第106話 独立・建国編 ~えっ? 召喚獣ですか?~
カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。
ハトリをシッカリと大しゅきホールドでガッチリと抱きしめながら口を開く。
「地上からの監視に加えて、空からも監視したいんや!」
「ハトリは地上担当なのー?」
「そーだよー、優秀なハトリには地上の監視をお願いしたいんだ」
「判ったのー」
「ついにベイナ様は、童女を騙くらかす外道になったのですぅ」
ヘルからジト目で蔑まれる幼女、ハイガンベイナ4歳です。
てか、騙くらかすってなんだよ! そんな極悪非道な事なんてしないぞ!
「ジゴロの理屈ですぅ」
「くっ」
どうしてこんなにヘルは私にキツく当たるんだ? 自覚は無いんだが。
「それはハトリちゃんばっかり構ってぇ、私をのけ者にしているからだと思いますぅ」
「構ってチャンかよっ!」
「スネますよぉ。 良いんですかぁ? 面倒くさい女になりますよぉ」
「さーせん」
あっちを立てればこっちが立たず。 上手く行かないなぁ。
その後、みんなでナデナデギュウギュウする事で、何とかなったけど、みんな私の事が好き過ぎないか? まあ良いケド。
「なあヘル、空からお手軽に監視できる方法を知らないか?」
「それなら眷属召喚なんてどうですかぁ?」
「眷属召喚?」
ん? ハトリの眷属は蜘蛛なんだろうけど、ヘルの眷属って一体何なんだ?
「カラスですよぉ。 それ以外にもペストを運ぶ鼠もありますけどぉ」
「カラスでお願いします」
ペストなんて冗談じゃねぇよ! いや、それ以前にペストを流行させられるのか? あっ、そう言えばコイツ、死神だったわ。
とは言え、カラスは役に立ちそうだな。 3歳児程度の知能もあるんだっけか? AI搭載のドローンよりも役に立つかも知れん。
「なあ、視界共有とか可能なのか?」
「勿論ですぅ。 さらにはベイナ様を抱っこする事により、映像の中継も出来ますよぉ」
「つまりは、私も監視映像を見る事が可能だと?」
「ピッタリくっ付く事が条件ですぅ」
いや、それって多分、必要条件じゃないよね。 単なる要求なんじゃないかな。
「ああっ、急に視界共有の方法すら忘れそうですぅ」
「マジゴメンって。 機嫌をなおして」
「ナデナデで我慢しますぅ」
ナデナデ。 うん、コレは手玉に取っているんだか、取られているんだか。
いや、深く考えるとドツボにハマる気がするので止めておこう。
「では早速、召喚を頼めるか?」
「どれくらい必要なんですかぁ? 何なら数千羽までなら可能ですけどぉ」
「取り敢えず1羽で頼む」
「了解ですぅ」
そう言いながら、召喚陣を描いて手を差し出すヘル。 おおぅ、すげぇ。 めっちゃ大きなカラスやん。 70センチくらいはあるのだろうか? 絵になるなぁ。
ん? んんん? あれって、神話などにも出てくるワタリガラスか? 善の使いって言われてなかったっけ?
英語でもクロウ(Crow)と違い、レイブン(Raven)って呼ばれているくらいだし。 死神にレイブンはないんじゃないかな。
「酷い偏見ですぅ」「KuWaaaa~!」
「おうふっ、ゴメンて」
まさかカラスにまで抗議されるとは思わなかったよ。 でもカラスの中でも当たりだな。
頭が良い事に加えて、飛行能力が高い事でも有名なカラスだからな。 餌だって肉中心の雑食だし、最悪の場合はコロコロした人間を…って、こんな事を言えばまた怒られるな。
「普通に与えてますよぉ。 人間の屍肉ぅ」
「あっ、だよね。 死神だもんね」
怒るポイントが判らないよっ!
「この子達は、私のお気に入りなんですぅ」
「そうなの?」
「ええ、空いっぱいに覆い尽くしてぇ、威圧と絶望を与えるには最適なんですぅ」
「ああ、大きいもんね…」
まさかの見た目重視の召喚獣だったとは。
「ところでベイナ様は、自分の眷属は召喚しないんですかぁ?」
「ん? 私に眷属なんて存在しないぞ」
「神になったのですからぁ、やろうと思えば召喚出来ると思いますぅ」
「えっ、そうなの?」
初耳なんですけどぉ? てか、幼女神の眷属って何だ?
ハトリみたいに、小さい私がワラワラ出てくるとか? 何の役に立つんだ? そもそも私って何を司る神なんだろ?
闘神かな? でも格闘センスゼロだしな、それはないか。
じゃあ魔術の神とか? でも魔女様には勝てそうにもないんだけどな。
善神か悪神かって言われたら、どう考えても「悪」なんだよなぁ。 元魔王でもあるワケだし。
「幼女を司る神だと思いますぅ」
「ひでぇ」
まあ良いや。 そのうち明らかになるのだろうし。
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カクヨム版(先行)
魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~
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