ってくるとしよう。 私だって楽しみにしているのだ。 どんな子供が孵るのだろうか?
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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