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第104話 独立・建国編 ~えっ? 遠隔攻撃ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ガキなんて大嫌いだーっ!」

「ママー、よちよちなのー」


 童女になぐさめられる幼女、ハイガンベイナ4歳です。


 蜘蛛くもの視界を利用した転移は、一応成功だと言えるだろう。


 だが失敗もあった。 これは考えてみれば当然なんだけど、リンク用の糸が転移した段階で切れてしまった事なんだ。


 だからリンクでつながっていた視界なんかは転移した段階で完全に切れてしまったんだよね。 世の中そんなに上手くは行かないって事だ。


 あの方法は、緊急事態の奥の手として残しておこうと思う。 有効なのは間違いないからね。


 それにあの実験には収穫もあった。 それは遠隔での感覚の共有が出来たって事だ。


 例えば私が魔術などで攻撃を行う場合、主に視界から得た情報で対象の位置を把握している。


 ならば遠隔攻撃が行える可能性だってあるって事だ。


 例えばエクスプロージョンなんてモノは通常に使用する場合でも遠隔攻撃だ。


 ではその時に起こっている現象はどう言ったモノなのだろうか?


 それを私は、見えない魔力の糸が繋がった「念話」に近いモノなのではないかと考えている。


 今回の場合で言えば、視界を確認する蜘蛛までは物理的な糸で繋がっているので、行えるのではないかと考えたのだ。


 遠隔攻撃であるエクスプロージョンは有線から無線になる感覚なので、習熟には訓練が必要な気もするのだが、ファイヤーボールなら有線だけなので簡単なんじゃなかろうかと。


 てな事で、実験だな。 出来る事なら的が欲しいところだ。


 もう一度糸を使った視界共有を行いながら、射っても良さそうな的を探す。


 ん? 道を通行している一般人だ。 えっ、射て? いやいや、無差射撃なんて流石さすがにやらないよ!


 あっ、ポイ捨てだ。 射つ? いや、どうしよう。 確かにポイ捨てなんて許される行為ではないとは思うけど、それで射殺するとかは違うと思う。 私の威力じゃあ威嚇いかくレベルで済まないからね。


 おやっ? あれはナンパ? いやいやいや、射ちたいのは分かるけど、射っちゃダメでしょ。 まあ強制的に路地に連れ込むなんて事をした場合は、容赦ようしゃしないけど。


 ただ単に、ナンパな奴がナンパしているだけだからね。 そこまでひねくれていないよ。


 おやアレは窃盗かな? うん、アイツにしよう。 窃盗犯ってのは犯罪を繰り返すモノだし、中には捕まって逆ギレする奴なんてのもいるからね。 窃盗なのに万引きだとか言い張って、お店の人の生活はどうでも良いとか思っている奴。


 日本でもそれで潰れた書店とか腐るほどあるからね。 そんなバカな事で生活を壊されるなんて許される事じゃないと思うし。 うん、殺そう。


 もしかしたら過激だなんて思うかもしれないけど、店が壊れた個人書店さなんて、リアルに殺意を持つ事は珍しくないからね。 社会的な良識があるから殺さないだけで。


 てな事で、対象をロックオン。 持っている商品はダメになるかもだけど、犯人はターゲットの店を見つけたら、しつこく犯罪を繰り返すからね。 未来の為に我慢してもらうとしよう。


「ファイヤ!」


 あっ、外した。 ひとみが八つ蜘蛛の視界を共有しているとは言え、立体視って意外と難しいな。


「ファイヤ! ファイヤ! ファイヤ! げっとー!」


 4発目で何とか命中。 うん、天誅てんちゅうだと思って死んでくれ。 念のためにもう2~3発打ち込んでおくかな。


「ファイヤ! ファイヤ! ファイヤ!」


 犯人が炭化してピクリとも動かない。 うん、成功した様だ。


 遠隔攻撃としては、一応の成功だと言える。 だがしかし、問題もあったな。


 人間は脳でモノを見るときに様々な処理を行っている。 そう、目で見ているのではなく、脳で見ているのだ。


 例えば歩いている場合、視界に手ブレなどは起こらない。 これは脳が、手ブレ補正を行っているからだ。


 そして立体視、本来なら角度の違う2つの視界になるハズなのだが、これも立体画像として補正される。 今回問題が起こったのはコレだ。


 目の数や目と目の間の距離などにより、脳が通常の画像処理を行えなかったのだ。 勿論、犯人が移動していた問題もある。 所謂いわゆる視角の問題だ。


 狙撃などの長距離射撃の場合は、視界内を移動する角度が少ない為に、単眼でも問題ない。


 しかし視界と対象の距離が近い場合は、移動する角度が大きくなるために、単眼ではきびしいのだ。


 勿論速度が遅いファイヤーボールを使った問題もあるのだろう。 結果として追随射撃ついずいしゃげきになってしまったのだから。


 立体視が困難な状態での移動目標に関する攻撃には今後も実験が必要だな。 雷系などの速度の早い攻撃にするとか。


 範囲攻撃なら正確な射撃は必要ないかも知れないが、そもそも撃てる状況が限定的だし、有線と無線の混合技になるのだから、上手く行えるかも疑問だし。


 そもそも航空機からの射撃の場合は、単純なモノアイでの射撃ではなく、レーザーを用いた距離の測定や、銃器の場合は、弾丸が到着するまでの時間を考慮したターゲットスコープが表示されるので、何とかなっているのだ。


 ゲームなどで戦闘機の機銃から敵機への攻撃を行った事があるだろうか? あの時に表示されるターゲットスコープを思い出して貰いたい。


 流石に魔術でアレを実現できるとは思わないが、兵器とドッジボールの合わせ技を、慣れない複眼で行う必要があるのだから、苦労しそうである。


 アニメに出てくるファンネルってどうなっているのだろうか? そもそもアレってニュータイプ専用の装備だっけか?


 便利だよね、ニュータイプ。 物理法則とか生物学とかガン無視出来るんだから。 所詮しょせんはフィクションか。


 だからと言って希望がないワケではない。 拡張現実って言う便利な言葉があるでしょ。


 基本的には脳の認識ってのは優秀だって話なんだけど、例えばFPSなんかでも、手榴弾やグレネードなんていう遅い武器でも上手く操作出来る人間がいるのだ。


 しかもヘッドマウントディスプレイなどを使わなくても、パソコンの画面で使う猛者もさもいるからね。


 上手く蜘蛛の八つの瞳を利用できれば、かなり正確な射撃が行えそうな気がするんだけど、適当な移動目標がねぇ。 慣れるまでには時間が掛かりそうだし。


 何だろうねぇ、この都合の良い犯罪者を探す気分ってのは、自覚していても異常だと思う。



少しでも気に入られた場合は、ブックマーク、評価、「いいね」をよろしくお願いいたします。


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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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