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第103話 独立・建国編 ~えっ? 周辺監視ですか?~

カクヨムからの転載です。よろしくお願いいたします。

「ハトリ、蜘蛛くもたちに街道などの周辺も監視してもらえる様に配置して貰えるか?」

「了解なのー」


 領の周辺監視の体制を整える幼女、ハイガンベイナ4歳です。


 まあ何だ、これで周囲の状況も素早く把握する事が出来るし、情報収集としては十分だろう。


 本来なら、敵になる領などを優先して情報を収集すべきなのかも知れないが、現状では受身でも良しとしよう。


 要は手遅れにならねば良いとも言えるので、これだけでも十分だと思うのだ。


 情報化社会を経験した身として言えば、敵が侵攻の準備をした段階で不正規作戦を仕掛けるのがコスト的には最適解になるのだろうが、こちらが侵攻後に活動を開始したとしても大して変わらないからね。


 実質的な実働部隊が私とお供の数人だけなのだから、コスパは最強なのだし。


 これが軍を動かす事態になるような状況なら、食料や武器、武具、支援部隊などに払う金額を考えれば、財政に響く事は間違いないのだろうけどね。


 だから現代戦では、特殊部隊などを使って暗殺を仕掛けるのは常道だし、時間に余裕がある場合では、事件や事故に見せかける方法なんかもあるわけだし。


 イギリスのダイアナ妃が暗殺を疑われたのは、暗殺が結構起こるイギリス王室ならではと言ったところか。


 因みに暗殺が大好きなオバマ元大統領が「暗殺王」と呼ばれていたのは記憶に新しい。 何であんなのに「ノーベル平和賞」なんて贈呈しちゃうんだろね。 おかけで平和賞の印象なんてゴミ以下だわ。


 まあ何が言いたいかと言うと、私達の運用コストは特殊部隊以下だし、暗殺なんてクソ面倒臭い方法すら取らないでも、お安く済ませる事が出来るって事だ。


 何なら転移で出向いて行って、神罰か魔法で吹き飛ばせば大抵は皆殺しに出来るからね。 お手軽なんだよ。


 あ、でも転移ポイントって事前に作成していないと使えないのだろうか? そりゃあ転移ポイントなんて、見知って入れば十分なのだけれども、事前には訪れている必要性は感じているんだ。


 それが今回の監視網によって作成された視界を元に転移が出来るのなら、今後はもっとお手軽になる可能性を感じているんだよね。 実験する必要があるよな。


 そこで、ある建物の屋上らしき視界に意識を集中する。 まあ、見ている小蜘蛛も存在するハズなので、1メートル程先の場所なのだが。


「転移っ!」


 ふっと視線が先ほどまでいた部屋の中から、ボロい屋根の上に切り替わる。


 めきっ、めきめきっ!


「ん?」


 ふと音がする足元に視線を移すと、何だか悲鳴を上げる板切れに、ユックリと目立ち出すササクレがちらほら。


「ちょっ!」


 気付いた時には手遅れだった。めきっと鳴り響いたかと思うと、ずり落ちる視線。


「ぎょぇぇぇ~っ!」


 何とか止まった状態では、既に胸元までが板に埋まっていた。


「えっ、うそっ! 動けないんですけどぉ!」


 どうしようかと迷っていると、何やら下の方が騒がしくなっているご様子。


「お兄ちゃ~ん。 天井から足が生えているよ」

「何? さては泥棒だな。 こうしてやるっ!」


 えっ? 痛い痛いっ! 乙女の足に何してくれてんの? いや、待て! そこはダメだってばっ! 乙女の尊厳ってモノがあるんだからっ!


「いい加減にさらせよ、クソぼけがぁ~っ!」


 魔力鎧を大きめに展開し、周囲の板切れを吹き飛ばす。 勿論、同じ過ちを繰り返さない為に、飛行魔法も実行済みだ。


 大きめの音と共に散らばる破片と、ユックリと目繰めくり上がっていたスカートの降下に伴って広がっていく視界。


 コッチを見つめる小さな女の子と、守る様に棒切れを構える少年。


「へっ…」

「へ?」

「変態さん?」

「ちがうわボケぇぇぇ~っ!」

「ひえぇぇぇ~っ!」


 乙女に対して、何て言を言いやがるんだ。 こんなにも愛らしい幼女だと言うのに、よりにもよって変態だと? 鼻に指を突っ込んで、往復ビンタでもしてやろうか?


「妹は、オレが守る!」

「お兄ちゃん、頑張って!」


 いやいやいや、どうして私が、悪者みたくなっているんだよ。 そりゃぁ、天井を突き破ってしまったのは、私の落ち度かも知れない。


 しかしお前は、その棒切れで私のお尻とかいろいろ突いてくれたよな? 人にはやって良い事と悪い事があるんだぞ! がるるるる~っ!


「おい、ガキ供。 さっきは私のぷりてぃーなお尻に、よくもひどい事をしてくれたな」

「ガキ供って、お前の方が、もっとガキじゃん」

「ぐぬぬぬぬ~っ!」


 くそう、なんて生意気なガキなんだ。 この私を論破するとはあなどれないな。


 こうなったら、私が領主である事を明かしてマウントを取るか? いや、何だか負けた気がするから無しだな。


 それよりも、圧倒的な頭脳によって論破し返すのが正しい行動ではあるまいか。


「ふっ、コレは不可抗力から発生した事故であり、私に過失は存在しない」

「お前は何を言っているんだ?」

「だから、その後に被害を被ったセクハラ行為に対して、謝罪を要求する!」

「いや、それよりも…」

「それよりも?」

「天井を壊した弁償をしろよ」

「くっ!」


 これだから、子供は嫌いなんだよ!



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カクヨム版(先行)


魔女転生 ~えっ? 敵は殺しますけど?~


https://kakuyomu.jp/works/16816927862939210704


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