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第105話 独立・建国編 ~えっ? 情緒不安定ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「上空からの監視網を構築したいんやーっ!」

「えっ、ママ。 ハトリはいらない子なのー?」

「違う、そんな事言ってないから許して!」


 童女を泣かせる幼女、ハイガンベイナ4歳です。


 ちゃうねん、広域を監視するのは空から行うのが常道だから言っただけで、ハトリを悲しませる気なんて無かったんだ。 信じてくれ。


「ママ。 お世話になったのー」

「待て、待ってよハトリ! ハトリは大切な仲間だし、いらない子なんかじゃないよっ!」

「でも、ハトリの事は嫌いになったのー」

「嫌ってないっ! むしろ大好きっ!」

「本当なのー?」

「本当、本当。 目に入れても痛くないくらいで、好きすぎて大変なくらいなんだっ!」


「ベイナ様ぁ、見苦しいですぅ」

「ヘル、そんな見下す様な目で見るのは止めてくれっ! あっ、ハトリ、お願いだから部屋から出ていこうとしないでくれっ!」

「うふふふふぅ。 慌てているベイナ様も可愛いですぅ」

「うがぁぁぁぁ~っ!」


 どうしてこうなった! 本当に広域監視の観点からグローバルホークとか、海上保安庁のシーガーディアンとかを思い出して、上空からの監視の必要性に思い至っただけなんだ。


 それに地上からの監視と言う意味では、状況を詳細に把握はあくする場合なんかには必要だし、決してハトリが役立たずなんて思っているワケではない。


 そりゃあ細かな説明をしなかった私にも責任はあるとは思うが、いきなり出ていくとか、ちょっと過剰反応だと思うのだ。


「ベイナ様ぁ、女は理屈じゃないのですよぉ。 こんな時は、ギュッと抱きしめて愛をささやけば良いのですぅ」

「そ、そうなのか?」

「そうですぅ。 そしてナデナデすれば大丈夫だと思いますぅ」


 そうなのか? そんな単純な事で大丈夫なのだろうか?


 こうかな? ギュッとしてナデナデ。


「大丈夫ですぅ。 そして愛を囁くのですぅ」

「ハトリ可愛いよハトリ。 大しゅきぃなのだぁ」

「ほんとなのー? ハトリの事、大切にしてくれるのー?」

「勿論だぞ。 死ぬまで一緒だぞ」

「もっとギュッとしてほしいのー」


 ギュッ!


「因みに私はぁ、そんなベイナ様をナデナデくんかくんかする事で愛をはぐくむのですぅ」

「をぃ」

「釣った魚にもぉ、えさをやらないとぉ、孤立化しますよぉ」

「くっ、好きにしろ」

「勿論、好きにするのですぅ~っ!」


 落ち込んだハトリを抱きしめてナデナデする私を、ナデナデくんかくんかするヘル。 うん、どんな状況?


 確かにハトリはまだ精神的にも幼いし、理屈だけで振り回してきた私にも責任はあると思う。


 ハトリが優秀過ぎたセイで、まだまだ子供だって事を忘れていたんだ。


 正確なハトリの年齢は知らないんだけど、まだ5歳以下だと思うんだよね。 こりゃ言い訳出来ねーわ。


 それにしても、ハトリって良い匂いがするんだな。 こんな事も知らなかったのか、私。


 でも哺乳類ほにゅうるいじゃなにのに、どうしてミルクっぽい匂いがするんだ? もしかして子蜘蛛こぐもを召喚したから母乳が出る様になったとか?


 いやいやいや、流石にそれは無いか。 しかし情緒不安定じょうちょふあんていなのは、マタニティブルーとか?


「おバカさんですかぁ?」


 あ、ハイ。 さーせん。


 安定の読心術はスルーするにしても、スキンシップが足りていなかったのは事実なんだろうな。


 たまにはこういった時間を確保するのも悪くないのかも知れないし。


 大体からして、私には余裕が無いんだと思う。 物事の先読みとか準備万端とかって、やりだしたらキリがない部分もあるからね。


 それもこれも、心に余裕が無いから不安になるし、適当な部分で止めるとか手を抜くといった事が下手なんだよね。


 どこまで行っても、私は思考そのモノが小市民なんだろうと思うし。


 別に効率化や結果を重視する思考を変えるつもりは無いケド、大胆な方法が選択出来ないのって、一発逆転とは程遠い思考だからね。


 一発逆転が必要ない状況にするのは堅実とも言えるんだけど、追い込まれたら弱いとも言えると思うんだよね。


 まあ追い込まれる状況にすらするつもりも無いのだが。


 取りえず今回の反省点は、「スキンシップは大切」ってことで良いかな?


「私とのスキンシップも、忘れないで欲しいのですぅ」


 ハイハイ。 仲間とのスキンシップは大切って事だよね。 男は遠慮したいケド。


 そう言えばすっかり忘れていたけれど、ポチは今頃、どうしているのだろう?


 シッカリと混乱をまき散らしてくれているのだろうか?


 このままじゃぁ、存在そのものを忘れてしまうんじゃないかと危惧きぐしているのだが、ヘルはどう思っているのだろう?


「ポチは放し飼いをしているのですぅ」


 おうふっ、放し飼いとは便利な言葉を発掘したものだ。 それって、必要になるまでは放置って事で良いのかな?


「問題ないのですぅ」


 まあ、飼い主が問題ないのなら、このまま放置しておくか。 いや、別に面倒くさくなったワケじゃないからね!



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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